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三カ国目 マレーシア

※2024年1月5日〜2024年1月8日滞在時の現地情報
※本紀行は私自身の主観に基づいており、正確性は保証できかねます


2024年1月5日(4日目)

ワクワクドキドキ、バスでの陸路越境

国境を越える方法はいくつかある。最も一般的なのは、飛行機を使って空から、その他にも船を使って海から行く方法や、鉄道やバスを使って陸路で行く方法がある。この中で、日本人にとって最も馴染みが薄いのは陸路での国境越境だと思う。

以前、ベトナム→カンボジア→タイを訪れた際には、いずれも陸路で国境を越えた。そのカオスさには緊張感があり、同時に面白かったのも覚えている。今回はマレーシアからシンガポールに陸路で入国してみる。

バスは事前に日本で予約しておいた(そうでないとシンガポールに入国できない可能性があるので注意が必要)。夜の21時頃にシンガポール市内を出発し、30分ほどで国境のチェックポイントに到着するバスだ。

予定通りに到着した大型バスに乗り、国境を目指す。一応、マレーシア入国のためのオンライン入国カードと健康申告は完了しているので、スムーズに入国できるはずだ。

ちなみに、日本人は自動ゲートで入国できるとの情報があるが、初回は対象外なので注意が必要だ。初回入国時は必ず対人の入国審査を受けることになり、その後に登録がされ、次回以降は自動ゲートが利用できるようになるようだ。

シンガポールとマレーシアは海峡を挟んでいるだけなので、バスやタクシーで入国できる

入国して一安心、とはいかず。。。

対人ゲートでいくつかの質問に答え、無事に入国完了。この旅では3カ国目で、これまでの人生で13カ国目となるのは「マレーシア」となった。本日到着したのはシンガポールとジョホール海峡を挟むジョホールバルと呼ばれる都市で、クアラルンプールに次ぐ第二の都市とされている。

私は国境に近いバスターミナルから20分ほど離れたホテルを予約していたので、ここからバスに乗る必要があった。ところが、予期せぬトラブルが発生したのだ。

インターネットが繋がらない。

事前に住所やマップは控えていたので、バスに乗れば大丈夫だろうと思っていた。しかし、チケットカウンターでバスの情報を尋ねると

おねえさん「そこに行くバスはないよ」
ぼく「え」

カウンターのおねえさんがGrab(配車サービス)を使えとアドバイスしてくれたのだが、インターネットがないためGrabも利用できない。すでに22時を過ぎている。やばいかもしれない。

「インターネットが使えないんです、助けて」と言うと、おねえさんがテザリングしてくれました。女神様。Grabで車を予約し、30分後に車が到着した。酷い渋滞だった。

東南アジアに行くときはGrabを登録しておこう、白タクはリスクが大きい

宿に到着したのは23時半頃。場所はローカルな雰囲気で、外国人はあまりいなさそうだった。フロントに行くと、愛想の悪そうなおねえさんが2人。

「予約してます、名前は〇〇です」
「オッケー、シングルベッド予約してるみたいだけど、もう満席だよ」
「え」

私の部屋は既に誰かが使用しているようだ。私が知っている「予約」の概念が覆された。

「クイーンベッドなら空いてるよ」
「んもう、じゃあそれでいいよ、はやく寝かせてくれ」

というやりとりの末、500円ほど多く支払い、大きなベッドで寝ることになった。まあ悪くはない。予期せぬ出来事がいくつかあったが、臨機応変にそして他の人に助けを求めてなんとかなった。いや、なんとかしたのだ。今日はもう寝る。疲れた。

家のベッドの3倍ぐらいデカい

2024年1月6日(5日目)

旅も人生も臨機応変に

元々は早朝にジョホールバルを観光し、その後マレー鉄道でクアラルンプールに向かう予定だった。

しかし、5日間連続での激動の冒険により、旅の疲れが顕在化していた。また、乗ろうとしていた列車が何故か謎の運休となったこともあり、計画を大幅に変更したのだ。今日の朝はゆっくりと休息し、昼からはバスを利用してクアラルンプールに向かうことに。

私は柔軟性があり、状況に応じて臨機応変に行動できることは自らの強みだと思う。常にプランAと代替プランBを持っている感じだ。この柔軟性は特に旅行中に発揮され、これにより今まで充実しなかった旅はない。私は何があってもどうにかできるという絶対的な自信を持っている。

朝は10時までのんびりと過ごし、宿の目の前にあるバスターミナルから12時頃発のバスを予約した。ジョホールバルからクアラルンプールまでの距離は、東京から名古屋ぐらいあるが、なんと値段は約900円と爆安だ。

ジョホールバルからクアラルンプールの道中はずっとこの景色、南国感120%

飛行機や高速鉄道も魅力的だが、慣れていて時間に余裕のある人にとってはバスの利用が非常に経済的である。日本も同様ですが、海外ではその価格の差が著しく大きいからだ。

クアラルンプール行きのバスは約5分おきに運行されていた。40人収容可能な広々としたバスに、10人ほどしかいないガラガラの状態で、座席も2人分使えるほどの余裕があって超快適だった。

