
抗生物質(アンチバイオティックス)
抗生物質は細菌感染症の治療に効果的ですが、使用には医師の指示を守ることが重要です。不適切な使用はさまざまな問題を引き起こします。まず、耐性菌の出現が大きな問題で、過剰使用や誤用により抗生物質が効かない耐性菌(例:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が増加します。次に、抗生物質には副作用があり、アレルギー反応や消化器系障害(下痢、胃痛)、腎臓や肝臓への負担が報告されています。また、抗生物質は有益な腸内細菌も殺してしまい、腸内細菌叢の乱れを引き起こす可能性があります。これらの問題に対応するため、耐性菌に有効な新しい抗生物質の開発や、抗生物質の適切な使用を推進する抗菌薬管理プログラムが進められています。また、プロバイオティクスやファージ療法といった代替療法も研究されており、今後の治療法として期待されています。