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中学生の子供に伝えたいネットリテラシー


スマホが欲しくなったら

時々、スマホが欲しいというようになったあなた。
小学校高学年くらいから、スマホを持っているお友達も増えてきたから、気持ちはわかります。

あなたはもう、お母さんのPCやタブレットで、ScratchをしたりYouTubeを見たりして遊んでいるから、インターネットには触れています。
でも、スマホを持てば、自分から発信することが増えるようになるでしょう。

学校でも「ネットリテラシー」については習っているようだし、親にも講習会の案内が来ていますが、それだけでは足りないと思っています。
この機会に、お母さんが「ネットの付き合い方」について、何が必要だと思っているのかを聞いてください。

インターネットを使う時、重要なこと

何でも鵜呑みにせず、自分で調べることが一番重要です。

正しいことが書いてあるわけじゃない

お母さんが小さい頃、本や新聞のように「活字になっている文章は正しい」という考え方がありました。
現在だと、「Wikipediaに載っている情報は正しい」に近いですが、どちらも誤りです。

どれも人が編集している情報なので、誤りが含まれる可能性があります。
また、時の流れにより情報が古くなり、結果的に正しくなくなることもあります。

ネットには大量の情報がありますが、それを鵜呑みにしてはいけません。何かを調べる時は、必ず「裏を取る」ことを習慣づけ、「この情報は誰が発信したのか(ソースはどこか)」を考える癖をつけなさい。
「この人が書いていたから」で信用してはいけません。そういう人は、「情弱(情報弱者)」と呼ばれます。

お母さんが今ここに書いている内容が正しいかどうかも、疑った方がいいですよ。「お母さんが書いたから正しい」は、判断の根拠としては間違いです。
そもそも、この文章を本当にお母さんが書いたという証拠がないでしょう?
深く考える習慣をつけなさい。あなたの頭は、帽子の台じゃないんですよ。

ネットに書いたものはずっと残る

インターネットにアップしたものは、基本的にずっと残ると考えましょう。「デジタルタトゥー」という言葉を知っていますね?

他人に見られたくないものは、ネットにアップしてはいけません。
たとえそれが個人同士のSNSメッセージのやり取りであっても、スクショしてネットにアップすれば皆が見られます。
「この人はそういうことしないから大丈夫」ではなく、そうできる可能性がある時点で、やってはいけません。それが「リスク管理」です。

ネットの向こうには他人がいる

他人に見られてもいいかどうかを判断する時も、少し考えましょう。
例えば学校で嫌なことがあって誰かに聞いてもらいたい!という時、それをネットに書くことは適切だと思いますか?

あなたはその時「書きたい」かもしれません。でも、書きたいものを何でも書いて送信していいわけではありません。
それを他の人が読む可能性があるからです。
あなたの「書きたい」気持ちは、大事にしてください。ただ、他人を無視してまで優先されるものではないかもしれない、ということを忘れないで。

送信する前に、これを実名で書けるだろうか、これを読んだらお母さんはどう言うだろうか、ということを考えなさい。
吐き出したいだけならチラシの裏にでも書いておけ、と昔はよく言いました。自分の感情を他人にぶつけてはいけない、ということを忘れないでください。

ちなみに、そういうことをしている人がいたら、すぐブロックしなさい。見えないものはないものと同じです。
快適なネット環境を守るため、ブロック機能を活用することは重要です。

顔の見えない他人を信用しない

基本的に、ネットにいる人は「顔の見えない他人」です。
親切に見えても信用してはいけませんし、本人が「僕も中学生だよ」と言ってもそれが正しい保証はありません。いい人でない可能性もあるのです。
それを絶対に忘れないでください。

ただし、過剰に警戒する必要はありません。文章から伝わる個性というものもありますから、見抜くスキルを磨くといいでしょう。
実際、お母さんとお父さんはインターネットをきっかけに出会い、結婚しました。そういうご縁も生まれるのが、ネットの面白さです。

個人情報を流さないためにはどうしたらいいか

ただ単に、本名・住所・電話番号を書き込まなければいい、ということではありません。

アンケートにはウソを書いてもいい

個人情報を入力してください、というアンケートが出たら、無視しなさい。
もしくは、ウソを書きなさい。本当のことを書く必要はありません。
素直であることは美徳ですが、インターネットはそれを封印してください。

