夏合宿感想文

(2023.10.29. 16:00 修正と追加)
ごめん尺曲と三絃曲はまた後日でもいいですか しぬしぬ 今の段階で原稿用紙67枚と少しだよ もう薄い本にしてもいいよねこれ

個人的な感想ですが。全体的にテンポ速いんだよなーなぜ?
演奏会当日でもそうですが、テンポ設定=一番弾けていない人がちゃんと弾ける速さで。
そうすれば、全員が弾けていることで出来映えが良い印象を与える上に、弾ける人はより余裕を持って気配りができるし、自分の演奏はより良く見せられる。
パートによっても難易度が天と地ほども違うこともあるから、配慮は必要ですよね。
発表の段階で弾けていない人がいるのは常、それがカバーされていない時点で、曲リーダーの評価はガタ落ちってのは覚えておいてね。

リーダー含めて上級生は、「いい舞台へ一年生・下級生を乗せて上げる」、それが一番にすべき仕事ですし、忘れてはならないこと。と思っておいて下さい。

(そう書き忘れていたけれど、もう一ヶ月たっているしその間にほかのOBさんに指導を受けたりもしただろうから、私の書いていることは的外れになっていたり遅すぎたりすると思います。必要な部分だけを取捨選択して使えそうなら使う程度でよろしくね)


ゆきはな

 これ、一箏二箏の配置が逆なのは、何か理由があるんですか????? 見た目、すごく違和感がありました。知っているだけに「気持ち悪いな」のネガティブな感情から見てしまって、なんだかずっとそれしかなかったんですがw
 わざと演出としてやっているとしたら、知らない人にはいいかもだけれど知っている人には作為の方が強く見えてしまってよくないと思います。(できれば、もし理由があるなら可能なら事前に教えておいてください、片耳が聞こえにくいとか人によってはあるかもだしだけど私にはよく分からなかったので

さて、だいぶ弾けてはいるようにも見える(弾けているとは言いがたい)から、この先の演奏会を前提とした作り込みについて書こうと思います。メンバーが一年生だったら厳しすぎることも書いてしまうかもだけれどごめん

時期とテンポ設定

しかしこの動画、夏合宿にしてはテンポが速過ぎないですかね。
もっとゆっくりでいいので一つ一つの音を大事に練習した方が、仕上がりはいいと思うな。なんか合奏できてて弾けているような気がしているだけで形になりきってない感じはすごくある。
曲の意図されたもの、目的を曲中にどう表すか、そういう面を置き去りにして、ただ音をひたすら並べたような感じ。
(楽譜通りに弾けるようにとりあえずなるというのが夏合宿の目標地点だったのかもしれないけれども)

夏合宿は曲想を練って、個人練習に取り入れて、この先これを頑張ります、という宣言のレベルでいいと思うんだけどな。
なので、テンポはだいたい半分、130の指定だったら演奏は70程度で、ズレのない・横のメンバーのつながりを十分に保てる・音量や音質の演出も含めて形にできる演奏を心がける方向がいいと思う。弾けるようになったら自然と速くなるものなので…

出だし

 出だしはもっと冬らしいキッパリした音でビシッとしたい。
 なぜキッパリがいいかというと、この曲は厳しい冬の中にもある美しさを表現していると思うのですが、説明は大枠から攻めるべきだと思うから。「冬ですよ。→でもきれいなものもあるんですよ」という順序でお客さんに提示する。わかりやすいからね。
 今の曲だと花のイメージは分かるけれどあまり冬ではないかんじかなー。あっても春先のひんやり感。音の中に甘さが目立ちます。

 音に厳しさがない = 音質に対する意識の面と、弾き方の両方に問題がある気がするな。
 大きく思うのが、音量のMAXがふたりともに小さいんですよね。あと三倍出せればもっと大中小の段階が作れるのにな。というわけでMAXを上げましょう。

 音量のMAXは二つの組み合わせです。
① 力で出す(物理で届ける
② 音質を硬くする(耳に入りやすくなる
パワー押しと音質の差異、その二つの掛け合わせ加減の研究をして欲しいな。

└ 他の曲にも関連して、迫力のある音・大きな音の演出 ☆☆☆

 もっとバンとした迫力のある音作りのために:
① 全体的に指全体をキッチリ締め、爪の「 先端 を使うこと」を意識して弾く。
+中指・人差し指は、親指と同じ音を出せるようにしておく
こと。(手指の力が弱いのかな?と思うので、意識的に基礎練習のメニューを選択)
音の輪郭が曖昧=
・力がしっかり絃へ伝わっていない。
・指先がそこまで力が入っていない、または
・爪の先端がしっかりしていない。

…せいかと思いました
(爪がしっかりしていないのは、指の使い方ではなく 爪輪が合ってない or 使い込まれて緩んでる とかの場合もあるけど、これは見ないと分からん。指と爪がしっかり固定されている状態で爪を当てる、これだけでもずいぶん違うはず)

* 特にピッチカートについて、
指先を硬くする調整で、= きれいに澄んだ音質・通りのいい音に修正。
今は強い音を少し力んで作っているように見えます。ここはすぐ直せるはず、即チャレで。
 かける指は小さくコンパクトに、かつ「硬い指で硬い音」を作る。といいです

(ピッチカートの音が濁って聞こえる件については:
・たまに指の絃に触る音がする(接触→音の出るまでのラグがある)
・引き上げる瞬間に皮膚がこすれるズルズルという雑音が混ざっている(指を入れる深さが深い(絃への接触が多すぎる)
…せいかな。
指(の腹の側面)3ミリを・瞬時にかける 訓練をがんばろう。)

*ピッチカートは、大きな音を出すときもなるべく大振りしない。大振りするとテンポに遅れやすくなるので、動作幅は変えずに、指先の取り方でなるべく調整を。大振りはプラスアルファの追加効果=視覚的な面での演出で使うと思っておいて。使えるときには使おう。景気よく見えてよいからね

大小の表現には、ふわっと ⇔ びしっと の音質の変更を加えると、表現に幅と広がりが出せます。これも力加減とタッチの組み合わせで変化が作れるので、欲しい音のイメージをどう作るか研究してね


② 爪の入れ方について、右手を浮かせたまま、手ごとで絃に入れる弾き方を習得すべき。
現状、薬指に頼りすぎかな、薬指をつくと、薬指まわりに固定のための力を入れてしまいがち、弾く指と絃へ力が伝わらなくなってしまう。自然と音は強く出にくいです。伴奏にはいいけどね。その形でメインを弾ききるだけの手の力がないならやめとこ。
 特にアクセントの付いた強い音のほしいときは、「手を浮かせてから+落とし込んで」破裂音のように出そう。楽で簡単に派手な作りにできる。
 で、曲中では瞬時に ホバリング⇔着地 とを切り替えて使えるように練習していくといいかな。

(薬指をおきっぱのせいで、
手の使い方がほぼ一通りの弾き方をしている=音の作り方に幅がなく、従って表現の幅が大変小さい。ことになってもいるのでマイナス面が大きいかなと思います。+たまに音が移動幅によっては弾き遅れるのもそこ。薬指を置いているせいで、小幅の移動がかえってできにくい。)


③ 音の届く先、距離感を意識。
今の動画の状態だと、奏者の周囲で止まっていて前に飛んでない音になってる。
 これは「客席との距離をあらかじめ計算して・練習を設計して・曲を組み上げる」感覚がまだないというだけのことだと思うけれど。そこ「舞台映え」というものには必須ですので。

(仮に、マイクなしで舞台に立って発表しなければならなくなった!という場合を考えてみて。発声の仕方も、しゃべりの抑揚の付け方も、身振り手振りだって、普通の室内とは変わるはず。あと大きい会場で使うスライドをつくるときも、文字サイズに気を遣ったりもすると思うんだ。
 楽器も一緒です、どうやって音を一番遠くの席の人まで届けるか?目的地が何メートル先か?をイメージして、「わかりやすく」「通る音」「~を作れる練習を普段(= 基 礎 練 習 )からする」こと。
 部室でやるなら、距離感は、B室貫通イメージで。フォルテ=50m先まで通せる位は必要だと思っておいて)

 上記の上で、「フレーズ内の一番高くなる音を、もっとも鮮やかに強く」する。
 たとえば雪はなの出だしなら、メインフレーズ内の最高音は「十」の音。そこに親切にアクセント記号が付いてる(>)ので、そこをもっともっと鮮やかに美しく出す。今は伴奏の和音の方が強く聞こえるので、バランスが悪いですね。
(吉崎曲は、アクセント付いてるところを特にはっきりさせると、とてもフレーズが締まって聞こえる。他でも、かっこよさ・強さを出すときには、アクセント記号のチェックはマスト。作曲者の意図をよりよくとらえよう)

高音の響かせ方

 低音の音の響きはいいと思いますが、それで目立つのが、高音の響かなさ。低音ほど響いて聞こえないのは、使い方が悪いせいかも。
 高音はきれいに聞かせるにはコツがあります。少し弾き方を意識的に変えてみよう。

Q.氷の音の表現ってどういう音ですか?

