妄想
子どもの頃から妄想ばかりしてきました。
好きなバトル漫画に勝手に自分をオリジナルキャラクターで登場させて主人公より活躍させる、という事を脳内でひたすら繰り返す日々。
画力が無いので漫画にはしません。
なぜかどの漫画でも自分は雷の能力がありました。
今でも雷のキャラが一番カッコいいと思っている。
主人公に雷の能力があったら「主人公よりも強い雷の能力の持ち主」として登場させていました。
あの頃の自分に雷の能力キャラの座を譲る気は一切ありませんでした。
そんな妄想ばかりしていたせいか、成長しても別種の妄想をする癖は抜けませんでした。
内容は少し現実に寄っていきましたが、妄想具合は変わりません。
めちゃくちゃ下手くそなのに、野球部でいきなりレギュラーになって試合で大活躍する妄想とか
全然話す事すらできないのに好きな子に振り向いてもらっている妄想とか
好きな漫画のキャラが、深夜の校舎に忍び込んでサバゲーをしているのを読んで自分でもそれを妄想するという合わせ技もありました。
社会人になってからは忙しくて、妄想する暇もありませんでした。
目の前の事に集中していたら、妄想はしなくなるんだという新たな発見。
芸人になってから、また妄想する事が多くなりました。
こういう所からも芸人は暇、という事が分かります。
賞レースの時期になると、まだ何のネタも出来ていないのに決勝に行く妄想をしています。
別に「妄想をしよう」と思ってしているのではなくて、普通に「賞レースのネタどうしようかな」と目の前の現実の事を考えているうちに次第にそうなっていくのです。
今もR-1の決勝のネタが終わった後の平場の立ち振る舞いばかり妄想してしまいます。
妄想上ではネタはぼんやりしています。現段階で決勝用の4分ネタは完成していないので、ぼんやりしているのは当たり前です。
それ以上にぼんやりしているはずの平場の事なんて考えてもしょうがないのに。
今は目の前にある2回戦をどうするか考えるべきなのに。
子どもの頃の妄想は、今思うと現実逃避なんだと思います。
つまらない授業中とか、一人でいる時間に気が付いたらそんな事を考えていました。
そう考えると、今の妄想も現実逃避です。
2回戦の2分ネタをどれで行くのか考えて、すぐに決めなくてはいけないのに、そんな現実を見たくなくてはるか遠くの決勝の平場の事ばかり考えてしまっている。
明日決勝だからシミュレーションしとこう、ならまだ分かるけど。
時間の無駄。
マジで早くネタ考えろ。
「昨日のライブであんまりだったなあ……ネタどうしようかなあ……決勝の平場どうしようかなあ……」
なんかやっている場合じゃないだろ。
妄想を潰すにはひたすら目の前の事に集中するしかないです。
社会人の頃に出来たのだから、今も集中すればできるはず。
先の事ばかり考えてしまうから、不安になってしまうんです。
目の前の事だけに集中していれば、それが繋がって未来になっていくのだから、何も不安に思う事などないです。アドラーも確かそう言っていました。
今をダンス、みたいな。わからないです、各自調べてください。
とりあえず今は目の前にある主催の大喜利ライブのお題を考えます。
これは主催の準備だから、現実逃避じゃないです。
いいなと思ったら応援しよう!
