演奏会前:動画の感想文 その2
動画の感想文。今回は短いよ!といちおう書いておくよ自分のためにw
ちゅちゅ。
出だしの拍の不安定なのは2箏の方か。ひとつのフレーズを2パートに割っているので、それを頭に流しながらやると不安が少なくなるのでは。自分のパートだけを意識せずに、全体のイメージで流れに乗せるように。もし仮に本番中に、速くなってしまった・遅くなってしまったなど、いつもの拍でなくて焦ったとしても、その流れを保ってそれなりに臨機応変に演奏しよう。
「一つの箏をみんなで弾くように」といわれるような一体感は、前回よりも格段にアップしています。そこはとてもよいです。
欲を言えば、一章は音の上下に相関させて少し膨らませるような微妙な強弱がつけられると、もう少し表情が出て聴き映えがしそう。
なんとなく音の推移があるけれど平坦なままで、よくわからないからもう少し聞こうと思っている内に一章が終わってしまった。「掴み」と言われるような部分をもっと豊かに出来ると、聴く側の「ふーん?」って思う気持ちが少なくなるかなぁ。一章はあまり興味を引かれない。
掛け合いで繋いでいくから、表現のしづらさが難しいところではある。でもここまで来たらもうひと息ほしいな。
二章の動きが出てくるところ「たらららポン」あたりからはいいと思った。その前が一章と雰囲気が同じ、違うものをテーマに扱っているならそれなりに変えるべきか。
1箏と2箏の音量差も、前回と比べて非常に均されていて、動画を見ずに聴いているだけだと、二人と一人とは思えないほど。正直この短期間でここまで調整してくるとは思わなかったので、よかったです。
「十ス十~」、前回の感想で書いた部分がとても綺麗になっていた。スクイの返りの音もきちんと聞こえて、拍も狂いがなかったようなので、これは1箏さん頑張りましたね、スクイは苦手にする人はかなり長いこと直らないので、素晴らしいなと思いました。
最後の音消しは、全員手を置くタイミングを合わせて。バラバラにすると音の切れ方がプチプチプチって三回鳴ってしまうから、そこは注意です。気を抜かないようにw
シンシア。
動画で手が見えるようにしてほしいと言ったので、すごい大きく見えるようにセットしてもらってあって、嬉しいです。よくみえるよくみえる。
出だしのソロっぽいところ、きれいです。雰囲気がとてもよくなってる。2パートの気持ちが揃えてあって音馴染みがよいです。好き。
全体的にまとまりはよいのですが、たとえるなら二人で真ん中に集まることは出来てきた感じ、でも突出はあまりできてないかも。フォルテの音の作り方が足りてない。全体的に大変大人しくて、上級生曲にしては面白みがないです。(期待しすぎかな、でも出そうと思えばもっと出せるよね?)
特に箏、手の自重を活かした弾き方をもう少しできるように。
これは私は「たたき込み」とか言ってしまうのだけれど。箏に限らず、指のみの前後動作ではフォルテの音の「強さ」は出にくいんですね。なので、ここぞというときは、手首から突っ込ませるようにして斜め上から絃に当てる。(手の支えはつかない)
十七絃には別の曲で中指の入れ方を「ストンと落とす」って言い方をしたんですが、同じ感じ。この弾き方だと「パン」としたストレートで張りのある感じの音が出て、伸びのいいフォルテが作れます。
今の状態だと、出そう出そうとしてて、力んだ感じで音が歪んでるので。
あと、支えの指をつくクセがあると、移動に不自由したりもするから、なるべくなら、支えをつかない弾き方をできるだけしていく方が、音の細かい曲や速い曲は弾きやすいです。なので、手を浮かせて弾く方法をもっと研究してほしいかも。
これは他の奏者でもそうだけど、基本に忠実すぎて応用が利かない感じが時々ある。
(動画サイトなどで演奏動画を見て手の使い方を研究したりしてもよさそうかな、上手い人の手の動き方はそれなりに理由があるので、そこをみるようにしてもいいのかも)
ラストの終わり方はもう少し終わり感がほしいかな…。まだソロで続くのかな?って思ってしまったので。
諺でいう「終わりよければ全てよし」というのは曲も同じで、ラストの印象がよければそれまで何があっても、うやむやに出来ちゃうものなのです。逆もしかり。出だしの掴みと最後の締めは重要ですが、特に締めが甘いと曲の印象があやふやになってしまう。キレイめの印象を聴者に残したいのなら、これでもかとキレイを押しましょう。圧倒的な何かがほしいのに水のように流れてしまうのは惜しい。
十七絃も箏も、ワンフレーズごとに語尾を緩める感じでもっとrit.かけて、遠ざかりつつ&きれいめの響きを残すようにするとか、それ以前と違った弾き方にした方がよさそう。箏も最後の一音でゆるめのユリをかけるとか、もう一工夫は出来そうな気がする。