A. 
・澄んだ・透明感のある、
・硬質で冷たい、音。

…このくらいを押さえられれば、氷の表現として十分です。さて、箏の音でそれを作るにはどうやりますか?

① 指の入れ方・爪の当て方を注意する
=へりっこでこすらないようにする(そり指さんは、指を垂直に使うこと、ナナメは雑音が出るから手の形に注意)。
+距離を離れた位置から絃をたたかない(当たる音がするため)、などありますが、とにかく雑音をゼロに近づける努力を。


② 特に爪の入れる深さに気をつける。
深いと丸みのある音になる、
浅いと硬さのある音になる。
「爪先3ミリ」とはよく言うことなのですが、もっと細くキリキリとした音も作ろうと思えば作れるよ。


③ 爪を当てる角度。
・爪を寝かせていると、音がはじけない代わりに丸くなる。
・爪を立てると、音が角が立ってきつくなる。

 これは、場面によって使い分ける。のがとっても大事。冬の場面なら、硬質の音で弾く方が曲に合うと思います。

そり指さんは爪がどうしても寝てしまうから、ここは工夫が必要になります。薬指に手を乗せずに親指に手を乗せると、その分親指の爪の角度を立てられるかも。または、親指の関節を「く」の字にする方法もあるらしいけれど、これはたぶん手に負荷が大きいと思われる…?私はそり指ではないので、私からオススメしていいのかどうか分からない。そり指のOBさんに聞いてみるといいかも)

グリッサンドは寝かせて弾くと、幽玄さを響きで表すことができイメージが美しくなる。(夏合宿の雪はなの動画の状態だと、もっと寝かせて粒状感をなくした方がいいですね、なんか少し雑で砂っぽい)


④ 弾く位置(これは上級編)
 上記の硬質の音、そのままを追求すると鋭く金属的なトゲトゲしさも合わさってきます。きれいに聞かせるために、やや響きを補って柔らかくしたほうがいい、という判断をしたときには。少し内側(やや中点に寄せた場所)を使って、静けさと夢幻の雰囲気をつくることもあります。
これは目的と場面による。氷の場面ではそこまで必要ではないかもしれない。

さてこれを練習に取り入れると、
・爪先を使って
・立てて
・前に押す動作で、弾く。
ということになります。たぶん「やってるよ!」って思うと思うんですけれどw もっともっと繊細に、微細パーツを爪先で扱うように、弾く。

 これをキープしつつ弾くのはかなり難しいことなので、4年生はできるかな!1年生にはたぶん難しいな!というレベルです。
もし難しいなら、音量を確保する方を優先に。クオリティを上げる余裕ができたら、こっちを追加で。

スクイ

 苦手なのかな、バラバラと不安定になりがち。場所によって角度を変える必要があるので一工夫してみて。角度の調整が長い距離を動くあいだに上手に手を制御するコツ。
この別記事のタイトル画像を参考に、ジグザグに動かす手のラインどりを少し変更してみて。曲面への対応は、思ったよりも角度の意識が必要。

動画では特に低音に音の粗さが目立つかな。うまく小刻みに入れられていない感じ。降りていくときに注意かも。

P7[F] 強音の和音。

楽譜のP7[F]、二人とも合わせ爪のつかみ方が「ハ」の字に開いているので、すごくすべっていますね…音量をしっかり出せないのはそれが大きい。
爪の面で絃に触らずに、爪の先で絃を「しっかり・つかむ」ように弾き方を変更してください。これは一年生にはちょっと難しいかも。でも一週間でマスターした子もいたから、チャレンジしてみて。

合わせ爪の基本は、四角い消しゴムをつまむ練習を。

それで「お箸の先端を使うように感覚を訓練する」ことが可能です。爪の面で絃を触りたがる人は、だいたい自分の指の先(爪の面の中央付近)を先端の感覚として持っているんですが、それよりもっと先にピンポイントで動作させられる位置があることを理解し、使う感覚を養うのが上達のコツ。
実際はお箸ほど上手にものがつまめるようにはなりにくいです。が、絃に関しては、その消しゴムをつまみ上げる練習をすると、爪先3ミリで絃を「つかむ」ことができるようになります。
早ければ1週間、遅ければ半年程度かかりますがレッツトライ。

強音の和音は、その上で、絃がギリギリいうくらい、めちゃくちゃに力を入れて絃をつかみ、ちょっと引き上げるだけ。(ちょっと、なのは速度対応のためです。上下幅が大きいとテンポに遅れるから、本当にその場で動かす程度の数センチにするといいです。動画で手の余裕がないのは、上下幅が広いせいもあると思う)

つかむ動作を瞬時にできるようになったら、[F]の強音の和音の連続はクリアできるでしょう。
上手な和音を作れるようにいっぱい練習してくださいね。

別記事のリンクを入れておきます。参考になれば。

https://note.com/myoddsandends/n/neef1980dbbf8

└ 同じp7. L3-3。ffからのクレシェンド

 ここ、いつも課題になるffからのクレシェンド。

その前に
 一箏側の方、一の絃の連続は、薬指を箏の前側の垂直面へつくと安定するかなと思います。ちょっと手が雑なのは不安定だからかな。

 ここ指定が ff の音量でスタートになるのですが、さらにクレシェンドしなければならないのでね…(この曲はたぶん本来パート人数は複数を想定していると思うんです、今回パート一人ずつなので出せる幅に限界があるからきついですが、仕方ないから頑張りましょうね!!!w)

弾き方は、
・一の絃上を、弾きながら竜角寄りから内へ手の位置を移動させ、同音の連続でも音質に変化を微妙に持たせる。(後半の響きを次第に強く出すことによって、大きくなったように思わせることができる。やりすぎると後半ボヨボヨの音になるからやりすぎないよう注意)
(*手の移動は逆の時もあったので、内と外のどっちスタートでも可かも)

で、演出について。
よくやっていたのは、ff 指定を変更し、mf 程度にする。すでにその前で一度ffへ上げてある状態から、もう一回音量の落ちた状態にし、そこから一気に爆裂クレシェンドをかけて再度 ff へ持ち込み、音質音量ともに派手目にして、ドラマチックに見せる。
たぶんこれが歴代一番多い楽なやり方だったと思います

ラスト

ここ、音量は最後まで ff のままなので、途中で気を抜かないこと。雪の大量に降る派手やかな景色を見せましょう。ぬるくしてはいけないよ。
なので、低音の合わせ爪になったときに、気を入れ直して音質がボヨボヨになりがちなのをしっかりギチギチに締める。
締めまくっておいて、ラストで ふっ… と優しく抜く。対比・落差のあるの演出で効果アップを狙いましょうね!

最後はね…タイミングのために合図したら興ざめ。台無しですよ。
そこ、二箏位置の人からは、一箏位置の弾く手が目で見て見える位置になるはず。なので、一方的に二箏位置の人が合わせる。一箏位置の人は、何もしない方がいいですね。

胡桃の森で

曲のテンポ

この曲もテンポに手が間に合っていない以上、発表の時点でのできばえに適した速度とはいえないですね。理想が高いのだろうか…
ゆっくりで、ちゃんと細部を見せられるクオリティの発表をするべきです。
尺は吹きやすそうでいいですね!

