【2023年最新版】おすすめのモニタースピーカー【DTM】
アノニマスDTM編集部でございます。
前回の記事ではおすすめのモニターヘッドホンをご紹介しましたが、本記事では筆者が厳選したおすすめのモニタースピーカーTOP3をご紹介します。
【TOP3】 YAMAHA HS7
「王道が来た」と思われるかもしれませんが、筆者の知る限り、HS7は有能なモニタースピーカーです。
シリーズ中、一番コンパクトなHS5は高音のシャリ感が強く、低音が弱いです。良い意味で言えばスッキリした音質ですが、物足りなさはあります。
音色や定位の変化を敏感にキャッチして、忠実に再現できるのがHSシリーズの売りですが、HS5とHS7は全く別物のサウンドです。
HS5、HS7、HS8までは1インチドームツイーターを搭載しており、高音域のフリケンシー感度が高いです。HSシリーズのスッキリとした音質はこれが理由もあるでしょう。
しかし、HS5を聴いたあとにHS7を聴くと、低音のふくよかさと、耳を突かない高音の鳴りに驚きます。2インチ大きくなるだけで、こんなに変わるものかと、構造を疑うほどです。何度も聴き比べましたが、やはり別物!
ウーファーのサイズが大きくなったことにより、 HS5よりも低音の表現が豊かで、ダイナミックレンジも広いです。
ニアフィールドモニターとして使うには少々オーバースペックですが、HS5よりはHS7の方がモニターの精度は高いです。
補足ですが、サブウーファーのHS8Sがあると、低音の音像がより鮮明になります。
音量を上げて、200Hz以下の超低音域をモニタースピーカーで出そうとすると許容レベルを超え歪んでしまいます。
音量を上げても、正確に低音をモニター出来るのがサブウーファーの良いところです。
HS8Sのフリケンシー感度は-10dBでの出力時で22Hz-160Hzとなります。ローカットとハイカットは、それぞれ80Hz-120Hzの間で調節できます。
低音の情報量が増えると、その分ダイナミックレンジも広くなります。情報量が増えるとミキシングがし易いと思われがちですが、それはあくまで「ミキシングの知識がある人」に限った話で、コンポーザーのモニター環境では正直あってもなくても良いと筆者は考えてます。あと、防音対策もしなければいけませんので、手間が増えます。
【TOP2】FOCAL ALPHA EVO 50
Focalの安価ライン、EVOシリーズの5インチサイズです。安価と言っても、リリース当初より大分値上がりしてると思います。
筆者がまだ現場で働いていた頃はもっとお買い得だったと記憶しています。
FOCALと言えば、ラジエーターを搭載したSHAPEの方が知名度としてはポピュラーでしょう。中音域〜高音域にかけて、音像がとても高く、冷たくシャープな音質が特徴です。
EVOはモニタースピーカーでは定番のバスレフ型となりますが、図体のデカい筐体からは想像もつかないクリアな音質です。
SHAPEに比べると低音はよく出ますが、少し暖かみのあるサウンドです。個人的にはSHAPEがシャープすぎる分、バランスが良いと感じます。
一つデメリットを挙げるなら、筐体がデカすぎます。というより奥行きが長いので、スペースはそれなりに空けておかないと配置が難しいです。
スペースに余裕があるなら卓上、あるいは床置きタイプのスピーカースタンドを置くのが無難ですが、EVOシリーズは筐体の大きさゆえ、丁度良い天板のスタンドが見つからないと悩まれる方も多いです。
床置きタイプならZaorのMIZAがおすすめです。天板が横30cm、縦30cmのため、 EVO50でも余裕があります。
【TOP1】GENELEC 8020D
文句なしの1位はGENELECの8020です。筆者の愛用スピーカーでもあります。4〜5年はこの子を使っていますが、エイジングによる音質の劣化もなく、常にベストなモニターサウンドを届けてくれます。
デスクトップモニター向けのリファレンス設定、各音域の感度調整も可能です。入力端子はXLRのみです。
一定時間、入力信号を確認できない時に自動でスタンバイモードに切り替わるISS機能も搭載されています。
出荷時にはゴム脚が既に取り付けてあるので、音が下に逃げず、定位が崩れません。
GENELECのスピーカー全体に言えることですが、低音の出方がとても綺麗です。ドンシャリすぎず、ローエンドにもきめ細かさがあります。
スピーカーから耳までの位置間隔が近い場合(モニターは使わずに、PCの左右に置くなど)、ワンランク下の8010でも十分でしょう。
画像だと分かりづらいですが、8010はめっちゃ小さいです。ウーファーは105mmなので、3〜4インチ程度の大きさです。IKのMicro Monitorと良い勝負かな。
ショルダーバッグにスポッと入るレベルです。とは言え、最大音圧レベルは105dBと、大音量でのモニターもやってのけますので、持ち運びが出来る点は、出先で使いたい方には良いですね。
筆者のワークデスクです。
8020は8010と8030の中間に位置する大きさで、スペースもそこまで必要としません。最上天板にモニターがあっても、左右の微妙な空きスペースに難なく配置出来ます。
「8010だと小さすぎるので、もっと大きいのが良い!!」と思う方もいるでしょう。その気持ち分かりますよ。モニタースピーカーって大きい方が見映えが良いですもんね。どちらかと言えば、筆者も見た目から入るタイプなので、その気持ちは分かります...。
8030はある程度大きい音量でモニターすることを想定して使わないと、ニアフィールドとしてはオーバースペックすぎます。
諸々考慮すると、8020はあらゆる面でバランスが良く、自宅のモニター環境を確実にレベルアップしてくれます。サイズにこだわりがある人にも納得いただける大きさだと思います。
TOP3に絞るのは本当に難しかったです。
ヘッドホンも同様ですが、スピーカーは上を見れば切りがないのと、クオリティーを追求し出したら電源やケーブルもこだわる必要があります。
変に背伸びはせず、今の環境で予算に合ったベストなスピーカーを選ぶことが大事です。