押さえ の 重心
基本中の基本、押し手(押さえ)。楽にできるコツは、重心の移動。
座奏の場合
■ 腕は真っ直ぐ
基本、座奏も立奏も、押さえは、腕を伸ばして・肩から半身を左へ傾けるような感覚で。
ひじを曲げて押し下げると、力を入れてもプルプルするだけで、かけた力が絃へ伝わらない(ひじで吸収される)ので、腕は基本的には真っ直ぐです。折れるのは手首だけ。
身体の重心を、左側へ移すのがポイントです。
★ 体重が軽めの人・小柄な人は
身体を傾けるだけでは押しきれないので、がっつり体重をのせるようにします。「重心の移動+腰を入れる」を意識するのが大事。
①左のもも・ひざへ重心を移す
②腰を入れて上半身を箏へ乗せるように左へ前のめる
③そのまま真っ直ぐに絃を押し下げる
力を入れて頑張らなくては押せないと感じるときは、腕が曲がってることが多いです。
押さえは力づくでなく、体重を使うと楽だというの、覚えておいてほしいな。
■ 押さえが遠い場合
小さく膝立ちをする感じで、前のめりの姿勢をし、重心を前方へ。
あまりガバッと立ち上がらなければ、姿勢が変化しても大丈夫です。
前屈みだけでは辛いときは遠慮なく膝立ちを。
立奏の場合
■ 座るときの位置
イスに深く腰掛けると、押さえがやりづらいので、まず座るときは浅めで。(本番が着物の場合は、背中側に帯があるので自然に浅めにはなりますが、練習中はここ気づきにくいかも)
■ 重心の移動をしっかり
座奏と同じく、重心の移動をします。
・押しの位置が遠くない場合
→ 座奏と同じく左のもも・ひざあたりへ重心を移します。
・押さえの位置が遠い場合
→ 左の膝というよりも、左足の爪先・親指あたりへ一気に体重をのせる感じで、やや立ち気味に踏ん張らないと押せないかも。お尻が浮いてもいいので、しっかり。
着物を着ていて腕が伸ばしにくいときは、立って一歩左へ出て、押します。(戻るときは、正面に向き直るように一歩戻します。お尻からバックして戻らないように)
演奏会の本番の写真を見返すと、かなり、立奏の押さえは立ってやってる人多いです。着物だと、上半身を倒そうとすると帯が食い込んで苦しいというのもあるかな。
なので、練習の時から、遠慮なく立ちましょう。
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手の形
押さえの手はおおまかに二種類ある感じ。
① 親指+人差し指・中指(三角のかたち)
② 人差し指・中指のみ(一本のかたち)
これは好みの問題にもなるけど、一応メリットデメリットがある気がするので、書いておきます。
①親指+人差し指・中指
メリット:
・かけた力が分散するので、指が痛くなりにくい。
・かけ押さえの練習にもなる
デメリット:
・押さえの位置が柱から遠くなる分、押さえの深さが深くなり、時間がかかる(速度対応がしづらい・移行音フニャリが入りやすい)
②人差し指・中指のみ
メリット:
・柱に近いところが押せる(速度対応が可能)
デメリット:
・かけた力が分散しないので、指が痛い
私は、最初は①だったんですけど、高速のヲハの連続があったときに、②に切り替えました。音の変化が、ナミナミ~よりもギ・ザ・ギ・ザ…にする必要があったので。
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★指が痛い
指が痛いとき、テーピングとか絆創膏を使ってました。
皮革の切れ端で指カバーを作れないかなとか、いろいろ考えた時期もありましたね…笑 テーピングの粘着が絃についてビョンて音が出るのが気になって。
指カバーはあまりいいのが作れなかったですが、小細工してもお客さんに分からなければ・分かっても別にかまわないと思うならば、何を使ってもいいと思うのですよね個人的には。笑
(尺だって七孔つかってもズルいなんていわれないでしょ。いい音が作れて双方にメリットがあればいいんだと思うんですよね)
追記。押さえの時の指カバーの作り方。
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レールだこ?
ちなみに、押さえをする指、「レールだこ」というものができます。(この言い方はOBさんに教わった気がするけど、一般的にそう言うものなんだろうか)
2本の固いすじが指の腹にできて、その間に絃が挟み込まれる状態になります。これができると痛くなくなるのか、四年生以降は押さえは苦ではなかったかな。(しかし動作はできても音を外すのが下手な証拠ではある)
いまだにその痕跡、左の人差し指の爪際にシワ&凹みとして残ってます笑
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のぎへんみたいなアレは一音半上げ
ヲ:半音、
オ:1音、
音が上がるんですけど。
部首の、「のぎへん」みたいなやつ、たまにあるんですが、これ、1音半。たまーに、訊かれるので。「オ」の頭に「ノ」がついてるやつ。