和風レイアウト、ヨコの使い方と「ハズす」
和風でも横書きのもの、意外と多いんですが、和風でとなるとタテ書きで考え始めてしまうことありますよね。
ワンパターンにならないようにするには。
和風だから=タテ書き?
…という固定観念は、たまに、捨てちゃった方がよいこともあります。多分。ヨコ書き&ヨコ三段の構成、これ、割とよくある。
こういうのとか。
▼ 横三段、タイトル+イメージ+詳細情報。ストレート。
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白地のきれいさを活かしたきれいなポスターです。
器なので、洋食器とか好きな人にも響く雰囲気かと。あまり和風和風させない方が、幅広く来ていただけるという感じなのかな?
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▼ 横三段の構成で、ヨコ書きメイン。真ん中の段に全ての情報が収納されていて、タイトル+αが目立つようにしてあります。
このポスター、ヨコ書きの中で、タテ書きでキャッチが一文。一箇所だけタテなので、小さいけど目立つようになってます。この使い方、面白いな。
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以前、「タテ書きとヨコ書きを混ぜたら、おかしく見えたりしませんか?」と、デザインの相談の時に聞かれたんですけど。
上記のように、タテとヨコの組み合わせが「面白さ」になったり。あと、導線の変化で配置する「情報の区分け」にもなったりするから、個人的には、積極的に使い分けたい(使い分けられるようになりたい)です。
この形、タイトルが短めの時は、ヨコ書きにしやすいのかもと個人的にちょっと思ったりしてますが。
そこまで思い切ったカジュアルな雰囲気でもないけど、少し敷居を低くしたいような感じでいきたいときなのかも。
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ハズす。
全部が和モチーフでタテ構成だと、重くなるとか敷居が高くなりそうなんですよね。
カジュアルにするなら、横方向の構成やヨコ書きにして、ちょっと“ハズす”のもありかと。
ハズす、という「足して足して足したとこからチョイと引いて」みたいな、複数の和の要素の組み合わせでも、少し引き算するようなバランスの取り方。
和洋折衷で、という時。
・洋のものをぶっこむ場合
・少し和の要素を和らげて見せる場合(フォントの形、色遣い等)
と、ある気がします。
*「難しい漢字のふりがなをアルファベット表記で漢字に絡ませる」のも、よく見るパターン。
これも、読みが自然に伝わる「情報伝達」の役割と、デザインの、両方を担ってて、見るたびにその絡ませ方を見ちゃいますね。好き。
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ハズす、「ナナメの配置」
タイトルがまっすぐだと、端正で真面目にもみえるのですが、これを少しナナメに配置すると、とたんに「遊び」が生まれて、楽しさが出ます。
▼ タイトル=縦ドン・日時等=ヨコ書き、ナナメ レイアウト。
これは背景のイメージ達の可愛さも相まって、動物が小首をかしげたような可愛さを醸し出してますね。かわいいです。
一番下のふんわりした色帯がさりげなく締めているのも、その細さも軽さがあって。
これがあるのとないのでは全然違います多分。
こういうのも、和モチーフだけどカジュアル、という狙いの演出かも。
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ハズす、「色の使い方」
これも、割とよくあるかも。思い切った色遣い。
和の色はわりとくすんだ色が多いのですが、それではなく、ビビッドな蛍光っぽいカラーをあえて使って、目を引くとともに、面白さやカジュアルさを出しているような。
▼和メジャーな内容で、タテでドンとタイトル置いてても、少しカジュアルに見えるこれとか。
「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」
チラシが裏表、PDFで公開されてたのでURL貼っておきます。
これはヨコ三分割・タテ二分割の6ブロックなんですけど。
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市松状の配置、文字は和の色っぽいけど、ベースがレモンイエローでパッキリ、モノトーンぽい水墨とのコントラストがきれい。
これベースがレモンイエローと違う色、例えば からし色とか、和っぽい色だったら、ここまで軽さは出ないと思います。
思い切った色に見えます。でもこれが良いんですね。
多分、ポスターは、貼られる場所によっては、他のものと一緒に並べて貼られます。その時に、華やかさで見劣りしない、あえて突出するような色遣いを選ぶのも、戦略かなと思います。
春なら、他のポスターは春色が多いでしょうから、あえてパステルではない色の方が目立つ可能性、とか。
同じピンクなら、蛍光カラーの方が目立つでしょう、とか。とか。
色の関係をいうなら、黄色の反対の色は青色で、補色同士なんですけど、青を彩度も明度もグッと濁らせて、黄色は濁らせずに使ってます。なので、明暗がクッキリなんですね。
なぜそこまで青を濁らせたかは、チラシ裏面を見るとわかります(PDF2枚目
小さい文字も読める、可読性の高い色、黒に近い。でも黒じゃないからわずかに軽い。でもカラー感はほとんどない。…という絶妙な色に見えます。
で、黄色は、注意!みたいに、目を止めてほしい部分に使われてて、ここも計算されてると思いました。
二色刷りの時の計算…こういうの好き。チラシの裏面好き。
(これは深読みしすぎかもですが。
和の色の組み合わせの暗黙の了解のこと、モノトーンに黄色は悼み、追悼の意味合いもあるんですよ…
ポスタの左下はハスですね、これも浄土のモチーフですし。
東日本大震災復興祈念、とある以上、…。
すごい。と思いました。)
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和だけどヨコ書き。和だけどアルファベット。和だけどパキパキカラー。
和の要素で固めすぎないほうが、開放的に見えるので、そこの足し算引き算を考えられるように、パターンを考えてみたいな…
とりあえずヨコ書きとヨコ三段組みも、和と親和性めちゃ高いということです無理やりおひらき。
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