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脱皮—新しい自分に出会う勇気—


変化を恐れるのは、私たちの本能なのかもしれない。

慣れ親しんだ環境や考え方は、温かく心地よい毛布のように私たちを包み込む。 
けれど、同時にそれは新しい可能性を閉じ込める檻にもなる場合がある。

自然界で生きる蛇や昆虫たちは、古い皮を捨てて成長する。
その瞬間はきっと痛みを伴うだろう。
狭い世界を抜け出すには、時には勇気が必要だ。

そして、脱皮した後には、眩しいほど新しい自分がそこにいる。

古い殻を脱ぎ捨てる。

それは、成長するすべての命にとって避けられない瞬間だ。

蛇がその皮を脱ぐように、
私たち人間も生きる中で何度も「脱皮」を経験する。

でも、脱皮は決して楽ではない。
古い殻は、長い間身にまとっていたものだから。
それは慣れ親しんだ場所や役割、あるいは今までの自分自身そのものかもしれない。
壊すには痛みが伴うし、不安や恐れもつきまとう。

私が初めてその「脱皮」を意識したのは、中学2年生から3年生になる頃だったかもしれない。

父親の転勤で、引っ越しをしたのだ。

引っ越し先は同じ県内ではあったが、それでも2時間弱離れているところで、引っ越しと同時に転校することになった。
慣れ親しんだ土地や学校、仲良しの友達とお別れして、新しい環境に飛び込まなければならなかった。

その後も色々な場面で自分の中の「殻」を破るときがあった。

親元を離れて一人暮らしをするとき、
初めて学生から社会人になるとき、
未経験の職種へ転職するとき、
結婚して嫁ぐと決意したとき、

辛い出来事を乗り越えたとき、

そして、
小さな命を授かり、出産したとき。

母親として、そして一人の人間として、私の心は新しい形に変わっていった。
その時はまるで、未知の世界へ飛び込むような感覚だった。

「殻」を破るとき、
変わらない自分を手放すことが怖くて、何度も立ち止まりそうになった。

けれど様々な経験が、私に「生きること」の意味を問い直す機会をくれた。

振り返ると分かる。
脱皮をして得られるのは、ただ新しい「外見」や「役割」ではない。
本当の意味で強くなり、自由になることだ。

脱皮をした後の蛇は、さらに美しい模様を持つ。
そして私たちもまた、脱ぎ捨てるたびに、もっと自分らしい姿を見つけられる。
苦しみの中で手に入れるその瞬間は、きっと何にも代えがたいものだ。

今、あなたの心には脱皮の兆しがあるだろうか? 変わらなければならないと感じる瞬間が、どこかにあるかもしれない。
それは苦しく、不安に満ちたものかもしれない。でも、その殻を破るたび、あなたは新しい自分に出会う。

次の一歩を踏み出すのを迷っているなら、思い出してほしい。
脱皮を恐れない命たちは、その先にある自由と美しさを知っている。
あなたもきっと、次のステージに進む準備ができている。

脱皮は終わりではなく、始まりだ。

殻を破ったその先には、未知の光景が待っている。
勇気を出して、次の自分に出会いに行こう。


脱皮の瞬間は苦しい。
過去の自分を手放すのは簡単なことではない。
でも、その先にある光景を知っているからこそ、人は何度でも新しい殻を求めて進んでいける。

あなたの人生にも、きっと「脱皮」の瞬間が訪れる。

古い殻に閉じこもるか、
それとも勇気を持って踏み出すか、
選択はいつも私たちの手の中にある。

新しい自分に出会うための第一歩を踏み出そう。その先には、きっと今まで知らなかった世界が広がっている。

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