コンプレックスを取り除く旅に出る
生まれながらの天然パーマに戻そうと思った理由は、そのままの自分を好きでいたいなと思ったから。
今回は、自分の天然パーマを受け入れようと思ったきっかけや、それまでのことを綴りつつ、その時に出会った素敵な言葉を伝えられたらなと思っています。私の気持ちも多めですが、こんな考え方もあるんだなとこれを読んでいただいた方に思ってもらえたら嬉しいです。
私は、幼い頃からくるくるの髪がコンプレックスでした。幼稚園の頃、みんなが髪を下ろしているのに、私がやると広がって可愛くならない。当時流行っていた「おジャ魔女どれみ」のおんぷちゃんに憧れて、髪をボブにした時には、あまりにも自分が想像していたヘアスタイルにならなくてがっかりしました。
小学生になると、男の子たちから「外国人みたいだ」とからかわれ、プールの後は最悪でした。せっかく朝に、頑張ってできる限り伸ばした髪がくるくるに戻ってしまう。みんなにとっては何の負担にもならないことが、私にとってはとても負担で、それだけで憂鬱でした。
こんな風に、思い出せばきりがないほど苦労した思い出がよみがってきます。
そんな私に「ストレートパーマ」が許されたのは、中学3年生の時のこと。そこから大学4年生の夏まで、ストレートパーマや縮毛矯正を続けていました。初めてのストレートパーマは、あまりにも髪がまっすぐで、念願のストレートだったはずなのに、なんだか心地よくなかったのを覚えています。でも、そこから学んでその次からは「自然なストレートにしてください」とお願いするようになりました。
半年に1度と決めて、定期的にかけていたストレートパーマ。少しずつこの習慣に違和感を感じ始めたのは、大学生になってからだったと思います。自分のお金で美容院に行くようになり、カラーもするようになりました。縮毛矯正を入れると1回に1万円~2万円くらいのお金がかかりましたし、これにカラーをするとなるとかなりの出費でした。「私はこの出費を一生続けていくのかな...」と不安になりました。しかも、自分の髪がストレートになったからといって、自分の理想になっているかといえばそうではありませんでした。だから私は、ストレートにした髪を毎朝わざわざコテやヘアアイロンを使って巻いていました。
そんな違和感を抱えながら過ごす中で、就活が終わったタイミングで「もう縮毛矯正はやめよう」と決めました。明確なきっかけはないのですが、自分のそのままをうまく扱えるようになったら、今よりも心軽やかに生きられるかもしれないと感じたからだと思います。
そこからは、雑誌やSNSを漁って、天然パーマで可愛い人や輝いている人を見つけに行きました。そしたら、日本の方には少ないけれど、外国の方にまで目を向けると、私が可愛いと思うモデルさんにはくるくるパーマが似合っていて、素敵な方がたくさんいました。もし、私がくるくるにもどして、こんな風に可愛く扱ったり、ファッションを楽しめたら...と考えるといつもワクワクしました。私は、そんな風にモチベーションを保ちながら自分の天然パーマを2年かけて戻しました。
ここからがぜひ、お伝えしたいこと。私は、よく人の書いたものや本を読むのが好きなので、その都度自分にしっくりきた言葉を書き留めています。その様々な言葉の中でも、私が天然パーマを伸ばしているときに「これだ!」と自分とも重なって思った、少し自分のコンプレックスに前向きになれる言葉があります。
自分について「醜いかもしれない」という呪縛があるのなら、胸のつかえを取ってくれるような美を探す旅に出てほしい。どこか違う場所、自分に似ているのに異なる時代でチヤホヤされた人・・・似ているのに自信満々で「醜いかもしれない」と疑っていない人を探そう。(省略)美の先駆者を観察して、呪いを解いてくれる鍵を授かろう。
長田杏奈さんの「美容は自尊心の筋トレ」の中の一節です。私は無意識にこの言葉のようなことをして、自分の髪が可愛いんだと自分の中で認められるように、自分に似ていて輝いている人を探していました。
もう1つ、この本の中で心に留まった言葉があります。
審美眼をストレッチし伸びやかな美意識を育むことで、自分や他人の容姿に向ける眼差しもやさしくやわらかくなる。
もっと視野を広くして、様々な美があることを知ると、自分のコンプレックスも美の1つだと考えられるようになるのかもしれません。自分がこれを試したら、自分にとって気持ちが楽になることもありますが、世界中の人がこれを試したら、コンプレックスなんてなくなるようなもっと優しい世界になりそうですよね。
長くなってしまいましたが、コンプレックスを取り除く1つの方法として、自分と同じようなところを持っているのに自信があったり、周りからチヤホヤされている人を見つける、美の視野を広げる旅に出てみること。これは本当に効果があるし、自分のそのままを好きになれるきっかけにもなるのではないかなと思っています。
私も、今はすっかり自分の髪の毛が毛先までカールヘアになったので、カールヘアの可愛いモデルさんを見て、ヘアアレンジを研究中です。