児童書と一般書のちがいは島耕作が教えてくれた

なんか、ひどいタイトルですみません笑

児童書作家のみずのまいと申します。
2010の3月におねフェアシリーズでデビューしました。というわけで今年はデビュー&おねフェア15周年だ!

https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/4074.08.html


まあ、そこは置いておき。
児童書作家3年目ぐらいのころに、大人と子供のちがいって何だろうってよく考えるようになったんです。
作家って起承転結以外に、たまーにこういうことを考えちゃうことがあってその時におぼろげでいいから答えを出さないと前に進めなくなるんですよね。
当時、自分が出した答えはこれでした。

子供=自分の気持ちをわかってほしい
大人=自分の気持ちなんてわかってもらえなくてあたりまえ。人の気持ちも、本人じゃなきゃわからない

年齢に限らず、人の気持ちはその人にしかわからない。
って考えが普通にできると大人で、できないと成人しても子供だなあって自分なりに定義したんですよ。


その時、じゃあ、児童書と一般書の違いってなんだろうって考えたら、10代のころに読んだ島耕作シリーズのあるシーンがパッと思い出されたんです。
何巻かは全くわからないです(巻が多すぎ)
島耕作がだれか女性と夜、腕を組んで歩いているシーンです。
その女性が……思い出せないんだけど(耕作、彼女多すぎ)たぶん大町久美子か京都の料亭の女将さん、(鈴乃さんだっけ??ごめん、名前がちがうかも)のどちらかのような記憶があります。

女性「わたし、自分にうそばっかりついて生きてます」
耕作「はは(笑い声)  おれもさ」

なんてことのない会話なんだけど、10代で読んだ自分はちょっと衝撃だったんです。
だって、ジャンプとかじゃこの会話、絶対にないじゃん!
例えばダイの大冒険でやりますよ!
ダイ「ぼく、自分にうそばっかりついているよ」
レオナ「わたしもよダイくん!あはは」

何かちがうでしょ?!

ドラえもんでもやってみます
のび太「ぼく、自分にウソばかりついているよ」
ドラえもん「あー、そういうもんだよ、のび太君。うふふふふふふふ」

これも微妙にちがうでしょ?!

小中学生が読む漫画って「自分に正直であれ」がテーマなんですよ。
もちろん自分にウソばかりついている自分を卑下する主人公はいます。
(最近はこのパターンが多い気がします)
だけど、耕作とその彼女は「あーそんなことはよくあることさ、普通だよ、あははっは」って卑下も悩むもないわけで。

つまり、小中学生が読む漫画に、主人公と主人公のパートナー的ポジションのキャラが自分にウソをついて楽しそうに笑い合っているなんてシーンはないんですよ。


これが児童書と大人向け(一般書)のちがいかーとみずのは思ったのです。
そんなことを思った時からもう10年以上は経ちました。
わたしはしょっちゅう考えが変わるんだけど、これに関してはめずらしく変わらなかったなー。

ただ、そんな話です。
noteがお年玉キャンペーンをやっているらしく、まいぽんの有料ノートも載せておくね。


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主人公の結ちゃんはめっちゃ自分に正直です。



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