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『不動智神妙録』秘伝の神髄:3
イップス
『不動智神妙録』秘伝の神髄:2の続きになります。
今回はスポーツでイップスといわれているゲシュタルト崩壊を取り上げます。
イップスとは野球の超一流の投手によくみられるスランプで練習すればするほどボールを投げられないという障害です。
ちょうど今回の内容に適切なものになりました。
それでは復習から始めます。
一番解らない箇所はやはり次の文であるので別の角度から解説したい。
「人の一心動て」
「うごかざる物事に動事せぬ所を不動と名付たる事也」
人の心は意識しなくても環境や人の言葉に応じて敏感に反応することを沢庵禅師は「人の一心動て」と表現するのです。
対象がうごいているか自分が動いているか両方動いていることが前提条件になるのです。
それに対して「うごかざる物事に動事せぬ所を不動と名付たる事也」は対象が「うごかざる物事」である。
なぜ相撲に「水入り」という制度があるのか取り組みに進展がなくそれが約4~5分続くと仕切り直しをする。
両方の力士に「動きがない」からである4~5分が限度だと経験からの時間だと思う。
両方の力士の動きがとまるとお互いにゲシュタルト崩壊し相手の存在を忘れてしまってしまうのです。
警戒して手を出さないのではなく体が動かなく試合を忘れてしまうことになる。
まず本文を読みましょう。
「不動〔智]地の位へ至りぬれば、立帰て本の住地の初心の位へ落る也。」
大変驚くことを言っております。
せっかく不動智を体得したと思っていたら元の木阿弥に戻るといいます。
まさにこれこそイップスですエースといわれる投手の手からボールが離れないという現象です。
初めはなんの知識も技も知らなくとも順調に三振を取っていたのに技術をたくわえ自信がついて来たと思っていたら突然ののパニックです。
思い道理にコントロールが効かないのです。
意識すればするほどボールがそれて行きます。
前回ゲシュタルト崩壊について話したけれどゲシュタルト崩壊が起きるにやはり野球のピッチャーやゴルフのように考える時間がある選手に起こるようです。
スポーツではイップスといわれることもあって原因はいろいろあるが考える時間と「うごかざる物事」が重要な要因である。
野球のピッチャーのボールが手から離れない選手いるというそれも一流のピッチャーだ。
それも的を絞って投げるピッチャーやバレーボールのサーブ、ゴルフに起こりやすい。
解決策としては沢庵禅師の教えの「うごかざる物事」である的を見るには見ても心を留めてはならないのです。
具体的に言えば無心の状態で見るのは一瞬に見ることである。
練習の時であれば壁に向かって的を見ないで適当に投げることから始めることである。
そうすれば「無心無念の位に落着する也。」
「至極の位に至り候えば手足身が覚へ候て心は一切入らぬ位に落着するもの也。」
それでもなお訓練すれば無心無念の境地なれば頭で考えなくっても手足が自然と動くようになるという。
『不動智神妙録』秘伝の神髄:4へ続く
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。