地域を巻き込むイベントの光と影|地域活性化に本気で挑む人たちへのインタビュー
地域住民はもちろん、地域店舗や地域で活動する人たちを巻き込むイベント。そんなイベントを主催する地域活性化の担い手から話を聞いてきました。すると、イベントを通して地域活性化に貢献する想いだけではなく、その苦悩についても知ることができました。
こんにちは。まいぷれ本部の佐藤です。
2022年11月12日土曜日。江戸川区は葛西臨海公園駅高架下のイベントスペースFfにて開催された「えどがわ やさしいマルシェ」。
今回は、その主催者であり「まいぷれ江戸川区」を運営する株式会社京葉十二社広告社の畑崎英美さんにインタビューを行いました。
今回インタビューに答えてくれた畑崎様
地域で培った繋がりが地域を巻き込んだイベントにまで発展
―― 今回のマルシェはどういった経緯で開催されたんですか?
元々は「子供服交換会」というイベントを運営している別会社がいました。その方から、イベント企画をやっていたり、地域での広報力を持っていたりする「まいぷれ江戸川区」にお声がけをいただいたのがきっかけです。
私たちはそのイベントを引き受け、どうせやるなら地域住民や地域店舗を巻き込んでやりたいということで、「マルシェ」という形で開催しています。今回は「こども服おゆずり会」も同時開催しました。
地域での活動が評価されて、このようなお声がけをいただけるのはとても嬉しいですね。1回目の開催でかなり好評をいただき、施設の館長からも「是非やらないか」と言われ、2回目の開催を決断しました。
―― 地域で培った繋がりがきっかけとなって、このようなイベントの開催に至ったんですね。
開催にあたって、出展店舗はどのように集めたんですか?
出展店舗は、「まいぷれ江戸川区」に掲載していたり、これまでに取材などでお話ししたことのあったりする店舗にお声がけすることができたので、それほど大きな苦労は無かったです。
今回は内容についても、こんな嬉しいことがありました。
前回のイベントでお付き合いのあったミュージカルグループの方に「そのイベントで発表の場が欲しい」とご相談をいただいたんです。
実は、それがきっかけで今回ステージも用意しました。
やはりコロナ禍でイベントが激減している今、発表の場があることはとても喜ばれますね。結果的に5グループの団体が参加し、多くの方にステージを楽しんでいただくことができました。
自分たちが関わる多くの人に喜んでもらえるのがやりがい
―― 今回のマルシェはどんなテーマで行ったのですか?
江戸川区が力を入れていることもあり、「SDGs」をテーマにしています。「SDGs」というと、どうしても堅苦しいイメージになってしまうので、出店ブースや体験を通して、楽しみながら考えてもらうきっかけになればという想いです。
そこで、今回は子供も大人も楽しめるように工夫しました。ワンコインで参加できるワークショップやはずれ無しのガチャガチャなどは、親子で一緒に楽しんでいただけたのではないかと思います。
―― 出展する地域店舗からの反応はどうでしたか?
ありがたいことに、かなり喜んでいただけていますね。
ステージ出演の団体もそうですし、キッチンカーの方や普段通販を中心に活動されている作家さんも、リアルのイベントの場があることを喜んでくれています。
このイベントをきっかけに出展者同士が仲良くなり、地域での繋がりを広げるきっかけにもなっています。
あとは、一緒に地域を盛り上げようとする企業さんにも喜んでいただいています。第一生命株式会社 江東支社新小岩オフィスさんや23区南生活クラブ 生活協同組合まち江戸川さんにも協賛についていただいています。ファミリー層に対しての認知拡大という意味もあって、こういったイベントには積極的に協力くださっています。
地域イベントは収益化が難しく、継続するのは大変
―― 当日はとても盛り上がっていて、大人も子供も楽しんでいたと思うのですが、反対に大変な部分はどこでしょう?
そうですね……。やはりイベントで採算を取るのがかなり難しいです。準備にかなり労力と時間がかかりますし、場所を借りる費用が大きくかかります。
イベント自体は本当に多くの方に喜んでもらえるのですが、私たちも仕事としてこれをやっているので、赤字では継続していくことができません。
―― そんな中でも第2回のイベントを開催されたのはどんな葛藤があったのでしょうか?
やはり、喜びの声、期待の声をたくさんいただいたというのが大きいです。「まいぷれ江戸川区の周知」がイベント開催の目的でもあるので、このイベントを通じてサイトやSNSを知ってもらったり、地域店舗・団体から有料掲載のご契約をいただいたりすることもございます。そのように、繋がりがどんどん広がっていくのはイベントの良さですね。
あとは、団体さんや自治体から「イベントを開催したいんだけど……」というご相談もいただくようになりました。私たちはこういったイベント開催のノウハウを共有できますし、告知のお手伝いもできます。
コロナ前は地域のお祭りのポスターを作ったり、企画を提案・実施したりもしていました。
主催者としてはかなり自由度高く動ける一方、費用やコストがそれなりにかかってくる。私たちの場合は主催者としてだけでなく、それを支える側としても関われるようになったのはとても嬉しいことです。
地域活性化と収益面の両輪を追い求めていきたい
―― 今後の活動の展望を聞かせてください!
イベント開催以外でも、地域に貢献できる活動はたくさんありますから、そちらにも力を入れていきたいです。
イベントに関しては、正直コスト面などで課題も多いです。しかし、区民の方、地域店舗、自治体にも喜んでいただけますし、繋がりも広がっていくので今後もできる範囲で開催したいと思っています。
ほかにも地域に貢献できる活動を幅広く見つつ、その中でも課題をクリアしながらイベントには関わっていきたいですね。
―― 「まいぷれ江戸川区」さんでは、どのような活動に力を入れていく予定なのでしょうか?
私たちはWeb、SNS、フリーペーパーなどで子育て情報の発信をしているのですが、おかげさまで多くの方の認知をいただけるようになってきました。
子どもの習い事や子育てに役立つ情報を知りたい地域の子育てファミリー、またそこに情報を届けたい店舗や団体の方々にも喜んでいただけますし、私たちも広告収入という形で利益が上がるので、三方良しの活動になっていると思います。
年1回発行のエリアマップは幅広い層に、手に取ってもらえるようデザインにこだわって作っています。おかげさまで好評で、まいぷれを知ってもらうきっかけになっています。
今後も自分たちの使えるものをフル活用しながら、地域に貢献していこうと思います!
【記者コメント】
最後までご覧いただきありがとうございます!
イベントは参加者側としては楽しいですし、地域住民も地域店舗も自治体も巻き込める良い取り組みのように見えますが、主催者にはたくさんの苦悩があるんですね……。私自身の学びにも繋がりました。
これからも、全国津々浦々、地域活性化の取り組みをご紹介していきます!
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