クアラルンプール郊外のバスターミナルに到着し、そこから鉄道を乗り継いで都心部に向かう。さあ、4年前に行けなくなり悲願となっていたクアラルンプールはもうすぐだ。

郊外のバスターミナルからはローカル列車を乗り継いで都心部へ向かう

大都会クアラルンプール

クアラルンプールに到着すると、一気に周囲の景色が変わったような印象を受けた。高いビルがあちこちにそびえ立っている。

今宿泊するのは再びドミトリー。安く旅をするなら、寝床にあまりお金をかけないのがセオリーだ。もちろん、アクセスが悪い場所だと交通費がかかるので、アクセスの良いドミトリーが最もコスパがいいと思うぞ。

42階建ての高層ビルに位置する16階の4人部屋に宿泊することになり、窓からはクアラルンプールの美しい景色が広がっている。宿の周りにはペトロナスツインタワーや駅があり、立地は最高だ。

クアラルンプールの街並み、同じ東南アジアのジャカルタやマニラぽさを感じた

現在は16時、手短に準備を整え、とりあえず明るい間にペトロナスツインタワーを見に行くことにした。

街を歩いていると、日本で言うところのLUUPのような「Beam」というキックボードを利用しようとしたが、なぜかクレジットカードが登録できず、歩きが確定した。

マレーシアは石油と天然ガスの豊富な資源国であり、その潤沢な資源を国営事業として展開している。国営企業「ペトロナス」はその象徴であり、その本社ビルがペトロナスツインタワーだ。451.9メートルという高さは、1996年の完成当初は世界で最も高いビルであり、現在でも世界最大のツインタワーとしての地位を誇っている。まあそんな豆知識は置いておいて、どんどん観光地を巡っていこう。

真ん中にそびえ立つのがペトロナスツインタワー、クアラルンプールのシンボル

旅の醍醐味、最っっっ高の贅沢

歩いて向かったのは、バロー通りという屋台通り。ここは友人のおすすめもあり、訪れたかった場所だ。やはり外国に来たら、屋台通りを歩いてみるのは絶対に外せない。

キャッチが盛んな屋台で、マレーシア風焼きそばのミーゴレンとマレーシアのビールであるタイガービールを注文した。ミーゴレンの少ししょっぱくて濃い味が、苦めのビールと本当によく合う。

美味しい食事とお酒は、旅の中での至福の瞬間だ。ここで少し時間をかけて、黄昏れることにした。2024年の初め、何か面白いことをしたいと思い、1月2日に出発してもう5日が経った。中国・シンガポール・マレーシアと3カ国を旅し、色々な難所を乗り越えてここまで来た。普通にすごい。

この5日間だけでも、自分の良いところや素敵なところを再確認できた。今、とても自己肯定感が高いので、感じたことをしっかりと文字に残して、いつでも振り返れるようにしておきたい。なによりミーゴレン×ビールが虜になる衝撃の組み合わせで、五感がときめく、言葉では言い尽くせない美味しさだった。

これぞ旅の醍醐味、腹ペコ喉カラカラで頂くこの組み合わせは口福の極み

多様な魅力たっぷりのクアラルンプール観光

1957年にイギリスから独立したマレーシアには、独立前から存在する歴史的な建物が街中に点在している。19世紀に建てられたイスラム建築の象徴、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルは特に有名で、その目の前には独立を記念したムルデカ広場(独立広場)が広がる。

クアラルンプールはマレー系、中華系、インド系など、多様な文化が交わる都市で、観光名所も豊富だ。イスラムのモスクやチャイナタウン、リトルインディアなどがクアラルンプール内にあり、様々な文化の影響を感じることができる。

ムルデカ広場から見渡せるイスラム建築

私が訪れた中で特に注目したいのはアジアで最も高いビル「ムルデカ118」です。完工すれば678.9メートルと、上海中心を抜いてブルジュハリファに次ぐ世界2位の高さになる。私が訪れた1週間後に竣工したらしい。

夜になり、再びペトロナスツインタワーを訪れた。大通り側からはその迫力に圧倒され、ビルの根本から仰ぎ見ることができる。一方、公園側からは噴水ショーとのコラボレーションが楽しめた。まさにランドマークタワーの風格を感じさせ、その美しさに感動した。

夜のライトアップされたペトロナスツインタワーは別格だ

生命の危機、最悪の出来事発生

宿に戻ったのは23時頃だったが誰もおらず、4人部屋を独占できることがほぼ確定した。シャワーを浴び、旅行の記録をつけていると、時刻は24時を回っていた時だった。「Halo」とおじさんが入ってきて、なんと18度という極寒の設定でクーラーを動かしたのだ。

