指す将順位戦8th A級3組第1回戦 vsプロテク太
去る6月17日はプロテク太さんとの対局だった。
1回戦、即ち ⚔初陣⚔ である。
前後に誕生日を迎えたことなどもあり、少し気負うものもあったところだが
内容が付いてきていたかどうか振り返っていこう。
なお今後も「記事タイトルの御相手の名前」については
敬称略でいかせてもらうつもりだ。
もしさん付けして欲しい人がいたら御一報頂きたい。変な敬称も歓迎だ
相手の土俵
戦型は先手中飛車穴熊に対しこちらが後手一直線穴熊。
向こうは早々に穴熊を宣言してくるなど全体的に決断良く指されているように見え、もしかしたら用意の作戦だったのかもしれない。
対してこちらは飛車先を保留・不突の工夫を凝らしてみた。
攻め味が薄まるので若干主導権は握られやすくなるが、穴熊側にその分の手を掛けることができ、陣形の安定化が図りやすいという判断だ。
第1図以下、先手が右四間に振り直したのを見て△5一銀からくっつけていくこととし、一旦は相手の攻撃を受け止める展開を描いていた。
善悪はともかく、予想通りに進んでいたので個人的にはまずまずだと思っていた。
複数の課題
先手は5筋を突き捨てて弾みをつけての開戦だ。
前項で「思っていた受け止める展開でまずまず」と言ったのだが、直前の△7二飛の感触が悪く、将来の角交換から▲6三角と打たれることなどが脳裏に浮かんでおり、このあたりから徐々に苦戦を意識し始めていた。
なお、△7二飛自体も悪手と言うほどではないが、代えて△2二銀と閉じる手が挙がった。「一直線穴熊は閉めるのを引き延ばせ」という説もあるが、
素直にこれが本手だっただろう。
第2図以下、△5四同歩▲4五歩△5五歩▲同銀と婉曲的な対応をしたのだが、続く△5七歩(第2-A図)の叩きが良くなく、▲同金と取られて何もなく
△4五歩と手を戻すようでははっきり不利となった。
局後の感想戦では△5七歩に代えて△4五歩と取り、仮に▲同飛なら△5六金!(第2-B図、下)という技が挙がった。相手の角が浮いているからこその大技だが、恥ずかしながら自分は見えていなかった。
▲同飛のところで▲4四歩と抑えておく手もあるため簡単ではないが、少なくともこのあたりの持ち歩の枚数はもう少し気を遣わないといけない場面であり、軽々に叩くのは迂闊だったと言える。
悲観が早過ぎるという大局観、鍔迫り合いを続ける気力……
二つの課題が初戦にして見えた将棋だった。
手だけは離さじ
叩きからの継続手として金取りに角を出たのだが、ここでは先手に▲4三歩成という決め手があった。
以下△同銀に▲6四銀と王手金取りをかけるとそのまま金を取った手が飛車にも当たり、ボロボロ取られていく。飛車1枚、最低でもカナ駒1枚は差がつく順であり、これを発見されていれば負けていただろう。
本譜は第3図から▲5八金と躱したのだがこれはその前の叩きや覗きの顔が立ち、所謂脅しが効いた格好になったので、△7七桂とさらに脅しの勝負手を重ね、先手が一方的に殴り倒す流れは食い止めることができたかと思う。
そしてついに勝負手が実り、苦しいながらもコーナーからリング中央まで
相手を押し返すことが出来た局面。
第4図から先手は▲5三歩成と成り捨ててスピードアップしてきたが、これがどうだったか。本譜は銀で食い千切った桂で両取りとラッシュを掛けてきたが、ここはじっと▲5七金と手を戻し、その後の▲6一角のように
少し面倒を見つつ、腰を据えた骨太の攻めを構えるのが良かったようだ。
また感想戦でプロテク太さんは第4図の少し前より指す手が難しかったと言われており、一貫した方針を立て難くまた従い難い、難しい局面だったと言えるかもしれない。
決定打を与えないよう、振りほどかれないように心掛けた甲斐があり、相手の足首から手を離さないでいられたようだ。
八面六臂の角
前項より少し進めて。
角を切られたり、玉近くに馬を作られたり、形良く補強されたりなど依然容易ではないが、相手の攻めがかなり細くなってきていることは感じており、
そんな中で以下の手を発見してようやく形勢の好転を意識できた。
第5図より△6五角と攻防の角が打て、▲5三歩成に△3八歩とここに歩が立つのがありがたく、要である守備金の行き場がない。
以下本譜は▲5六歩と角道を遮断してきたが、金を剥がしてから持ち駒2枚の桂を贅沢に使ってバリバリと攻める。
相手に渡すのが桂なので囲いを修復されることもなく、以降は緩めずに相手を寄り切ることができた。
打った6五の角が相手の馬効きを止めるのにも働き、最後まで輝いていたのが嬉しかった。
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プロテク太さん、改めて対局ありがとうございました。
第二回戦は太一さんとの対局となるが、もしかしたら日程の都合上、第三回戦のナカアオさんとの対局が先かもしれない。
好スタートを切ることが出来たので、勢いそのままに頑張りたい。