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コミュニケーション能力とは腹芸である

数年前に採用の面談で「コミュニケーション能力には自信があります」と言われたことがある。
聞いた瞬間に心の中で不採用のハンコを連打した。

本当にデキる奴って、そゆこと言わないと思うよ。

コミュニケーション能力なんてのは腹芸のようなもの。
それが求められるのならば下らないと分かっていてもやらねばならぬし、面白くなくても腹抱えながら笑うくらいしないといけない。
照れて中途半端になるのが一番つまらないし笑うに笑えない。

そもそもちゃんとコミュニケーション能力を高めたかったら、その手の本はいくらでも出ているので何冊か読んだらいい。
そのうえで積極的に様々な人と関わる、或いは今までの関わりかたを振り返ることで何を言って何を黙っておくのか、話したほうがいいのか聞いておくべきなのか、さじ加減を学んでいくのが良いとは思う。

ただ、勉強したからといってスイッチを切り替えるみたいにいきなりできるようにならない。
こいつはコミュニケーション慣れてないな、という奴は生まれてからずっとそのコミュニケーション能力で生きてきたので、なかなか変わらない。
そんなすぐには上達しないから、せめて心構えくらいはしときなさいよと言いたい。

その心構えとして、腹芸のように割り切って演じる、というのは丁度良い。
デキるセールスマンとか責任感ある上司とか、良い感じのロールモデルを描いてみて、それをやってみたらいい。
最初は意識しながらだけど、繰り返すうちに自然とできるようになる。

熱心に聞いているふり、熱弁しているふり、形から入るうちに、本当はそれじゃダメだと気付く。
気付いたら腹芸をする必要はなくなる。

それまでは腹芸でいい。

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