「日本にこんな場所があることを、知らなかった。本当に驚いた」|#訪問体験記
南相馬が秘める可能性を大いに感じた3日間
以前、仕事で地方へ滞在する機会があった。
その土地でとれる食材のおいしさ、出会った人々のあたたかさ、
時間の流れの穏やかさが、強く印象に残った。
地方ならではの「余白」に惹かれたのかもしれない。
一度、都会の喧騒から離れて生活してみたいと漠然と考えていたこともあり、今後の人生における選択肢の一つに地方への移住が加わった。
移住するということは、その土地を拠点として暮らしていくことで、
ただ仕事や旅行で滞在するのとではわけが違う。
"暮らし"という言葉の定義を振り返りたくなり、辞書で引いてみた。
"暮らし"・・・ 時を過ごす。寝たり、食べたり、働いたり、遊んだりして毎日を生きる。生活する。
これだ、と思った。
地方での滞在が強く印象に残った理由は、自分が理想とする"暮らし"のリズムに近いものを感じたからなのではないか。
それならば、実際に地方の”暮らし”を体験し、移住を検討する際の材料を少しでも増やしたいと、行動にうつすことにした。
いざ、南相馬へ!
つらつらと地方移住を意識し始めた経緯を語ってしまったが、
今回、なぜ南相馬という場所に赴くことになったのか。
東北6県に足を踏み入れたことはなく、南相馬との接点はなかった。
そんな中、MYSHSakebarでご縁のあった向井さんから、
社会人を対象とした「仕事・暮らし体験プログラム」のお話を伺った。
暮らし体験だけではなく、実際にまちづくり事業に邁進されている同世代の方々と共に、まちづくりの仕事体験ができる貴重な機会だと感じ、参加を決めた。
参考記事
そして、実際にこのような目標を胸に、南相馬へ向かった。
現地にて出向くことで、自分の肌で「南相馬」を体感
初めて降り立った南相馬は、とにかく広かった。
1市2町が合併し、鹿島区、原町区、小高区の3区からなるそうだ。
それぞれの地域を回り、地域とそこに住んでいる方々の特徴を知った。
一般的に南相馬といえば、馬のまちだそうだ。
その言葉の通り、まちのあらゆるお家に馬がいて、住民と生活を共にしている。
日本にそんな場所があったなんて、知らなかった。本当に驚いた。
「幼少期から、家の周りの田んぼで馬と遊び、時間を過ごしてきた」
「近くの農家さんで余った野菜等を、馬の食料としてもらうこともある」
地元の方々のご厚意で、乗馬の体験をさせていただいた際に聞いたお話である。
南相馬に住む人と、その暮らしの一部を感じられたような気がした。
また、乗馬体験だけではなく、南相馬の伝統行事である相馬野馬追で実際に着用されている甲冑まで着させていただいた。こんな貴重な体験をさせていただけることと、初めてお会いしたとは思えないくらい、とても気さくに接していただいたことに驚いた。心あたたまる時間だった。
このようなあたたかい距離感で迎え入れていただけたのは、「まちづくり」を実践している方々の存在もあってこそなのだろう。地域の人々と向き合い、信頼関係を築いているのだと感じた。
自分なりの視点。南相馬に溢れる魅力とは。
あっという間のツアー最終日。ワークショップでは、南相馬での暮らしと仕事を体験して感じたこと、印象に残ったことをシェアした。
同じ体験をしていても、職種やバックグラウンドの何もかもが異なるメンバーが集まり、各々の視点で南相馬の魅力を捉えており、とても勉強になった。
南相馬の外にいる私が思う南相馬の魅力は、「可能性にあふれている」ことである。
南相馬は、なにか新しいことができるのではないか?と感じさせてくれる、ポテンシャルを秘めている。
自然が豊かだから、なにか山沿いのコンテンツをつくることはできないか?
3つの地区で暮らす移住者の方がつながり、新しいコミュニティからなにかが生まれるのではないか?
そのなにかをより具体的に考えるためには、さらに深く南相馬を知ることと、そこに関わる人々とのコミュニケーションがより必要だと感じた。
その上で、自分ができることとしては、まずは「可能性にあふれている」南相馬の魅力を伝え、南相馬に関わる人を増やすことだと思っている。
南相馬での2泊3日は、南相馬を肌で感じながら、自分の価値観をアップデートする充実した時間になった。ありがとうございました。
ゆりえさん、素敵な記事をありがとうございました!
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