東南アジアでは外気温が30-35℃と高いため、建物内ではクーラーが強力に効いているのはよくあることだ。そしてこれが「おもてなし」の一環とされる。ただ、寒過ぎて皆が上着を着ているところを見ると、正直言って電力の無駄遣いにしか思えない。これは理解できない文化なんだよなー。

おじさんがシャワーを浴びている間に26℃に設定し直したが、それでも私のベッドは風が直撃して寒かった。上着を羽織り、布団にくるまってようやく眠ることができた。

眠れない夜に見た宿からの夜景、ツインタワーは本当にこのぐらい光り輝いている

「ぶーん」

深夜、突然の音に目が覚め、右手に違和感を覚えました。「...かゆい」。電気をつけて見てみると、虫に刺されてたのだ。虫刺されは東南アジアでもっと恐れていたことの一つ、最悪だ。

世界で最も人を殺している動物は、ヘビやサソリ、ハチではなく、蚊だ。WHOによれば、毎年72万人以上が蚊によって死亡しており、その原因はマラリアやエボラ出血熱、デング熱などの蚊が運ぶ感染症。特に東南アジアではデング熱が広がっており、日本人が訪れた後に帰国して発症し死亡したケースも報告されている。

私は留学時と同様に、虫除けスプレーを使用し、長ズボンをはいて虫刺されを避けるようにしていたが、それでも刺されてしまった。一時しのぎとして、日本から持参したウナを塗ったが、これはアレルギー反応を抑えるものであり、感染症には対応できない。心配すぎてその晩はなかなか眠ることができなかった。そしてこの虫刺されが後に大きな問題を引き起こすことになる。

日本から持っていった東南アジア旅行の三種の神器
でも虫除けは現地調達の方が良かったのかもしれない

2024年1月7日(6日目)

スコールに阻まれるマレーシア3日目

マレーシア3日目の今日は一日中観光を楽しむ予定だったが、朝から雨が降っている。2つの意味で雲行きが怪しい。

東南アジアや他の熱帯地域では、高温多湿な空気が上昇し、地表は低気圧となるため、上空に溜まった大量の水蒸気が絶え間なく地上に注ぐ。これが東南アジアで大雨が降る単純化されたメカニズムだ。

だが昨日クアラルンプール内の超有名な観光地をかなり回ることができたので、雨が止むまで一息つくことにした。朝11時ごろにチェックアウトし、チャイナタウンで美味しいカオマンガイを食べ、そのあとはスターバックスで14時ごろまで過ごしたような気がする。

カオマンガイはタイ料理の一つだが、マレーシアの中華料理の組み合わせも抜群だ

それでも雨が止む気配がないので、とりあえず訪れたいと思っていたバトゥ洞窟にGrabで向かうことにした。

バトゥ洞窟は首都の隣に位置する巨大な洞窟で、ヒンドゥー教の聖地。272段の階段を上り、大きな洞窟に入るとヒンドゥー教の寺院や壁画などが見られる、不思議な空間だ。

その後も強い雨が降り続いていたので、雨が止むのを待つ間にクアラルンプール最大のショッピングモールであるPavilion KLのスターバックスで、次の国への準備を進めることにした。

夜になるとやっと雨も上がり、夕食には昨日食べたアロー通りのミーゴレンとタイガービールを再び楽しんで、その後宿に向かった。

雨でもたくさんの人が訪れていたバトゥ洞窟
階段を登った先にはヒンドゥー教の寺院が広がる

大事な日の宿はちゃんと選べ

明日は朝8:55の便でインドネシアのジャカルタに向かう。そのために宿は空港近くの場所を選び、なるべく快適に休むことができるようにしておいた。この判断は正しかったのだが。。。

まず、空港に向かうためにKL Centralというターミナル駅までモノレールで移動し、次にバスを使って空港まで向かった。クアラルンプール国際空港は都市部から結構離れており、東京駅から成田空港までのような感じだ。

何とか空港に到着し、宿は歩いて30分の場所にあると書いてある。Grabを使うと高いので、30分ぐらいなら歩こうと考えていたが、その考えは甘かった。歩こうとしていた場所が真っ暗な森だったのだ。盲点だった。

10分ほど考えた結果、無理だと判断し、Grabで移動することに。まあしょうがない。その途中で右腕が腫れ上がっているのに気づおいた。昨日の虫刺されが大きな水ぶくれになっていたのだ。とても怖かった。

宿に到着して、虫刺されについて尋ねてみると、非常に深刻そうな顔で「this is quite serious… I never seen…」と言われ、余計不安に。保険は用意していますが、できれば使わないようにしたいのだが。(それは無理をするという意味ではない)

とりあえずウナを塗って水ぶくれに触れないように絆創膏を二重に貼っておいた。デング熱やマラリアなど、様々なことを考えてしまい、この晩はなかなか眠れなかった。明日はインドネシアへ向かう。

4回目の登場、ペトロナスツインタワー。ちなみに写真は全部iPhoneで撮っている

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