演奏会でこのテンポなら悪くはないと思う。元々この曲は速度指定がきつすぎるので、演奏会でも指定通りにやらない方が質がよく見せられるはず。(でも確かあまりゆっくりだと尺がロングトーンきついんだよね、この曲…)
しかしこの時点で夏合宿だからね。テンポは夏過ぎの時点では曲指定のだいたい半分でいいですよ。
で、テンポが半分で:きちんとできていなければ追い込めできていたらよりよく質をあげろ、この二択で個人練習の方向性をとりあえず決めることができる。
この曲は一面一管なのでもう少しお互いのやりやすさを話し合ってみたほうがいいのでは。

(私としては、今のこの速度ではできていることを拾うほうが少なくなってしまうから自然厳しい意見ばかりになる、それが目的ならば頑張りますよとは思うけれど、そればかりではないだろうしそれが目的ではないのではないかなぁ。と思うんですが。)

[5]2.3の交互弾きは動線に問題がある ***NEW!!

同じ「八九十」の繰り返しがもたつくのは、指の曲げ伸ばしがいちいちに入っているからですね。
ここは、指は曲げっぱなし、「にゃーの手」固定でやりましょう。左右へ傾きを変えることで指を変更するだけ(人差し指を弾いたらちょっと右へ傾けて中指の爪で絃に触れる、弾く位置は微調整して絃上の同じ位置を重ねて弾くこと)

で、その動きで、回転イメージで手を戻すのが重要。
これを見て。指を引っ張りすぎると、遅れるんです。フレーズの間隔が開いてしまうときは、動線の作り方に問題があることが多い。

かまぼこ形の動きではなく、回転イメージで上にやや抜くことができたら、もう少しなめらかにつなげられると思う。最小限の動きで最大の効果を上げられるように良く研究してね。(上を意識しすぎて手をジャンプさせないように)

ピッチカートは「金魚すくいのポイ」のイメージで 追記*

指のかけたあと、上げるときにやや手首でひねっている。ちょっと持ち上げ方が悪いのかも。ひねらないと上げられないのは、最初の指の置き方が上から触りすぎの可能性。「金魚すくいのポイ」のように、横からすっと入れるイメージで、指の腹の側面で取りましょう。その手の形のままで、垂直に上げるだけ。
音が鳴りにくいのは、ひねる=弦の張られた向きに対してまっすぐ直角の手の動きをしていない、力が伝わりにくい動き方をしている可能性があるなと。
(わりとどの動作もそうなのですが、手の動きは動線がその場で円を描く、回転するイメージで。+手が固定パーツとして動作するときが一番ロスが少ないです)

あと、もう少し響きが欲しい、指をもっと締める方が音の質はよくなるのでは。たぶん優しい音を作ろうとしていて、指を柔らかくかけたくなるのかもしれないけれど、それは音質を損なう結果になるだけなので気をつけたいところ。
澄んだ爪の音に比べて音質がそろっていないから、木漏れ日的なキラキラ感が薄い、もったいないです。

それと速いときにテンポに微妙に遅れるのは、絃に触った瞬間が拍ジャストのことが多い。絃に瞬間的に触れる取り方ができるように気をつけて練習を。

一応別記事でピッチカートはまとめていますので参考になれば。

https://note.com/myoddsandends/n/ndfab8d4b92ac


箏ソロ。ソロ前の終わり方の問題と、視覚効果を用いた意図の伝え方について(演出)追記*

ソロ前の尺、楽器を倒すのが早すぎ。まだ箏が弾いているのに「いちぬけた~!」って顔するのダメですよw 楽譜指定の、rit の消える終わりまでは世界はそのままです。構成要素が消えてはいけない。
構えたまま一緒に終わって、ソロまえの「間」を一緒に作るので、そこまでキープ。
楽器を倒すタイミングは、箏の手の次の動作(準備動作)に溶け合わせて、世界の切り替わりを違和感なくスムーズに見せるように。

(追記。
その前の、尺ソロに入ってから箏がすごい勢いで調弦変えて楽譜めくって「ふう!」って休憩するのも、だめですね。聞く側は、動く奏者の方へ目が行きがち。なので、大注目を浴びてしまって、ソロの雰囲気をぶちこわす結果になっています。よくない。もう少し目立たないように、動作全体をそーっと、ゆっくり。
調弦動作に負ける尺もそれはそうとは思いますが。ソロ=自分の見せ場っていう気持ちのこもった感じがしないのはありますね。歌い上げろ!
ここの曲はベース暗めでやっておいて、ソロスポットあるとかできるといいけどね。どうしても一面一管は見た目でどっちかへ目が(注意度が)偏るから、わざと偏らせる演出を考える方がいいかも…もっと気持ちを込めた風を装って上体を動かすのもいいし。立奏なら尺がステージ上の位置を動くのもアリです。昔はステージ上を気持ちのままにうろうろ歩くソロ尺も居たから、やっても大丈夫ですよw)

☆ 他の楽器も同じなのですが、楽器の扱いについては、視覚に与える印象を侮ってはいけないし、もっというなら視覚への印象を効果的に使うべきです。

あとソロ前はもっと間を取っておかないと、ソロって分からない。
原因の一番は箏。終わり方がふつーすぎて全然伝わらないです。ここ改善したい。

・手を持ち上げたままゆるくキープ、終わった延長の「音の消えゆく距離感」を、手の動作の「緩やかな滞空時間」で作りましょう。
これを「間」として成立させるためには、お客さんが「おや?なんかちがうな?」って「視覚から受け取って→脳で認識できるまでの 時間差 を計算」してやらないといけないので、弾き終わりの手を緩く上げて滞空3秒、次の用意をゆっくりする動作にもう3秒くらいの気分で。
(*キープって書いていたけれど、完全な止めだと表現としてまた意味が変わってしまうから、ゆるい滞空、と直しました。「rit の延長から→時間の流れがゆっくりと止まりますよ。→また動き出しますよ今度はソロで」という感じの推移を、動作一つで見せます。これも表現の一つです)

・次、手を構えてからすぐに弾き出さないのもコツ。手を置いてから一呼吸、その短い間でお客さんの注意度(感情移入の具合)がぐっと高まります。いいですか、美味しいものはねえ!焦らしてから与えるんですよ!!
奏者がドSでないと客が楽しめないからそこ意識してね!!猫じゃらしシュッシュッて上手にやろうね!!

ソロは全般、特に派手やかに始まらない場合、「その前の終わり方、始末の付け方で演出」。そうでないと、そもそもソロだって認識されないから、気をつけて。なんか一人で弾いてたね~w って言われたら悔しいよ…

└ 箏ソロ、ハーモニクス

ちゃんと取れているのに全然響かないな。
より美しく響かせたければ、爪を入れる位置をもっと内側にすべきかも。いつもと同じ位置だといい音で鳴らないので、絃の中点(左手で触れるところ)の中点に近く、弾く位置を取りましょう。よく鳴る位置を研究。
で、押しつけて弾く普段の弾き方ではなく、爪先でかけて上げるとさらに響くので、それも試してみて。両手の動きがそろって見た目もきれいになるはず。
(と書いておいて何だけれど、この曲に限っては「両手上げではない方が弾きやすい」と言っていたような気がする、以前の時の奏者さんは。やりやすい方を取ってね)
入れる爪は、先端を使うように意識するともっと音が澄むかも。

[6]の入りかた、「間」という邦楽のキモ

ここ可哀想ですね…なぜ尺は箏が[5]最後のケのあと、最初の押さえの手の用意ができるまで待ってあげないのですか。しかも全押さえなんだよここ。なに尺、なんか理由でもあんの?あんならいってみい(突如の喧嘩腰
手が間に合っていないのであれば、間に合う余裕をどこかで工面してあげる。君ただ待つだけでしょ、ここなんて何も難しくないやろが。

相手の様子を把握できていない時点でパートナー失格では。ダメ絶対。

それは絃側も本当は同じくなんですけどね。
たとえば尺は呼吸しないと死んじゃう生き物なので。ブレスができるようにちょっとした隙間をうまく曲に組み込んであげる、そのためにブレス位置を全部チェックする。
…などなど、一緒にやる限りは、お互いのための努力をするのが当たり前だと思っておいて。
(この曲ではブレス位置なくて死ぬような構成ではないから、放っといていいかもしれないけどね?普通はやるものなんですよ、曲のやりやすさのためにちょっとずつ融通し合う方が、お互い楽で・いい仕上がりになるのは自明)

