『3～4年周期で』 №202【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ

去年のある日、長年お世話になったエレクトーンからドレミではなく「ボーーー！」という騒音だけが出るようになった。もう楽器としての機能がなくなったので思い切って手放したら、1畳ほどのスペースができ片付けに弾みがついた。

するとなんの化学反応が起こったのか、捨てるのは「穴の空いた靴下でも嫌がる」ダンナまで、自分の部屋を片付け始めるという奇跡が起こった。
「ど、どうしたの？　何ごと？」
聞くと、ダンナがボソッとこう白状した。
「絶対に信じてもらえないとは思うけれど・・・俺もさすがに自分の部屋が汚いと思い始めた」
うそ～ん。
「俺、3～4年周期で片付けブームがやってくるんだよね～」
ひょ～っ！　なにそれ。はーつー耳～！　前回はコッソリ過ぎて気がつきませんでしたけど～？　

※

「3～4年周期でブームがやって来る」
それ以外は知らんけど、やらんけど、ほっとくけど、あとはお察しくださいという意味を含んだこの言葉は、応用力抜群。

「2～3日周期で掃除ブームがやって来る（1～2日は掃除しません）」
「1～2週間周期でダンナのお小遣いで外食するブームがやって来る（ダンナのお小遣い以外では外食しません）」
「休日は、1年周期で早起きブームがやって来る（休日は気が済むまでゆっくり寝ます。あとはよろしく）」

超使える「いい訳」を手に入れた。
悪くない。