母乳育児②〜それは明らかな拒否だった〜
退院して数日後の夜間授乳のこと。
まず母乳を吸わせ、そのあとミルクを補う。
母乳のときは毎度泣かれるが、この日は少し違った。
泣いて、私の体を押し返してきた。
初めての全力拒否だった。
何度試そうとも、咥えてすらくれなかった。
「なんでよ!何がダメなの?!」
涙とともに溢れでた叫び。
連日の細切れ睡眠による疲れ、慣れない育児による不安。
そこに母乳完全拒否。
“もしかして、母親として認識されていないのでは…?”
我が子に母乳を拒否されることは、自分の全てを否定されたと感じるほど、悲しいことだった。
結局その時は母乳を吸わせられず、夫がミルクを用意して飲ませてくれた。
その更に数日後の2週間健診では、乳頭保護器を使わずとも上手に吸えるようになっており、生後2ヶ月になる頃には完全母乳に移行することができた。
全力で母乳を拒否されたのは、その一回きりだ。
理由はわからない。
その後も様々なトラブルはあるが、あの時ほど辛いことは、今のところない。