お互いに気遣いをし、カバーとフォローし合っていける余裕がない、というのが見えるのはいい演奏ではないです。こういう中間発表の場であっても。

すでにテンポのことはもう書いたけれど、これに関連して。
全体的にすごくせわしなくて、全然楽しめないなーと思って聞いていました。

原因は、「間」というものがない。邦楽の肝ともいうべき「間」、これ大事です。特に細かく場面が変わっていく移り変わり、この曲ではそう劇的な変化がない。それを、どこで変化したのかをお客さんに伝えるのは、大げさな間の取り方です。
切れ目の合間以外にも、フレーズの間のタメのような空間がない。風の吹く一瞬前の静寂、というものは私はけっこう美しい時間だと思うのですが。そういうちょっとした点で色々と不足が多く、惜しいですね。

下手をすると聞いている側では、全部が一続きの印象で終わってしまうから、それが何の変化かはよく分からないまでも、変化していることはもう少し意図的に見せた方がいいです。

調弦替え・押さえの多いとき

押さえの多いとき、箏柱のこっちがわ(奏者にしか見えない面)にカラーシールを貼っておくといいですよ。本番までには必要なくなると思いますが、練習中に気持ちが慌てて集中できない原因になるくらいなら、ちょっとのことだけど対策しよう。(このシール貼りは、特に不慣れな一年生の安心感にはとても有効なので、春先には活用してね)
何章で動かす、という区別のために色を変えてもいいですし、全押さえだけ赤、とかでもいいです(気合いの入り方が変わる)

P6.L2-2 トレモロの入りが遅れる理由 追記*

楽譜通りの指遣いをして下さい。3-2で上がってきていれば、音は連続している親切設計、なのでその指のままスライドさせ・肘を外へ張って手の角度を調整する。もともと切れ目なく入れるように作曲されていますので、ここはそう難しくないはず。

で、トレモロの強音の作り方の前に、他の絃も一緒に鳴らしている=振り幅が大きい。これはよくない。基礎連で振り幅についての調整をしっかり練習し直しましょう。

トレモロの上達法

① ゆっくりていねいにやる。
この曲の場合、練習の段階としては 振りの安定度 → 音の大きさ の順をとりましょう。そのために、クレシェンドつきの連続音から入る振りを安定させてとれるように。

② 強音は、振りの安定度ができあがってから。
指先だけを硬く締めて、少しだけ絃へ押しつける程度にし(深くしすぎないこと)、硬質で良く響くトレモロを練習します。
最初は音質をガリガリさせてもいいので、強音での安定した振りをキープする練習を。

③ 強音でよい音が作れるようになってから、音数を増やす感じで振りを細くする。

*振り幅を狭めることで、「時間あたりの往復回数」を上げることが可能になります。なので、振りが大きい人は速さを求めて頑張ってはいけないのだ

https://note.com/myoddsandends/n/n8729526e5114

ラストは…印象が悪いのは改善すべき。new!***

ええーラストはなぜあんなに音がカッスカスなの?森枯れてんじゃん?
体力が残っていないとするなら、配分ミスですし、弱音ってこういうものだと思っているなら、それは認識が間違っていますね。

楽譜上の指定とは変えてあるのかもしれないですが、弱くするのは最後の一音だけのはず。本来もっと豊かで、包み込むような優しさがあふれる場面だと思います。
箏の一小節を繰り返して終わりへ入っていくのが印象的な場面です。
(ここ「六ゝゝゝ」の部分はたたかずにデクレシェンドで重ねつつ、響きを増すようにイメージして作ろう)
この繰り返しで波を作る、これはそよ風の渡っていく木立の波でもあるし、そんな光景の広がりをズームバックで作る感じだと思います。木の一本ではなく胡桃の「森」が最後まで大きく豊かに広がっていって、いったんのフォルテでの締め、その応答としての、rit をおいて、遠くからのもう一度のアルペジオできらり。この構成の美しさ。

弱音の音質が悪いのは、もう少し要研究。
指の力を抜いていると、音質が悪くなるばっかりでいい音にならない。弱音こそ繊細な制御をして力を入れて弾くべきなのです。
爪の先を微細に使って、もっとキラキラの音で弾けるように頑張ろうね!

他の曲でも思ったけれど、もうちょっと印象に残す終わり方をどう作るか(他の曲に負けない演出、差の付け方)を考える、これからの作業になるのかもしれないけれど、頑張ってしていってほしいなあ。
よく言うでしょ、「終わりよければすべてよし」って。これって曲も同じなんですよ。終わり方が評価のすべてを決めると言っても過言ではない。

上級生曲は仕上げの煮詰めに時間が必要になることも多いし、秋からの練習時間って人によってはものすごく少なくなるじゃないですか。作業は巻いておくと吉。がんばって。

星空への想い new---

この曲も、箏が手が間に合っていない。発表の時点ではテンポ設定が速すぎる。すでに前述しているけれど、弾ける速さでやろうね。
演奏会当日でもそうですが、テンポ=一番弾けていない人がちゃんと弾ける速さで。
そうすれば、全員が弾けていて評価が高くできる上に、弾ける人はより余裕を持って気配りができるし、自分を良く見せられる。
弾けていない人がいてカバーされていない時点で、曲リーダーの評価がガタ落ちっていうのは覚えておいてね。リーダー含めて上級生は、いい舞台へ一年生・下級生を乗せて上げる、それが一番にすべき仕事ですし忘れてはならないこと。

17ソロ new!***

もっとソロらしくしたいところですね。あと分かりやすく表現をしていきたい部分。ここ作者のこだわりが見えるから難しいところです。
表現を楽譜の指定をもっと拾って広げていきましょう。
動画の時点では、3連符らら・らら…」と他、そうではないところの弾きわけがされていないので、アクセントまとまりごとへきちんと置く必要があります。三連符はもう少し強調した方が分かりやすいです。

で、フェルマータのあとに、「6」がぽつんとおいてある。これの扱いをどうするかなんですが、次へのつなぎとして(音として下がる中間にある、放物線の下り曲線のようなイメージ)小節をまたいで次のまとまりへ入れ込む方が自然かな。普通に弾くとちょっと浮いてしまうから、意識的に扱ってあげよう。

アクセントは、特に6/4指定の部分は珍しい指定として注目。ここは二音ずつのまとまりをアクセントつけて「きら・きら・きら・きら…」と一続きで下りてくる。こういった指定は表現としてマスト、上手に使おう。(3/4ではないので真ん中にアクセントを入れないこと、これが6/4表記の意味するところです)
で、3/4になったら「きらきらきら、きらきらきら」の単位で進めていく。
このさりげない変化を伝わるように表すのは、かなり意識的に弾き方をもっていかないといけないので、がんばって。

[A]の入りと、その続き

尺、入りの指揮を楽器でとって下さい。
ブレスを装った大きめの振りをすれば、位置的にも見える位置だし、箏も一緒にブレスをして入れるから、そろいやすいです、たぶんそれが一番自然。

配置について

この曲、もし立奏にするなら尺が中央でもいいかもね。それか尺を左(客席から見ての左右です)にするとか。
というのも、配置構成がいつも尺がおきまりの位置にいるのがつまらないなーと思っていたので。これは見た目の問題ね。
そして、尺主導の形の方がやりやすいのでは、と思う部分もあります。(合図の点では端ではない方が見えやすい、特にホールでは奏者の間が開くので、視界に自然に入っているかどうかは死活問題のことがある)

17絃とホールの相性的な注意

Rホールは17絃が驚くほど響かないので、その点よくよく心づもりしておいて下さい。
なので音作りは、音質をしっかりめで出す。音量も、部室で聞くときにはちょっと大きめに聞こえるくらいであってもいいです、Rホールに行くと箏の方はきらきらと良く響くから、17はけっこう負けがち。
今の時点での雰囲気の作り方は上手です。が、こじんまりとした音作りは部室では良く聞こえるかもしれないけれど、会場の仕様として、あまりに音を柔らかくすると吸音される感じがある点、意識して気をつけておくといいです。
あと、前へ音を飛ばす意識があると、もっと良くなりそう。
配置が中央なのは、ホール対策としては悪くはないけれど、それは音作りができた上でかける追加効果なので、母数が小さい内にかけても意味がない感じかも。

