【DTM】作曲が難しいと感じる人はサンプリングで作ってみ?
アノニマスDTM編集部でございます。
作曲が思うように出来ないとお困りのDTMerさんに、音楽理論や楽器経験がなくても簡単に作れる作曲方法をご紹介します。
それはズバリ、サンプリングです。
サンプリングとは
既存の音源をカットしたり自分流の音作りに仕上げたものを繋ぎ合わせていく作曲方法です。DJの人は馴染み深いワードかもしれません。
すぐに使える既存音源には、DAWのサンプル素材やネット上のフリー素材が挙げられます。
サンプリングは直感で作れるため、コードや理論は不要ですが、非常にセンスが問われます。
これと言ったルールはありませんが、作る上でのちょっとしたコツや注意点を書きます。
メインとなるビートは使い回す
DAWには色んな小節数の音源サンプルが用意されており、音作りもそれぞれ異なる仕上がりです。中でもビート選びはとても重要です。極端ですが、1小節ごとにビートが異なるリージョンを想像してみてください。結構カオスですよね。
アレンジがよほど上手い人でない限りは良い組み合わせとは言えません。でも、4小節のうち、4小節目だけ異なるビートの場合は、フィルインとして聴けるため自然な仕上がりになります。
一つのビートを使い回すことは、一貫性を持たせる意味でも重要です。
メロディーはなくてもOK
サンプリングはメロディーがなくても成り立ちます。むしろない方がかっこよく仕上がる場合もあります。
ビートと低音以外のパートならSE、アンビエンスなど雰囲気系のサウンドは積極的に使っていきましょう。キーに直接影響を与えないサウンドは好きなタイミングで挿入出来ます。サンプリングでは、パターンは無限大です。
低音に関してはワブルベースやサブベースを組み合わせてどぎつくするのも良いですし、王道のエレキベースをボンボン鳴らしてもスマートです。
ビートとSEの組み合わせで構成されたハード系クラブミュージック。攻撃的な音作りと、ステレオワイドな聴き心地が特徴のトラックです。
ワブルベースとコードの掛け合わせが絶妙にドープなトラックです。メロディーというメロディーがなくとも、上手くコードを詰め込めばエモさも表現出来ます。
サンプリングを上手く使えば、紹介したようなトラックも作れます。
ドラムンベースというジャンルはビートサンプルをカット&ペーストしたサンプリングがよく用いられます。特徴はリズムが複雑に聞こえる、テンポが速い等です。
こだわる人はキック、スネア、ハイハットなど、ドラムの各パーツ素材から選定するところから始めます。
筆者がサンプリングで制作したドラムンベースを軸にしたトラックです。打ち込みは一切行ってません。参考までに。
プチプチ音の処理は忘れずに
トラック領域を途中でカットしたり、縮小すると尻尾部分にプチプチ音が発生する場合があります。その際はオートメーション、フェード、ノイズ修正プラグイン等で解消しましょう。
全トラックの再生中は聴感上で気にならないですが、ソロで聴くと「プチ」っと耳障りに感じます。処理をしない状態で2mixの音圧を上げると、聴感上でプチプチ音が聴こえてしまうこともあります。
トラック毎に処理するのが一番安全ですが、万一2mixの段階でプチプチ音が聴こえてしまう場合は、iZotopeのRX Standardを使うことで解消出来るかもしれません。
過去記事もよろしければご参考ください。
著作権への配慮
ネットへのアップロード、楽曲提供等を前提として既存のサンプルを使う際は、提供元の利用規約をよく確認してください。
例えばLogic Pro X内のサンプルを使う場合は、Apple、CubaseならSteinberg(国内代理店はヤマハ)などなど。
ビートや低音のサンプルは基本的に問題ないですが、メロディーのあるサンプルは少々厄介です。
アップロード先がYouTubeの場合、同じメロディーサンプルを使ったトラックが既に上がっていると、アップロード時、著作権の申し立てに引っかかる可能性があります。
システムの判断基準は不明ですが、利用規約に沿って正しく使っているなら異議申し立てをしましょう。
過去記事もご参考ください。
ネタ集めから始めても良い
DAWのサンプルだけでは足りないという人は、フリー素材サイトから好みのサンプルをダウンロードしましょう。
過去記事でおすすめのサイトをいくつか紹介しています。
主に海外サイトのため、英語が苦手な人は、利用規約を読む際にGoogle先生や翻訳ツールを活用してください。
既存曲を使う場合は、カバーアレンジ、リミックスにも挑戦してみてください。完成したらネットにアップロードして、リスナーの反応を見てみましょう。古いクラシック楽曲などは、著作権が消滅してるものが多数あります。
著作権のある既存曲でも、商用利用に使わなければカバーアレンジやリミックスも許容される場合があります。
最後に
サンプリングは音楽理論や楽器経験がなくてもチャレンジ出来る作曲方法と冒頭で書きましたが、決して難易度が低いわけではありません。
正確に言えば、自分から難易度を上げていく作曲方法と言えます。既存のビートサンプルをそのまま使うのは簡単ですが、音作りまでこだわり出すとそれなりに時間を要します。
作業をしていると、色々サンプルを詰め込みたくなりますが、メリハリを付けないと後でミックスバランスやヘッドルームの確保が難しくなりますので、最初は少ないサンプル数で挑戦してみるのが良いでしょう。
それではみなさん、良いDTMライフを。