ネット通販やアカウント作成の場合は入力が必要ですから、お母さんに言ってください。

写真や投稿に位置情報を含めない

スマホの写真設定で、「位置情報を含めない」を選択しなさい。
SNSにも、自分の投稿に位置情報を含める設定があるものがあるため、注意しましょう。

新しいアプリを入れたら、「位置情報を許可しますか」などの質問が出ますから、読み飛ばさず確認してください。
わからない時は、いったん「許可しない」を選び、アプリの使用に支障が出たら、お母さんに聞きなさい。

テロリストがSNSにアップした写真から、位置情報を割り出して爆撃する時代です。「誰も見てない」は通用しません。

アカウントに利用するメールアドレスは限定する

アカウントを作成する時、メールアドレスを含む個人情報が必要になりますが、これはよく流出します。ニュースになるのは氷山の一角です。
普段使うメールアドレスとは別のものを利用した方が良いので、アカウントを作成する時はお母さんと一緒に設定しましょう。

流出すると、すぐ「お金をもらって下さい」「僕アイドルの〇〇です。△△さんですか?」「危険!あなたのクレジットカードが不正利用されました」といったメールが届くようになるので、すぐわかります。
これらはすぐに削除してください。リンクをクリックしてはいけない、と学校で習いましたね?

公衆Wi-Fiに接続する場合は、個人情報を送信しない

モールやお店などで、無料Wi-Fiの表示があります。これを使うと、例えば家の外でもSwitchのオンライン機能で遊べるようになります。

とても便利ですが、これに接続する時は、基本的に、送信した情報を他人が見ていると思ってください。
そこに接続している間は、絶対に個人情報を送信してはいけません

Wi-Fiの仕組みは前にも話しましたが、検索してしっかり理解しましょう。
自分が今どの通信に接続しているのかが把握できていないと、これを守ることができません。

広告を押さない

最もウィルスが入ってくるのが、広告です。絶対押さないでください
ブラウザの拡張機能も危ないものがあるので、もしインストールしたいものができた場合は、お母さんに確認してください。

他人の情報にも気を付ける

家族の個人情報(勤め先や学校を含む)についても、書いてはいけません。他人や、他人のアカウントが映っている写真をアップしてはいけません。
本人に了承をもらったとしても、それだけでは不十分です

他人のことには触れないのが一番安全ですが、そうする必要がある場合は、フェイク(嘘)を混ぜて書いたり、写真加工アプリでぼかしたりしてください。

スマホを持つ上でのお約束

プライバシーとセキュリティ

プライバシーは重要です。しかし、セキュリティはそれに優先されますので、未成年の間はあなたの履歴は親が共有します。

何故なら、あなたがPCをウィルスに感染させたり、自分の個人情報を流出させたりした場合、家族も被害を受けるからです。
もちろん、親としても子供が被害に合わないよう、そして年齢に相応しいゾーニングやレーティングが機能するよう、見守る必要があります。

ゾーニング:特定のコンテンツを年齢や属性に応じて区分けすること
レーティング:コンテンツに年齢制限などの等級を付けること

どちらも、青少年を守るための仕組みです

うっとうしいと感じることがあるかもしれませんが、何もなしでネットに放り出すと炎上する危険性があります。
そうなった時、本人や家族がどうなるかは、「炎上」で検索してみてください。

自分の頭を使いましょう

インターネットはとても面白いですが、スマホやタブレットだけでアクセスしていると、非常に受け身になりやすくなるように、お母さんは感じています。
流れてくる情報を、口を開けて飲み込むだけの人にならないでください。

できれば、スマホだけでなくPCも使って、自分から発信できるようになってください。
例えば、自分でWikipediaを編集してみれば、「これはどこからともなく生まれた辞書じゃない」「ここに載っている情報がすべてじゃない」ということがわかりますし、同時に編集・運営してくださっている方への感謝が生まれ、世界が広がるでしょう。

ちなみに、インターネットの知識を悪用しようとしてもバレます。
今は「Wikipediaを参考にレポートを書いてくれるAI」「Wikipediaを参考にAIが書いたレポートを見抜くAI」などもある時代ですからね。
メインとなる自分の頭を活用するため、まずは学校の勉強を頑張りましょう。

スマホが欲しければ頑張って

インターネットの海を安全に渡り、楽しむためには、知識と注意が必要です。また、そこにいるのはあなただけではないので、配慮しなければなりません。
それを忘れなければ、あなたの人生はより楽しくなるでしょう。

ただし、いつからスマホを持っていいかは、お父さんやお母さんとの相談次第です。本体や通信代は無料ではないですからね。
どうしても今すぐ欲しい場合は、お母さんにプレゼンしてください。出来が良ければ、一緒にお父さんを説得してあげます。

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