箏、フレーズの骨を拾って無駄を捨ててみて

手は動いているけれど、どこもガシャガシャなのは原因があります。
全部の音を弾こうと頑張りすぎですね。メロディを弾くときも、もう少し削れる部分は削った方がいいし、出すべき部分は出した方がいいです。メリハリに欠けることが多い。華やかさが足りないようにに聞こえる部分は、それが大きいと思う。

楽譜には(極端な言い方をすれば)、要る音・要らない音が混在しています。その見分けをまずすること。
(これは楽譜の記載の中から、音を少しずつ削っていって、「骨」=絶対に欠いてはならない音 を拾い出す作業をする。それをすると、たとえば ”フレーズのトップと最低音の往復だけあれば曲として成り立たせられる場面だ、何があってもその二つは絶対に外さないように弾こう”、とか、見えてくるものがあるはず)
その判別をした上で、「ここは装飾音だ」「ここは絶対にないと困る音だ」と、弾きわけをする。

これは表現の面でも大事ですが、体力温存の面でも大事です。必要部分にはきっちりとしたアクセントを置いて、あとは崩れない程度に流す、などということも時にはしていかないと、特に長い曲は手が持たないからね(全部そうしてはいけないけれど)。一人一パートだと、へたったときに代わりが居ないから、手の余裕を作っておけるくらいはしておこう。

そのために、最初に曲を聴いて読譜する時に、必要音には丸をつけて、程度の作業はしておくべき(これは曲をもらったすぐにできる作業です、個人練習を始める前には終わらせておくべき)

部室にまだあのチャート式読譜法の紙はあるんだろうか。
楽譜をもらったらやる作業として、フレーズのトップ(最高音)に丸をつける→同じフレーズは区切りを見てまとめる→ みたいな作業工程の紙 w
(今データ探してみたけどもう私の手元には残っていないみたい)
もしあったら、やってみて下さい。読譜作業が迷わず終わると思う。たぶんのたぶん

箏のピッチカートは、もっと歌って。

「歌う」ことはメインメロディを担当する人には必須。
フレーズの作り方は、下記記事の「② アウトプット方法は、「鼻歌」で把握」部分を参照してみてほしい。特にフレーズのトップを上手にとらえることができれば、もっと美しく映えると思います。
*ピッチカートのきらきら音の作り方については、この記事内の別の曲で書いたから、そっちで。

しゃしゃてん new!***

[D]箏、シャシャテンの速いときの処理。
手は丸めて、親指を斜め上から絃へたたき込む(↓方向)のあとに、人差し指中指を丸めた形のまま連続で引っかけながら手を上げて戻す(↑方向)、の手ごとの上下運動でいけると思う。
今はその場のホバリング状態で、全部の指が伸びている+手がパタパタしているのでとても弾きづらそう。手は丸めてほぼ固定、人差し指中指だけすこし第二関節を駆動動作は肘関節の少しの動きでの上下移動、の弾き方に変えるとテンポに対応しやすいはず。
高速の場合、2.3の音はサラサラ程度でもいいです。しゃしゃてんの基本は親指の音がメイン、特にこの場合は拍を刻む一拍目に親指が配置されてあるから、全体のリズムを担当する役目。なので親指の音はもう少しテキパキとしたふうに、しっかり聞こえた方がいいです。音量は小さくともいいのですが、今は全部があやふやになっているので全体が締まらないな。

https://note.com/myoddsandends/n/n4e4d3542f65c

箏ソロ new!***

もう少しテンポをゆったりさせてもでもいいのでは?情緒的にも鳴ると思うし。
構成としては、ソロのあとからがテンポアップしたように聞こえた方がいいと思う。

└ 1.2の人差し指親指の二音連続 new!***

人差し指と親指の2.1の小刻みな二音ずつの動き。指を入れる上下動作が大きいせいでもたついています。弾く角度を直しましょう。
たぶん基礎練で「上から入れて・下から上げる」の動作を身につけたと思うんだけど、これ、ゆっくりの時は、の限定。曲中ではあまりあの形を使わないんで、あれは教本の教え方が悪いと思ってるw
高速の時は、合わせ爪と同じ形、手と指幅を固定にし、ほぼ「水平に」手を動かす方がきれいで安定します。爪の先を使うことを意識してね。これのいいところは雑音がごく少ないこと。キラキラさせたいときにはぜったいにおすすめ。

P9.L2 ff の時の中指の入れ方、箏17 +L3以降の 箏3121指遣いの時にも  new!***


ここ楽譜指定がff ついていますが、音量に差がついたように感じられないですね。指の入れ方で解決できるかも。
指を曲げ、爪を立てた状態をしっかり固定して、手を意識的に水平に引っ張って爪を強く絃へ入れる。手の形は「コ」の開いた形を固定で、肘関節を動作させての前後振りのみで。
指の力だけで当てていると、ffの音は出し切れないので、手の扱い方を練習しよう。ここは基礎練で、単音で中指をのみを強音でたたき込む練習をして、ff の音作りを研究。
瞬間的なアクセントで印象づけること。なので、楽譜上ではまとまりを「 )」つけて表記してある、その一音目をとにかく爆音で出して、ff の雰囲気を演出する。全部だそうと思うと死ぬからやめよう。

ここは17絃ががんばりどころ。箏は手が細かい分だけ削られるのであまり大きく出し切れないことが多い。楽譜上もアクセント記号は17だけに振ってあるけど、そのフォローカバーの意味でも、爆音担当は17がメインです。よろしく

で、ここ音の入れ込みがかなりシビアなんですよね、箏。半拍の小さい三角、ここにきっちり17絃の二音目の音が組み合わさって、聞こえ方は細かい16分音符が連続するようになっていないといけない。「たららら・らん、…」という形。
動画の段階ではちょっと ぐちゃあっ てなっているのは、箏の半拍が甘いのと、17絃に入れ込む意識が薄いせいもあるかな。双方が協力して正確さを意識し、成り立たせよう。実は絃方の見せ場なのですよ 派手にしたいですね!

続きのp9.L3~ 箏、3121の指遣いの部分に雑音が多い(絃を叩く音がする)。それも、前述ソロの2.1の指遣いや上記と同じく、手と指を固定にして水平に爪を動かす方法にすれば、もっときれいに弾けるようになると思う。
この基本動作は身につけるとかなり使えるのに教本には確か載っていないんだよね、ちょっと意識的に練習してみてね

一章の終わりは合ってないけれど、雰囲気の残し方は上手。

二章ソロ、グリッサンド new!***

一章の終わり加減はいいのに、しかし二章の入りのグリッサンドは…何であんなに荒っぽいんです???
その音質の使い方は一考の余地あり。動画の状態だと、ちょっととげとげしいです。怖い怖い。いくらffとはいえ。

短調の音になるせいもあるから、短調の美しさの出し方を研究しよう。
シューティングスターのタイトルの、何を取るかですけど。一瞬で消えてしまうものへ何を思うか、を考えて欲しいし、+何を思わせたいのか、という受取り手の心象操作までは計算に入れたい。
切なさを表現したいなら、甘さが欲しい。悲しさを出したいなら透明度が欲しい。
まずは何を表現したいのかを、自分の中に追求してみて下さい。

ラストは…rit. を拍で表現されていないのと、三連符表記の理解がない…? new!***

最後の1小節、箏は楽譜上は三連符なんですけど、聞いた感じまったく三連符ではないですし、楽譜の解釈がおかしいですね。

ここ、単音ぽつぽつぽつのおかしな感じになっているのは、奏者が三連符という認識をもって弾いていないこと、拍中へ入れるべきまとまりの理解がないこと、そのせいでアクセント等の必要な表現が一切ついていないことが原因。
そこ rit. ついていますけれど、徐々にゆるやかに、の指定だけで、ここから拍を無視して自由にしていいよ、という意味ではないんですよ?
なので、引き続きのテンポのまま、ゆるくなっていく一拍へ三分割の音をきちんと入れましょう。拍中に入れつつ、その拍自体を徐々に緩めていく。その小節から急にテンポを変えてはいけないですし、別物として扱ってはいけない。連続した流れで終わること。