十七絃のユリがちょっと唐突に大げさに見えちゃいますね、これもそれ以外が普通すぎるからなんだと思います。なので他をもっと雰囲気を持たせて、間を大きめに持たせるなど。ソロよりも雰囲気がほしいくらいの場面ですよここ。
とにかく、有無を言わせずこれ以上にない終わりです感がほしい。です。
はなはなはな。
全体的に音量の調整がされて聴きやすくなりました。各パートが何をしているかの役割も見えて、見ていても楽しいですね。
とりあえず四人で合奏している方から見ていきます。
└ ワンフレーズをこまかに整える
ここまできたら、もう少しフレーズの形のひとつひとつに気を使えるといいですね。弾きやすさでついてしまうアクセントの位置ずれとか。
*たとえばで上げてしまいますけれど。やり玉ごめんよ。
箏 p5 L1、「十・八七八・六・ 五四三二一・」、フレーズとしてはここでひとかたまりなのですが、一番強いのが「五四三二一」だったり、こういう部分。
本来なら「フレーズの一番高い音にアクセント、細かいかたまりのために小アクセント、納めのために最後は軽めにする」のがセオリーかと。「十・八七八・六・ 五四三二一・」かな。ここも歌ってみると、曲の求める形が分かりやすいかも。(で、ここを抑えて軽めにすると、その次の行頭の ケ が強く感じられるはずなのです。ギャップの作り方、大事ですよ)
ほかのパート、他の曲も同じく、「フレーズの単位ごとで形を整える」作業をしていくと、もう少しクオリティが上がる気がします。
ここは楽器の前でなくても出来る練習なので、歌って、フレーズの形はどこがどうなっているのか?自分の出している音はどうなっているのか?を追求すると早いかも。
↑ ここが出来ていない場合、イントネーションがエセな感じで訛ってるように聞こえ、たいへんに洗練されていない印象になってしまう。なんか~あかんのですわぁ~気持ち悪いやろ~?(えせな関西弁)。
└ おさえの鬼練習用pdf
p16 l1. 箏、八の押さえがフニャるのはなぜです。弾いている間は左手は静止していないとダメです。押さえ切れていないし、放し始めるのも早すぎる。その前に「一・二・三・四・」ときて、八は使われていないのですから、二拍前の「三」から左手で絃を押して待機、ヲ八の一音だけはきちんと作っておいて下さい。あとは放すだけなので簡単ですよ~?
「△ヲ八八七 六・五・」が、ピアノで弾いたときのように「△♭シラソ ♭ミ・レ・」とかっちり聞こえるように。
2015年に作った「彩」一年生用の押さえの鬼練資料をここに貼りますから、印刷して自分用に改良して基礎練習に追加。練習は、九を ♯A、八を A の状態にして、資料とは逆に「九 ヲ八 八」(=♯A・♯A・A)で、最初はゆっくり、出来るようになったら十六分音符で練習して下さい。これやると正確に音が取れるようになりますから、がんばって。
ここ当日楽しみにしています、行けたらいいな(鬼)
└ 弾き下ろすとき&弾きあげるとき、ひじで
箏。P7 L1「為斗十九八七六」同 L2. 「巾為斗十九八七六」、三章のP10 L1.「巾為斗十九八七六」など。
三絃のスリ下げ+箏+十七絃で弾き下ろしてくる形が三連続するp10は特に、連動するときに箏だけがもたついて揃っていないのは気になります。
最初の数音または途中から、音の揺らぎと拍ズレが出るとき。こういった形の時は、指先で押さずに、ひじから、腕ごと前に出す。感覚としては、ひじの後ろの二の腕のあたりから前へ動かします。
多分、楽器の曲面に沿わせて動かしていくと、手の形のベストポジションが崩れてしまうからなんだと思うのですが。腕ごとでいくと、一定の強さと速度を保つことが出来るので、ぜひ。
弾き下ろす形が苦手なのかな、上がってくるときはわりと崩れていない。なので、意識的に練習して下さい。
(他の奏者も、弾き下ろすとき&弾き上げるときは、ひじを意識。)
つづき。
p6 L1. 箏の「・」、これがやや遅いです。三弦の音と入れ替えるタイミングで消す構成なので、三弦にきっちり合わせて左手を使いましょう。一般的に?気持ちが優しくなると、拍もなぜかふわっとしがちなのですが、ここはやさしくきっちり。三人構成の直近の動画でも少し拍に遅いので、きっちりで。
同じく L3. ここ行頭からいきなりパート数が減るので、音量的に多少凹んでいるというかヒキ気味に聞こえます。特に高音部を使うので、もう少しキラッとした感じで強めに押し出すと、それまでの低音部メインの進行からの変化を出せるかも。同じフレーズが二連続するので、一回目を強く、二回目を優しく弾いて、三小節目から17へのつなぎを華やかに。
同 L3.後半つなぎ、「斗・為・巾・斗 ゝ・・ 」の「ゝ」にアクセントがあるのはよくない。フレーズの形としては納めの一音だし、どちらかといえば消えていてほしい、そのせいで十七絃の「7」が薄くなっている。アクセントはフレーズ中一番高い音、巾の一音だけですね。音の高低に強弱を沿わせた方が自然に聞こえます。
