優しいということ

優しさの定義って、なんですかね?
相手の気持ちが分かること?それに応えること?みんなが思う優しさは分からないけど、「私が思う優しさ」は大事にもっておきたい。
そう思った、きっかけの話です。

わたしの長所

手前味噌ですが、私は人の気持ちを考えるのが得意です。
生まれ持っての長所というよりも、環境によって育てられたスキルのように思います。


昔はこれが、圧倒的な短所でした。


とにかく相手の表情の変化に敏感で、
話の途中で自分の主張をやめてしまう
いつだって相手の主張に合わせる
新しい人間関係を作ることも苦手
人に何かお願いすることも
相談することも
失敗することも苦手


とにかく人が怖い。
厳密に言えば、人が不快な表情をするのが怖い。

人の表情に敏感であるがゆえに、

共感性が高く、人の気持ちをもらいやすい
もらいやすいし、くらいやすい


誰かの相談にのると、必ずと言っていいほど自分も落ち込みます。
その内容がヘビーであればあるほど顕著です。


ただ、あることがきっかけで、わたしは人との間に1本線を引けるようになりました。
自分の感情を選べるようになったのです。

相手が必要とするもの

ある日いつものように姉と連絡をしていると、
姉が明らかに感情的になっている事が伝わってきました。


悲しみと、現状に対する怒り。


当時、体調を崩して祖母の家にいた姉は、
思うように働けないもどかしさと、
うまの合わない祖母との関係を処理できず、
飽和状態でした。


それはわたしも、知っていたことです。

しかし、わたし自身も歩合給で不安定な生活だったために、
姉の相談にのること自体、かなりメンタルに響いていました。


姉の感情をいつものように真っ向から喰らい、
わたし自身も悲しい気持ちと、やりようのない怒りに苛まれます。


冷静さを失い、
姉が誰かに対して批判し、なぜ分かってくれないんだとわたしを咎めようものなら、
わたしも姉を批判したい気持ちになりました。


とにかく冷静に返信しようと思っていても、
姉の感情をひとつひとつ喰らってしまいます。
そして、冷静でいられなくなった挙句、明らかに間違えた返答をしてしまったのです。


姉を、傷つけてしまいました。


姉からは、ひと言。
「Haruも、他の親族と同じだったんだな」


一瞬にして姉が遠ざかりました。


間違えた。


姉は、親族の中で唯一わたしを信用していました。
しんどくなったら、必ずわたしに連絡をくれました。


わたしというはけ口を失ったら、姉はこれからどうするのだろう。


怖くなって、すぐにフォローしました。
もはや論理的とは、かけ離れた理由をつけて


とにかくわたしは姉を愛していることを。
姉を否定する目的はなかったことを。
わたし自身も姉を必要としているということを。


とにかく、何度も、何度も、何度も。


結果としてその場は事なきを得ましたが、
その一件からしばらくの間は、
いつもとニュアンスの違うやりとりが続きました。


その後も、姉への連絡は少しも間違えないように、最新の注意を払ったことを覚えています。


その時に分かったのが、誰かを救うために、すべての感情をもらう必要はないんだなということです。

自分がすべて感情をもらってしまったら、大事な人を大事にできなくなってしまうから。

好きな人を好きでいるために

それまでわたしは、とにかくその人がどれだけ悲しかったかを想像し、どんな言葉が必要なのか必死で考え、思いを込めて伝えることが正しいと思っていました。


その分、悲しみも、怒りも、もらい続けてきました。


ただ、今では、相手のためを思う行動は、その限りではないのだと思うことができます。


今、必要とされていることに正対するために。
間違えないために。
優しくあるために。
何より、わたし自身が傷つかないために。


全てに共感するのではなく、

冷静にその状況を読み解く。


相手がいま、「共感してほしい」と思っているのなら
「共感していることが伝わるように」話せば良い


相手は決して、本気で共感されることを必要としているのではなく
共感してもらったという"実感"が必要なのだと


優しさの本質に近づいた気がします。


優しさの定義を、未だにわたしは分かっていません。
でも、わたしの中での優しさは、大事に大事にもっておこうと思っています。


特にそれは、相手にとっても、自分にとっても優しいということ。


自分含め、わたしの大好きな人たちが、もう傷つかない世界のために。


大好きな人を、これからもちゃんと、大好きでいるために。


おわり*

サポートしていただけたら飛び上がって喜びます◎ 差し支えなければサポートして下さった理由なんかを簡単に教えてください* 大事に大事に、次の記事のために使わせていただきますね*