最後だからちょっと変わった演出があるように見せて、ここへ三連符持ってきてあるのは意味があるんです。この曲のはじめは三連符だったよね。17絃の始まりで三連符ではじまっているのを、リフレインモチーフとして短調に変えてはあるけれど、配置してある。そのサンドイッチの妙を、もっと演出しよう。同じ空で閉じるんですよ。たとえ明け方の星の消えた寂しい空だったとしても。

ラスト一音のハーモニクスは、できれば二人ともキメたいところですが、ここは運ともいえる…練習でできていれば確率的にはいけることが多いと思う、がんばって。
鳴ったときに響く位置があるので(記事内前述)、それも研究してみて下さいね。

その他 new!***

切れ目の入り直しや章の終わり、誰に合わせたらきれいにまとまるのかな。なんとなく、あたりをうかがいながら手を動かしている感じ、それでも合わなくてみんなバラバラ、というのはよくないな。
尺がいるなら尺が楽器振った方が自然だから、私はそれが好きだけど。配置その他のやりやすさもあると思うからやりやすい方法で。

宇宙の詩 追記あり ***

これ総譜があるのとてもありがたいですね。手書きの総譜作るの大変だっただろうな。作った人お疲れ様。
要望として、楽譜の最初に全パートの調弦も全部書いてもらってあったら、もっと嬉しかったです。今後の要望として書いておくだけ書いておくね。
なぜかというと、パートごとに重なる和音、横方向が見たいときもあるし、箏2パートが同じ手の動きをしているときの重なりで、どの音がどっちだろうか、と考えるのが、その前後と照らし合わせて調弦の音の配置を探ることになってかなり大変だったのです…
あと楽譜の向きがpdf開いたら回転させないと読めない横向きだったので、それも直してアップしてもらえたらDLなしで読めたなーと思います。
よろしくお願いします(めんどくさいお願いごめん)

全体的に、音ちいさっ って思いました。箏の高音が特に弱々しいです。
あと、パート人数がそのままイコールの音量になりがちなので、今の配置構成にするなら、三絃さん奥で座ってもらえないかな…w 椅子だと抜けがいいから、どっちかいうと尺の方が椅子配置の方が聞こえがいいと思う
箏、もっと強音は押して引くよりもたたき込む。手の重さを使えていないので全部が弱い、伴奏の弾き方になっている。メインを貼る弾き方を研究するべき。
そり指の初心者さんはなんとなく高音がカスカス言いやすい感じがあるので、手の使い方と指の入れ方に特に注意かも。爪の使い方で音質に気を使えるといいな。

出だし

二箏さん、一人だけになるからここつらいんだよね。まずは半拍が甘くて少し遅れているから、力まずに入れるように気持ちの調整を。
で、音量調整については。

全体を見たときの音量の考え方は、下記記事の「2.パターン2、パートの入れ替わり」で書いたのが参考になるといいけれども。
この曲の出だしは、8対1になるから厳しいですね、800%以上の心づもりでなるべく大きな音を作れるようにがんばろう…

└ 2.3の引っ張り上げる指遣いの時に、大きな音を出したかったら。

他の曲でもそうなのだけれど、親指よりも力の入りにくい、人差し指や中指で引っ張り上げるフレーズの時。
音をハッキリさせるには、爪を立てて、指の第二関節を固めて、ショベルカーみたいな引っ張り方をしよう。動作は「肘で 後ろへ まっすぐに引く」。大きい関節を使う方が安定するし、小さな力で大きな音が出しやすいのです。ここは意外と気がつきにくいのだけれど、大事なところ。
ポイントは、絃の抵抗に負けないように指先までガッチガチに固めることです。

└ 実は「頑張るのは他のパートです」の場面かもね…? 修正あり★

で話を戻すと、二箏一人にそんなに負荷をかけるんだったらさぁ…というのもあるんですよねえ ここ。
上記記事内にも少し書いたけれど、「頑張らなきゃいけないのは本当はそれ以外の人たち」のパターンも少し当てはまっているのではないかな。

この開幕一番のココは「つかみ」、重要な場面です。
しかし初っぱな「宇宙です!」って名乗りを上げるところで、そんなにだらーっと重たい音でいいのかどうか。
二箏以外の人たちの音が「全 員 重 た い」のが、アンバランスの原因の一つではないか思うんですよね。そっちの改善をまず頑張ってみるべきかも。以下に続く

└たぶん、最初がすごく「だらーっ」として聞こえる一番の原因は、ケ。修正あり★

ケは、音の長さを半分に、という指定なのだけれど、微妙に音が後残りしている感じがある。半分よりちょっと長いのかもしれない、もっとキッチリ半分にして。ややスタッカート気味の軽さを攻めてもいいです。

と書いて楽譜見て気がついた。「(ゝ)ケ  (ゝ)・」の表記!!!!www
ケは半分、・はスタッカートですね、ここは。微妙な表現の差ですけど、あとになるほど軽くなるようにされてあるんじゃん…?!!動画では二音目の方が長い感じがある。ここだねきっと。

楽譜は作曲者の意図を書いてあるので、表記の読解時には何一つ落としてはいけない。やってみてから取捨選択の対象にしてもいいけれど、いったんはそうと飲み込むべき。
(変なたとえになるけれど、音楽をやるときはいわゆる原作厨が一番評価高いです、独自解釈を入れる二次創作的な演奏は評価低くなるから、原作中の要素を取りこぼさないことが大事。)

この表記を読むなら、一つ目のケす動作はキッチリ半分、二つ目のケす動作はより素早く、瞬時に。ということです。
(手の動作は、ぱんぱん絃の面を叩かないこと、最小限に小さく、目立たせない。ここ、17絃の音がやや残って聞こえるので、左の手のひらだけではなく手首や腕を使って弾いていない絃も広く押さえた方がいいかもしれない、共鳴をなるべく減らす)

で、音質面は、もっと締まった感じにして、軽さを表現しよう。
・音量は出しつつ
・音の粒は締めて、小さく軽くして欲しいな。
(とくに尺はふわふわと音質が柔らかく聞こえるので、もっと締まった音を作る。三絃の音みたいにイメージして。箏は、手元を締めて、硬い指で硬い音を作る。三絃はきっぱりとかっこよく)
宇宙で見る星って、空気を通してみていない分、甘さのない光になると思います、それを厳しいくらいの和音で重ねる。硬質であればあるほど、間に入ってくる二箏の華やかさが、ぐっと引き立つはず!
二箏さんはフレーズのトップを意識して、きらりと光るように弾いてくださいね。

二箏以外は音質の改善音の長短を、二箏はフレーズの形を注意。そうすれば、たぶんそれでデコボコはかなり少なくなると思います。

指遣い3.1、中指と親指の切り替え時に 穴(間)が開く原因 修正★

これ中指入れるときに寝かせてる人、大体なりますね~~~初心者さんはやりがち。その弾き方、早めに卒業しよう。

フレーズの上がり下がりの頂点に「/ ゜\」ってへんな空間が空く原因は、手(の甲)と指全体を 上昇時の水平向き → 下降時の親指垂直・手首立てる向き へと、手を返さなければならないほど寝かせて使っているから。その返す動作分の時間でロスって音の並びに穴が開くんです。
(試してみたけど位置の移動に10センチくらいの上下幅あるね、その距離をロスなしでやるのは不可能です。以前から不思議に思っていたんですが、部活ではお上品に「そ」と絃を押さえて弾く人が多い…。三つ指突く時代のお方なのかしら。変ですわ。メリットは何かあるんだろうか)

本来、中指を引っ張って使うときには、そんなに手を寝かせることはしません。弾くときに指を伸ばしっぱなしにもしません。

ベストは、親指で弾く手の形、そのままキープして中指を使う。中指入れるときに、中指へ手の重心を置く感じにし、ちょっと傾けて入れて、そのまま上げてきて、切り替えて親指を入れるときに手の角度をちょっと戻すだけです。ほぼコンマゼロで移行できるよ。
最初は手がホバリング、中指が弾き終えて絃に止まった瞬間に、薬指がそこで着地する→ これは後の動画を見てね、3-1の基本の動きです)