(レアケースとして、伴奏がわざとそうする場合は、音を合わせるメインフレーズ(ここでは十七絃)にそれを上回るアクセントを要求しなければならない。それは今回は無理そうなのでやめといたほうがよさげ)
p7 L1. 箏tr. の三小節、入りは改善されつつあるけれど、やっぱり音の立ち上がりが遅いし、ここはフレーズとしては高音部が出なくてはいけないのに潰れていますね。トレモロはやっぱ手をつかない方がいいんじゃないのかな。
十がメインになってて、斗と為は手の角度を変えることで対応しているけれど、音も出ていないし見ていてひきづらそう。で、ここは逆に「十~~~斗~ 十~~~為~ 斗~~~~」と形作ってほしいのです。もちろん斗よりも為の方がアクセントは強めです。無理かな。
トレモロのメロディは箏の見せ場なので、ほんとうならこれでもかと華やかに弾いてほしいのですよね、できたら(希望)
二章
ソロの弾き方はよくなってる、弾き分けもできてるし。
ソロの前の間もよくなったかな。ここ、ソロとしては短いので、尺さんは楽器を倒さずに膝で待機させていた方がよいかもしれない。他が整えられてきた今になって、動作がすこしだけ気になります。
表現に関しては、章タイトルの「優しさ」をどこでどう表現するのかなと。そうなるともう少し意図的なものを盛り込めたらよいですね。まだやれる。w
あと、ここの後半、十七絃が入るあたりからって尺の見せ場なんじゃないかと思うんだけど、どう思っているのだろうか。なんか尺さんが伴奏側にいるような気がしてしまって。
もしここでもっと尺を出すなら、もっと絃側は伴奏の意識を強く持って。箏の高音が少し立ちすぎる。柔らかく鳴ってはいるけれど、耳がどうしてもそっちに行ってしまう。最初の掴みが箏始めのせいもあるので、聴者の意識はずっと箏にあるんですよね。だから、ここから役割が変わっていますよともっと明確に理解させられるように、二行目以降はもう半分くらいに抑えて下さい。
三章
四人の方の動画ではちょっとばらっとして聞こえた。ここは三絃さんの音質と音の飛ばし方に箏十七絃の方を合わせたいかなぁ…。楽器特性としては絃方、箏と三絃は特に合いやすいはずなんだけど、箏十七絃の拍取りが丸いせいで、三絃さんとあまり馴染んでないです。同時に音を出すだけに見える。もっと四角四面な角のある音の取り方をして下さい。感覚的には、パッツパツのカッチカチです。
二章の「優しさ」の雰囲気からの切り替えができていないのかと思ったけど、たぶん奏者自体のスタイルがそうなんだと思われる。それを底から変えるのは難しいのかな、でも幅を広げるためにもチャレンジしてみてほしいな。
なので、三絃さんの音をよく聴いて、三絃のつもりで弾いて下さい。箏から三絃の音を出す、十七絃から三絃の音を出す。
そうしておいて、gliss. とか指の柔らかい音を、異音として差し挟むと、よりギャップが生まれてよいのではないかな。
└ ラスト。
欲を言えば、締めの尺の音は、もっとオチ感がほしいですね。音が弱い。
使えるならムラ息とか。最後の一音の前に、これ見よがしのブレスを入れてもいいのだし。(ブレスがあると実は絃方は助かるんですよね、音を揃えて入れやすくなる)
この曲に限らず、尺の締めのやり方によっては、絃方は音を変えることもあります。バシッと地に落とすのかのか、フッと消え失せるのか、など、色んなイメージがつくれるので。
で、音の切り方も、もう少しやりようがあると思うのですが。この辺は尺の人に聞いて下さい; 私は個人的に尺の尻こすりと命名しているのですが(あまり綺麗な呼び方でなくてごめん)、ちょっと横に揺らしたり円を描くように楽器を動かして、指揮者の「止め」みたいな動作がある方が終わった感があって好きです。個人的な好みではありますが。
何にせよ、ちょっと「普通じゃない」感じがあると、もっと締まった感じがすると思います。印象が弱いのはもったいないです。
この曲は全体的に、個人練習を各自で適当な拍でやっている感じなのかな。定拍で弾く部分が微妙に合いませんね、個人練習こそきっちり。
三絃さんは拍が安定していて、音も小気味よくて三絃らしい、とてもよいです。できればもう少し前に出る音の使い方が出来ると、もっと映える。少し大人しいです。箏二人はもう少し他の人の音に合わせて自分の音を入れていくように、合奏中は耳をよく使って。尺さんはできればもう少し音が前の方へ飛ばせるといいけれど。フレーズの形の取り方をもう少し研究。音の膨らむ感じがあると、表現としてよくなると思う。
だいぶ大きいアラが削れて曲としてまとまってきているので、ちょっとしたところが目立ってきている、これは曲の進行としてはよい傾向です。あともう少し、細部に手を入れて、仕上げとしたいところですね!
とりあえずきょうはここまで。