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中一にして「ミュウツーの逆襲」のミュウツーにシンパシーを覚えていた、という話

みょげーん。みょげだみょげ。

今日はねぇ、ちょっと……もしかしたら同じ経験をした人もいるかもしれないみょげが、個人的にちょっと異質な経験なんじゃないかと思うことを話させてもらうみょげ。

まぁ、何かって言うと……

「自分がコピーだと呼ばれ、それにより自身の存在を否定されたような思いをした」

という経験だみょげ。これが、タイトルに示した通り映画「ミュウツーの逆襲」のミュウツーに対する強烈なシンパシーを生み出すことになったんだみょげ。

え? どうしたらそんな経験ができるかって?

それはこれから話すみょげ。ちょっと聞いてって欲しいみょげ。



・きっかけは仲の良い、そっくりな友達

そんなのいるかよ、と思われるかもしれないみょげが、みょげには小学生の頃からとても仲良しな、「自分とそっくりな友達」がいたみょげ。仮に◯◯という名前とするみょげ。

◯◯は背丈も体型も、よくする髪型も、挙句の果てには成績まで似ていたみょげ。口裏合わせをしたことなんてもちろん一度もなかったみょげ。

で、この子は別に悪くないのに、みょげはこの子が原因で(もちろん自分も悪いみょげが)、辛い思いをする事になったんだみょげ(本人とは既に和解しているので、決して責め立てたいわけではなく、あくまでその時のトラブルの要素であったと言わせてもらっているだけだみょげ)。


・魔の中学入学

小学校から卒業して中学に入ると、みょげたちは偶然同じクラスになったみょげ。みょげは引き続き一緒のクラスで嬉しかったみょげ。だけど、それも束の間。周りのクラスメイトが、みょげたちを変な目で見てきたみょげ。そしてある日、誰かが言ったんだみょげ。

「なんかあいつら似すぎじゃね?」

「二人してキモ……」

と。


・似てる、までは良いけど……

中学に入って違う学区の小学校から来た子たちは、当然みょげたちを見るのは初めてだったみょげ。だから余計似てると思ってしまうのも無理はないと思ったみょげ。それに、かな~り似ているみょげたちを見て驚いたのかもしれないみょげ。でもみょげとしては、

「似ていることがいけない、気持ち悪い」

というように扱われたのが結構なショックだったみょげ。


・コピーとして扱われる自分

それからというもの、クラスメイトたちのみょげたちの扱いはどんどん変な方向に行ったみょげ。どういう事かと言うと、

「◯◯とみょげって、どっちがどっちかわかんねーな」

と言われ始めたんだみょげ。そして、運が悪いのか、

「まだ◯◯のがわかるんだよな。で、◯◯にそっくりなアイツ、名前なんだっけ? いつもくっついて影みてーでさ……」

と言われるようになってしまったんだみょげ。どうもみょげたちのことをちゃんと知らない人から見ると、似ているようでも友達の◯◯のがわかりやすいらしく、名前を覚えられていたんだみょげ。で、影の薄いみょげの方は、名前を覚えてもらうことすら出来なかったみょげ。

更には、

「◯◯ツー」(◯◯2号の意)

というあだ名を付けられてしまったんだみょげ。


・自尊心とアイデンティティ、そして友達の喪失

「◯◯ツー」と呼ばれる事になってから、みょげはもう消えてしまいたくなったみょげ。なんで自分は2号として、更には偽物として扱われなくちゃいけないのか納得がいかなくて、とにかく自尊心がズタズタにされたみょげ。それと同時に、自分が何者なのかというアイデンティティまで失ってしまったみょげ。そして、

「似ているかもしれないけど、私は全くの別物。なのに偽物して扱われ、私自身を私というオリジナルとして見てくれる人が居ない。なら、私は一体何なのか?」

……こんな問いを自分に投げかけるようになっていったみょげ。

そしてみょげは◯◯に言ってしまうんだみょげ。

「もう一緒にいるの、やめよう」と。


・「ミュウツーの逆襲」との再会

◯◯は驚いていたみょげ。みょげも◯◯が悪いとは思っていなかったから、そもそも申し訳なかったし、奇妙に思われることもわかってはいたみょげ。でも、

「一緒にいるとコピーだって言われるのが嫌で……」

ということを、相手を傷つけずに説明する力が当時のみょげにはなくて、なんかよくわからないままみょげが離れてった、というように◯◯の目には映ったと思うみょげ。もう自分最悪みょげね。