これだと、自然と爪が立つので音質はそろうし音量もかなり出せるし、テンポ速くても3.1の連続がどれだけ続いても全然平気、いいことづくめ。

前述にも出した「たららら」の記事に貼ってある動画、これを見ると、手の使い方の参考になるかもと思うので置いておきます。
注目は、中指を使うとき・親指を使うときの手首の位置、ほとんど高さが変わらないので、切り替え時にロスゼロ、という点。
中指を弾くときにも手首の位置を高く保っておくのがコツ。なのがおわかりいただけるだろうか。
ちなみに音質がそろう理由は、親指と爪の角度がそろっているからです。あとは指の力ね。物理。
(2、3の指で弾くときに親指より音が弱いなと感じるときは、指の曲げ具合と爪の立ち加減をチェックしてみてね。指を曲げて爪を立たせるだけで良くなることが多いです。キープに力が必要かもしれない、足らなかったら指トレして)
(動画は40秒から再生すると手がすぐに見られます)

注意箇所が多い曲ですが…たとえば総譜p5→6の一音目  NEW!! ***

ここにかぎらずですけれども、割と見せ場になるところなんですよね、楽譜指定で「 f 」とか書いてある場面は。華やかではないことが多いね、なんかぬるーっと進行していくだけで、全然良さが出せていない。この時点ではタイミングが合っているだけの合奏を目標とした、という理解でいいのだろうか。しかしこれでは全体曲の進行としては演奏会には間に合わせるにはちょっと急いだ方がよさそうかな。

全体的にメリハリがない理由は、誰が頑張るべき、というよりは、誰が場面展開を引っ張っていくのか?という役割分担ができていないっぽい。
みんなが均等にそこに居て、ぬるーっとした進行。聞く方は、どこを見ていいか分からないからずっと迷子です、これだと。
(もし演奏会にこの状態をやったら、集中を欠いたお客さんがあちこちの席でもぞもぞしてて後部席から見てると面白いことになるんですけどね、そうならないように直したいですねえ)

└ メリハリの付け方、

たとえばここなら、
・p5末は一箏のクレシェンドが場を引っ張ってガンガン出して下りてくる、親指押しだから弾くときに力は入れやすいはず。で、
・一箏二人が作った f を、p6入った瞬間に17絃と二箏が行頭トップアクセントつきの f 一音でがんっと出して引き継ぐ。二箏は「一二」中指シャの手をもっと鋭く華やかに出す。

ここ気をつけろ!!!って私が言う理由。
なぜならp6入ったらいきなり、それまでメインだと思いこんでいた一箏が消える、んです…メイン誰……っていう迷子が誕生。

で、なぜメインフレーズっぽい三絃ではなく、伴奏の二箏と17絃に注意しろというかというと。
p6頭、そこから三絃がメインパートではあるけれど、実は三絃ってそこまでの強音作るのは楽器的に難しいんですよ。一箏が本気で f 音作ってきたら、普通は一箏が消えた行頭、落差が出ちゃう場面なんです、ここ。一音目が休符でしょ、居ないんですよ。その音量カバーを三絃だけにさせるのは酷ですよ、という話。(そうさせたくないから1箏が手加減するのはなしです、曲的にありえない)
だから、そのサポートを初っぱな一音で二箏と17絃が音量だけを背景爆破レベルで担当する。で、そのあとから三絃はメインとして「ハイここから私~~~!!!」ってくらいの気持ちでぐいぐい攻める。それで客を持って行けるから。

p6冒頭、要注意の一音ですから、意識して気合い入れてがんばって。
メイン担当の入れ替わり、「バトンパス」って見せ場だよね陸上競技。そういうところで楽しませることもお忘れなく。

└ デクレシェンドの方法と、トレモロのきれいな弱音の作り方について NEW!!***

p6の終わり方はよくないな。トレモロの処理が良くないです。

そもそもですが。デクレシェンドかける効果は、入りを大きくしていないと意味を持って聞こえないんです。
しかも、ここは入りが小さい上にトレモロの音質も「かすかすカスカス……」ってなってて美しくないですね。音自体よりも爪の当たる感触の音の方が聞こえてるかも。

そもそもの話、弱音質を落とした音ではないですよ、キラキラ感は保たねば。弱い音=指の力は抜く、というのは、どの技法でもだめぜったい。特に星やきらきら系の曲は、指はしっかりめで粒だけを小さくする感じで。
で。
トレモロの弱音は、絃の上部だけに爪先がわずかに触れる浅さで作ります。爪の触れるカチカチの音がなく、響きだけが鳴る音作りをしてください。すごく集中しないと作れないので、よく練習してね。

P6末のトレモロの使い方、クレシェンドのきれいな見せ方については、入りのアタック(切り込みのひと振りめ)を響かせるようにするだけで、ずいぶん印象が変わるはず。大小がそれだけでつけられる。

この場面のデクレシェンドの表現は、ほぼ箏三人の力量にかかっていますので、トレモロでの表現にはもう少し気を配りたいところです。
(17絃は実はそこまで下げられない、低音を使っているせいもあって弾き方を抑ええたとしても楽器的に響いてしまう)
短い場所ではあるけれど、がんばって。

続きのp7、ここは指定 mp のはずだけど、fからデクレシェンドされてくるp6末よりでっかい音量で弾いてるのなぜなん? NEW!!***

p6末のデクレの意味って何?つなぎの演出なのにつながらずにここでブツ切れなの謎すぎ。流れとしては「f>>>mp」なので、そのデクレの音よりmpがデカイのは無しやろ まじで。www

うんこれはね、個々人がmpと思って弾いている音が、積み重なって f に近い音量にまで戻っちゃってるのが原因だろうね。

パーセンテージの感覚で考えてみ。
必要な全体音量がmp、仮にそのmpを九人全員で均等割をしたとして、それぞれの音は1/9mp でなくてはここを成立させられない、ということなのだと思うよ。だから。
実質、今の1/9の「スケール」に落として下さい。音質を損なわないように。
その上で、メイン担当はメインとして鳴らし、伴奏は伴奏としての役割の音で弾く。

ほら、「弱音ほど難しい」っていう意味がだんだん分かってきたね?
ppp の指定はもっと厳しい操作が必要だから、がんばってね?

(人数が多い曲ほど、このパーセンテージの感覚を全員がもって、個人練習での音作り、質のよさを追求していくこと。

└ 合奏を前提とした個人練習について、以前から少し思っていること(今の世代の話ではないが少し共通するところがありそうなので): new!***


個人練習ではけっこう弾けているのに、合奏したときに形にならないのは何でだと思う?って聞いたときに、みんなあやふやに首をかしげることが多かった。何を目的に練習しているのか、意識できていないんだろうなと思ったことがあります。OBとして部活へ行っていたときのことね。

理想は。
個人練習では、合奏になったときに他ときちんと組み合うように意識した練習を心がける。パート=パーツ、部品なので。
そのためには早めに全体像を把握、自分のパートは強弱記号をそのまま個人練習で取り込みある程度を済ませておく、自他のパートの役割分担の研究もしておく、など、合奏に入る前にしておくと早いよ。(ここは読譜力にもよるところ、上級生は早めにやって下の子のサポートに入れるといいけれど)

特に強弱の変化の付け方について、合奏になったら何とかなるだろうと、個人練習の段階で後回しにする人、他力本願すぎ。自分が奏者だろう?他に誰がやるの?みんなでやるんじゃなくて一人一人がやるんだよ?何の準備もしてなかったらそりゃできないだろう当然ね?と思ってた。
曲の仕上がりの進行については、事前の準備をどれだけできるかが勝負。その上で合奏練習でどれだけ意思疎通ができるかどうか。特に、曲リーダーにおんぶにだっこ状態でぶら下がる人が少ないほど進みは早い気がする。と個人的には感じていたので、メンバーさんは頑張って一人一人がエンジンになって下さいね。

