全ての女性へ「Classyな生き方」を伝えたい /Classy Academy代表 ~石井 江奈さん~
写真家・フリーアナウンサーであり、「個性 美 自立」を兼ね備えた、Classy(上品)な女性を育成するClassy Academy代表としてご活躍中の石井江奈さんにお話しを伺いました。
【プロフィール】
出身地:東京都世田谷
活動地域:東京など
経歴:立教大学在学中パリに留学。帰国後卒業しテレビ朝日系列局アナウンサーとして入社、「スーパーJ チャンネル」の初代キャスターに。
1998 年にフリーアナウンサーとして独立、並行して写真家としての活動。
2015年、ニューヨークの11th Annual National Alternative Processes Competitionでプラチナプリント作品が日本人として初めて入選。以来、国内外で個展を開催。2017年1月にClassy Academyを立ち上げる。
現在の職業および活動:Classy Academy代表、写真家、フリーアナウンサー。2019年1月よりNHK文化センター青山教室にて、話し方講座「声を磨いて人生を変える!洗練された大人の話し方」の講師を務めている。
座右の銘:「強く願って行動し続けたら、叶わない夢はない」
◆女性の可能性が広がる社会にしたい
Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?
石井 江奈さん(以下、敬称略) どんな人もひとりひとりが「凛」と立っていて、それでいて手を繋いでいられる社会が理想です。可能性が広がる社会になって欲しいから、可能性をたくさん持った女性を育てたいです。年齢に関係なく変化することができるし、その気持ちが人を輝かせます。それを私は 「Classy な生き方」と呼んでいます。今後はClassy Academyで育成した生徒さん達がそれぞれの個性を活かした専門家として活躍する場を作り、「『Classy』の輪をどんどん広げて行きたいな」と。そして私は代表として統括しつつ、アート作品を通して女性の在り方など自分の思いを表現し続け、自分の集大成を形にして、話さずとも伝わるような作品を作りたいと思っています。
記者 「Classyな生き方」とは?
石井 「Classy」 という言葉は、ただ「綺麗」というニュアンスで使われることが多いですが、そもそもは「気品がある、凛としている」という意味があります。正に私がそうありたいと思う言葉ですが、これからの日本の女性はそうあっていくべきなのではないかと感じています。依存するのではなく、ひとりひとりが個性を生かし、自分の世界を持って経済的にも精神的にも自立すること。そうすれば、結婚してもお互いの世界を融合することができてより世界が広がります。
◆光の芸術「写真」が持つ可能性
~目に見えない美しさは人を癒す~
Q:夢やビジョンを達成するために、現在どのような基本活動をされていますか?
石井 2017年1月にClassy Academyを立ち上げ、来て下さる方おひとりおひとりの個性を引き出すお手伝いをしています。私は元々アートが好きで写真のプロでもありますので、写真を通してその方の無意識に潜む「本当にやりたいこと」に気づいてもらうサポートをしています。生徒さんご自身に撮ってきて頂いたものを見ながら、記憶を辿り対話を積み重ねることで、「『本当の自分』が見えてくる!」と皆様驚かれるんですよ。また、アート鑑賞会を開催しています。最初は写真展へ行くことをしていましたが、もっと色々なアートでやりたいと思うようになり、2017年1月からはアートライターの新麻記子さんと共同開催するようになりました。どんどんリピーターが増えてきて、最初は緊張して話せなかった方がだんだん話せるようになってきたりして嬉しい限りです。昨年からアナウンサーとして復帰した流れもあるので、これからは「自分らしい話し方・コミュニケーションの取り方」という部分でもサポートできたらいいなと思っています。
記者 なぜ、写真を通した手法を取り入れたのですか?
石井 写真は誰にでも撮れるものだから、写真家は逆に「自分らしいものが撮れない」というのが悩みどころだったりします。絵は自分で思ったものを描けるけど、写真は全部写り込んでしまう。それを逆手にとって「全部写るからこそ、逆にその方も気づいていなかった本当の思いが映し出される」という逆転の発想なのです。撮る人は、無意識に自分でも気づいていない気になるところに焦点を当てます。自分が直感で反応したものこそに深層心理が現れます。
◆破壊は「正」のエネルギーを生み出せる場
Q:その夢やビジョンを描くようになったきっかけは何でしたか? そして、どんな発見がありましたか?