みょげは悲しかったみょげ。で、その時なぜか思い出したのが、小学生の頃に見た「ミュウツーの逆襲」という映画だったみょげ。当時は小さくて何を言っているのか分からず、しかも後半でサトシが一度石になって死ぬので、ただ悲しくて怖い映画だと思っていたものだみょげ。

なのにそれを観たくなったのは、多分

「ミュウツーってコピーだったな……」

という漠然とした記憶のせいだったみょげ。それでミュウツーがどんな気持ちだったのか、今見るとわかるかもしれないと思ったんだみょげ。


・で、観たら……

もうガチ泣きしたみょげね。まあ傑作映画みょげから、ここまでならよくある事だと思うみょげ。でもみょげがどこに感動したかというと、

「私、ミュウツーと同じだ!!」

と思ってしまったからだみょげ。

ミュウツーはミュウのコピーとして生まれた故に、別個の生命であるにも関わらずあくまで「コピー」としての扱いしか受けられずにいた。だから自分もオリジナルと同等な価値があると証明するために闘う。そして最後は、「オリジナルもコピーも同じ命」と認められることで救われる。

……多分、色々な感動の仕方はあるんじゃないかと思うみょげが、みょげのように

「ミュウツーの気持ちに主観的に入り込んで共感することで感動する」

という方向で感動する人はあんまり居ないんじゃないかと思うみょげ。

自分もコピーとして扱われているから、ミュウツーの気持ちが痛いほどわかる……どころか、まさにそのものだったみょげね。似ているかもしれないけれど、別のものとして尊重して欲しい。もうね……こんなに泣くかよと思うくらい泣いたみょげよ。そして

「コピーとオリジナルは争わなくてはいけないのか?」

と言うところも、◯◯との離別と重なるところがあってグッと胸に来てしまったみょげ。


・それから

◯◯と少し離れた事で、みょげは「◯◯ツー」とは呼ばれなくなっていったみょげ。中学生なんてまだまだ子供で気まぐれみょげから、多分皆興味が無くなったんだと思うみょげ。学年が変わってクラス替えをすると、◯◯とは別のクラスになり、さらに離れたみょげ。その頃には皆◯◯とみょげがそっくりで、それをからかったりしていた事も忘れ、更にみょげの成績がやたらと急上昇したというひょんなきっかけで全くの別物として扱われることとなり、すっかり「◯◯ツー」なんてあだ名は影を潜めたんだみょげ。中学生ってほんっっと単純で嫌みょげね。

それでしばらくしてから、◯◯とは和解することができたみょげ。なんで離れたか分からないだろうから、謝罪の説明も難しかったみょげが、嫌な思いをさせてしまったことに対して謝って、ただ「また一緒に遊んでほしい」と言ったんだみょげ。◯◯は許してくれて、それから大人になった今でも友達みょげ。



……とまあこんな感じのことがあったんだみょげよ。このように

「自分がコピーだと呼ばれ、それにより自身の存在を否定されたような思いをした」

という経験のせいで、みょげは「ミュウツーの逆襲」のミュウツーに、中一にして深く共感してしまったんだみょげ。当時同学年でその映画の良さを理解してくれる友達は居なかったみょげから、やっぱりみょげは異端だと思ったみょげが、今になって考えると貴重な経験をしたと思っているみょげ。まあ、「似ている」と言われることで人と比べる癖がついてしまったりと、のちの人格形成に良くない影響をもたらした記憶の一つとも言えるみょげが……まあ、物語の世界に深く入り込めるようになったということは、特殊な状況下に置かれた人々に対しても共感する術を一つ得た、と考えることも出来るんじゃないかと思うみょげ。うんまぁそういう事にしておこうと思うみょげ! ポジティブポジティブ!

みんな、くだらない話に付き合ってくれてありがみょげ。 また気が向いたらこういう生き恥を話すかもしれないので、もし良かったら聞いて欲しいみょげ。よろしくみょげ〜。


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みょげ
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