プロローグ
2023年12月のある日、スタバでドリップコーヒーのショート(350円)だけを買い、朝から1人で本を読んでいた。満席ではないのでいいだろう。
家族、仕事、お金、友人、組織、過去、現在、将来。具体的な悩みや漠然とした不安が自分を圧倒し、その中で自己肯定感が不安定に揺れ動く。
「アジアと日本の架け橋になる」
あんなに張り切って大学を卒業してから1年半以上が経ち、今は理想と現実のギャップに充足感が感じられない。なぜだろう。
毎日のルーティンに飽き、新しい冒険が欲しかった。その欲望に従い、チームを説得して年始の仕事を片付け、貯まっていた有給休暇を活用して18連休を取ることにした。
私は2019年12月から2020年1月にかけ、バックパッカーとしてフィリピン、ベトナム、カンボジア、タイ、インド、インドネシアを巡った。その後のマレーシア、シンガポール、深圳への旅行計画は、忌まわしいコロナの影響で中止となった。しかし、その経験は良い思い出として刻まれ、自分の成功体験として心に残っている。
再びあの時のような思い出を作りたい。大人の世界や社会の歯車になることが不安だが、25歳6ヶ月、社会人歴1年8ヶ月。今こそ自分を見つめ直す良い時期だと思うんだ。
今回の旅の目的はただ一つ、「非日常」。新たな経験と感動を求め、その中での感情や思考をたくさん記録していきたいと思う。
もともとはインドネシアに住む留学生時代の友人に会うためにこの旅を計画したので、インドネシアのスマランを最終目的地に設定した。
しかし、直行便は目ん玉飛び出る金額であったため、東・東南アジアで未踏の地であった中国、マレーシア、シンガポール、ブルネイを経由することで、同じ予算内で多彩な国を巡ることができるだろうと考え、飛行機を選定した。頭が良い。最終的に以下の移動計画を立てた。
空路7回、陸路は3回となり、往路は上海経由、帰路はブルネイ経由の便を選び、半日ほどのトランジット時間を活かして、少しの時間でも観光を楽しむことにした。
今回の交通費は合計で約12万円。5カ国を巡る旅であれば、まあ高くはないだろう。
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