弾けている気がしてくる夏以降に、そういう個人練習での質上げ、目的意識を持ってがんばろうねえ)

p39 尺メインの時の箏伴奏 new!***

ねえそこ、絃は伴奏としての役割意識持ってます???
伴奏は引き立たせるのがお仕事なので、前面に出てはいけない。人数が多いせい絃の音ばかりが聞こえすぎる。特に17。低音が重たい。あまり全体的に場面の変化をつけられていないようだけれど、伴奏ってその場その場をそれぞれ美しくする役割なので、その音質と音量とタッチで適切かを、考え直した方がよさそう。
尺の音がスホスホの場合、音質を柔らかめに粒をなくしてあげてもいいかもね。演奏会、たまに尺ほんとうに音が出せないことがあるので、苦しんでいるようだったらフォローカバーの対策ができるように、手数は用意しておくといいです。

十七ソロ new!***

入る前にちょっと間が欲しいな。ソロって分かるような、特別な間があるといいですね。
あと、手を構えてからすぐ弾かない。動画だとその直前に尺がさらっと楽譜をめくって(動かして)いるんですよ。そっちに目が行っているから、視覚的には17絃の弾き始めが消されています。(尺のタイミングは悪くないと思うがちょっと動きが「シュッ!」としてスピード感ありすぎる、もう少しそろっとやって)
手を構えて、尺の動きを見てちょっと待つ、客が「あれ なんか舞台が止まってるけど何」って思った瞬間に、大きく呼吸して下さい。それで弾く。お客さんに一気に「あ! 始まった!」って思ってもらえると思う
(ソロ前の呼吸って大事で、それにつられてお客さんが新鮮に空気吸って気分かわる、やってみて。空気感を変えるテクニックってこういうちょっとしたことだったりします)

合わせ爪、ちょっと弾きにくい幅なんだろうか。そういうときはね、アレンジと称して左手ピッチカート使っていいです。クオリティのためなら・お客さんが満足するなら、たとえ「ずるい」っていわれたって、やったもん勝ちなんでw
どうしても合わせで行きたいというなら、手を持ち上げる形に変更した方がたぶん手の移動も楽なのではないかな。演出として加速・徐緩(*)の変化を入れたいときにも、その方が対応しやすいから、検討してみて。

5連符はアクセントを頭に置いて、ひとまとまりのカタマリ感を作ると、それっぽくなるはず。

最後は、高音部が結構残っているから、かるくユリをいれるとなんか上級生っぽい感じに見せられるかも。

で、弾いたその手で「しゅぱっ」と楽譜をめくるのは興ざめですねえ…「あーおわった!」っていうやっつけ感が出ちゃう。箏が弾き始めるくらいまでは、その世界の推移は終わっていないからね、奏者間での受け渡しという「家に帰るまでが遠足ですよ」的な点、もうちょっと考えましょう。
二箏が弾き始めたら、そーっとやる。時間はたっぷりある、あわてるな

└ ソロ、「テンポ・ルバート」の指定 new!***

(* ここ、楽譜の指定に「テンポ・ルバート」って書いてあります。これの意味は、どのようにでも加速・徐緩を使っていいが、必ずプラスマイナスゼロの状態にすること、という認識で、セットとして使うのが条件だと思っておくといいかも。
で、この指定はたぶん[17]~[19]にかかるんじゃないかな。つまりソロ三人はこれをつかうといいよ、と

「最も普通には、先取または遅延によって音符をずらすことをいう」

普通は、フレーズの最初と最後を遅めに、また、強調したい音を長めに演奏するためにその前後を遅めに演奏し、それ以外の場所を速めに演奏する。

基本のテンポを設定しておいて、それを基準に遅め、速めにずらす、という手法を採るのが一般的である。(wiki)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88

p18箏ソロは new!***

入りの「一二」シャは、印象づけたいならもっと内側で鳴らしてもいいです、普通すぎてつまらないな。
で、ここの最初の四音のメインは「八」です、親指にアクセントつけて。ちょっとこの一音をもったいぶってもいいですよ。拍緩ませての急上げのためには、少々さらっといきすぎてて助走がきつそうだし。
で、続きも「九」「十」「為」と親指メインで進めます。そこを鳴らしていくのは、一つずつ音階が上がっていく、変化する構成だから。変化を見せる、これ大事。一二の音もスパイス的に音質が違う要素で大事だけれど、優先順位としてはそっちじゃなくて変化する方を見せよう。飽きないからね。

「七九」和音の後すぐに鳴っている絃へ手を置いていますね、音の強制的に途切れる「ぷつん」って音がしてる、これは興冷め。手を置きたいなら八を選択するべきです。

そのあとの後押さえが雑。音の高さは「ヲ十」の音でいったん止まるべきなのに、押さえの手が一瞬も止まっていずにさらに行き過ぎて高音側へ外している。
音の作り方に問題がある。なみなみ「~~」ではなく、ぎざぎざ「十 ・ヲ十・…」を形作るようにしないと、キッチリはまらないと思うよ。後押さえは曖昧ではいけない。きれいに聞かせるならきれいな形に納めること。

ソロを弾き終わった後に、手を下げて調弦替えに移るのが早すぎ。一箏が弾き始めたら(=お客さんの意識が完全に向こうへ行ったと判断したら)、初めて動きます。スピードはゆっくり、そっと動くこと。楽器位置が中央でかなり目に付いてしまうから、意識的にステルスモード。

[19]1箏ソロ new!***

スクイが「タタッ・タタッ」になっています。均等に拍を割って下さい。
出だしはもっとゆったりと始めた方がきれいだと思います。二箏のソロがゆったり終わっているし、そんなに激しく雰囲気の変わる場面ではない、タッチももう少し優しいほうがよさそう。
何を主として見せたいかが奏者の中でまだ曖昧なのかな、あまり伝わってこなかったですね… 

情緒的な面を強くするなら、スクイあとの「九」から下りてくる親指に移る箇所、ここ直前に加速してからの rit. かけて、+この「九」一音を強くしてかつタメをいれるとか、してもいいと思うな。
演出は、何をやりたいかによって変わると思う、自分でいろいろ試してみてしっくりくる感じをつかんで下さい。

個人的には、他のパーとが入ってくるのに音が負けるから、もっと強めに弾いてもいいのかなという気がします。ソロ連続のあとの締めでもあるしね。

ラスト

全部の音を頑張っているせいで、いまいち抜け感がない、べたべたしている。疾走感や爽快感が一切出せていない。頑張っている努力が形にならないのは、頑張っているだけだからなんですが。
ここは改善する余地がありそうですね。
アクセントの適切な配置、フレーズの角(かど)の作り方、まるめかた、そういう細かな作り込みの部分でまだまだ足りていない部分が多いなという感じです。

この曲の練習には、メトロを使っていたりする?
拍のとらえ方は、円を描くようにイメージ。その回転を使って音を出す。のですが、メトロは直線の機械拍なのであまり情緒を生まない。のです。
そこはちょっと気になる。生きた拍を使ってくれるといいけどな。
(円を描く手叩きをしてみると、拍頭に少しの停滞が生まれるのがわかるかな。
ワルツのステップもそうなんだけど、踏み込みの時の一瞬に重さと長さがある、それがある方がじつは踊れるんですね。そんなかんじの、ひとをのせるリズムの生み方)

フレーズの作り方がうまくないのは全員ですが、特に尺。どの音を強めたら・または弱めたら、どうかっこよくなるか、考えてみて。音は出ています、が、上級生はよりよい音楽の形を追求していこう。

同じフレーズの反復は、ゆったりなら揺りかご効果、激しいなら酩酊に近いものをもたらすと思います。
この曲全般に気になるのは、リズムの把握があまり良くされていないのか、反復効果を利用した表現を使われていない感じがある。全部がぬるーっとしてきこえるのはそれだと思います。

ラストは特徴的な「たらら・たらら」の繰り返しで追い込むわけですから、効果をもっと使わないと。音をだだーっと並べてあるだけでは、意味がないですね。
音の強さと、律動。そのふたつで、情熱を表現してみて。



とりあえずおわりかも。また何か思いついたらかく

ここまで読んでくれてありがとう、文字数多いのに大変だね。分かりにくい文をいっぱい書いて申し訳ない。
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