横縞 拾七

乖離。


そう、彼女の精神は乖離していたのだ。

彼女の肉体の名前は「夢」。


「夢」は、度重なるストレスの重圧に押し潰され、心の奥深い闇の底へ沈んでいったらしい。

もう何年も、「夢」が表に出て来た事はないという。


だが、「griffin」は「夢」が持ち得なかった「憎悪」の感情を支配していた。

常に、主人格「夢」を貶めた奴等への復讐に捕らわれていた。

人間不信。

周りの全て人間に敵意を剥き出し威嚇していた。

職場の人。
主治医。
担当カウンセラー。
恋人。
家族にさえも…。

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