紙の本の価値

デジタル本が台頭する中、それに追いやられる形の紙の本の価値を創造していきたい。よく言われるのは、所有する価値。人びとの所有欲を満たすという価値。本棚にたくさん本があれば、自分はこれだけ読んだんだという自己意識の高まりを確認したり、本読んでる感、エリート感を醸し出せる。

しかし、所有欲は年々重視されなくなっているというデータがある(と言われる)。それよりも体験が重視される。買う体験なのか。それとも買った後の体験なのか。

本を持っていることをステータス化することは一つ考えられる。たとえば、読んだときの書き込みなどがかえって価値を高める場合だ。参考書なんかではよく言われる。これは買った後の体験。買うときの体験は?

買うという行為を分解する必要がある。物理的なものなのだから、ある場所に出向いて、本を手に取り、購買を決めるという流れが想像できる。本自体を芸術作品化するのはどうだろう。出版という考え方が普通だが、一つの執筆につき一冊のみの発行にする。その一冊にとことんこだわり、紙質、表紙、質感、重さ、行動変容、すべての要素を高める。それは希少性が高まり、持っていることのレア度が高まる。

不当に高い値段に設定していると思われるが、実際どうだろう。値段を基準に品質を知覚していないと自信もっていえるのだろうか。1枚の紙が10万円で売られているなら、その紙の価値は10万円。

値段って大事だなあ

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