石井 私は17歳の時に父を突然亡くしました。普通にご飯を食べて「おやすみ」と言って部屋に戻った1時間後くらいでした。心筋梗塞でした。「人生って本当にいつ何が起きるか分からない」ということと、絶対的な存在だった父が突然いなくなったけれど、普通に朝がきて、そして父の会社も代わりの人が来て普通に回ることに気づき、そこで悟り知りました。「これは我慢したり、諦めたりしていたら勿体ない」と気がついたのです。今ここでやりたいと思ったことはやらなきゃいけない。父が身を以て教えてくれたのだと思います。
記者 お父様が亡くなったことで、ものすごく何かが破壊されたような感じですね。
石井 そうですね。「破壊」という言葉はものすごくマイナスなイメージがありますが、それは逆に「正」のエネルギーを生み出せる場であったりすると感じています。だから私は物事を全てそういう風に捉えていて、失敗は「怖い」という人が多いですが「失敗がなかったら成功もない」と思います。だから「たくさん失敗しなさい」と息子にも言って育ててきたし、私自身も失敗は怖くありません。失敗したらやり直せばいいし、たとえ何もなくなったとしても生み出せばいいのです。
記者 お父様から大きな影響を受けたのですね。
石井 はい。でも父が亡くなってからの母の在り方がまたすごかったです。母は突然夫を亡くした訳ですが、父が亡くなった時にたくさんの方からお花を頂いて、「お花をやりなさい」と父から言われたような気がしたそうです。44歳からフラワーアレンジメントの勉強を始め、ホテルの花の装飾なども任されるようになりました。「10年間はやろう」と決めてやり続けたのです。それからオーストリアに行って伝統工芸を習ってきて、そこにアートフラワーを織り交ぜて自分のオリジナルブランドを日本に出すということを考えつき、現在も精力的に創作活動を続けています。 母は、辛すぎる別れにも人生を悲観することなく、ある意味で「父がくれたチャンス」と捉え前を向きチャレンジを続けている。そんな母の考え方を私も継承していると思います。
◆見えないものに本物の真実がある
Q:お父様の「死」と、そこに向き合われるお母様の生き方に大きな影響を受けているようですが、その背景には何があるのですか?
石井 元々人は好きですし、怖がらないですね。なんでもチャレンジしたいです。だから石橋を叩く前に渡ってしまうタイプではあります。不安になるよりも足を踏み入れて落っこちてしまうみたいな子供だったようで、「ここから先に何があるのかしら?」というワクワク感の方が勝ってしまうんですよね。大人になるとこのワクワクが減ってしまう方も多いようですが、私の場合は逆に子供の頃以上に好奇心旺盛になっている気がします(笑)。
◆創造と破壊
記者 大事にしていることは何ですか?
石井 私はピカソが大好きなんです! ピカソは「創造と破壊の画家」と呼ばれていて、彼はひとつのものを生み出すために「壊してから次にいく」ということをするのです。「何かを手に入れたいとか、新しく何かを生み出すには一回壊す必要がある」と学びました。肩書きなど、人間は年をとるごとにどんどん鎧を重ねていくから、本当の自分がだんだん見えなくなっていくものだと思っています。ちょっとでも疑問を持っていたり、苦しいと感じたり、重くなってきたりしたら一回脱いでしまえばいい。脱いだら楽になる。本当に楽になる。「一回ゼロになって、ピカソじゃないけどそこから重ねて着ていけばいい。怖いし不安もあるけど、そのまま何も行動しなければ、壊れないし何も生まれない」と思います。
記者 出会いを大切にし、おひとりおひとりに真摯に向き合い、そっと背中を押して相手の個性を引き出す。そんな江奈さんの出会いの姿勢に感動しました。輝く女性が増えると豊かな社会ができそうですね。今日は貴重なお話しをありがとうございました。
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石井江奈さんの詳細情報はこちらです。
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Classy academy
【編集後記】
インタビューを担当した菱谷、登坂、久保です。
江奈さんの「負」を「正」に転じる力強さとは対照的に、全てを包み込むような柔らかさが印象的な女性でした。お仕事の幅がますます広がるようです。これからのご活躍が楽しみです。
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
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