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テレビはホントに偏向報道してるのか。
「テレビは偏った報道しかしないから見ない方がいい」と何年か前から耳にすることが増えた。
私もしばらくはそうなのかと思っていたんだけど、最近そういった考え方を少し疑問に思うようになった。
というのも、新聞屋で営業していたときに断り文句としてよく聞いた「テレビニュースや新聞は偏った内容しか報道しないから、ニュースなどの情報はネットで見るようにしている」という話をふと思い出して、何か引っかかったから。
ネットはたしかに便利である。
いつでもどこでも情報にリーチできる。何なら情報過多になって脳疲労を起こすほどだ。
ただ、ネットで得てる情報が偏ってないという根拠もどこにもない。
というよりも、ネットで得てる情報こそ疑ったほうがいいのではないだろうか。
インターネットでは、各自利用者の検索履歴や頻度などに基づいた関連記事を出してきたり広告を出している。
例えば、『レッドウィング』のブーツについてちょっと調べようものなら、ネット上に表示される広告はブーツ関連の広告で溢れかえる。
同じような経験をしたことは、きっと誰でもあると思う。
知らぬ間に検索データを利用されているということになるので、気づかないうちに利用者好みの情報が集まるようになる。
これってつまり、ネット上の空間は利用者の思考や好みに寄った情報ばかりになるということなので、これこそが『偏った情報そのもの』ではなかろうか。
X(旧Twitter)に蔓延る陰謀論者や、ネトウヨと呼ばれる人たちの過激な意見が目立つのは、巧みな導線づくりから引きずり込み、インターネットのアルゴリズムによって繰り返しぶっ飛んだ思想を目にし続けることで知らず知らずのうちに胡散臭い話を信じてしまうからじゃないかと思う。
トンデモ医療なんかも同じで、最初はどこか胡散臭いと思っていても、ちょっと気になってあれこれ調べてるうちに信じ込んでしまう。
テレビが偏ってないという根拠もないし、完全にテレビを肯定するわけではないが、ネットの情報だけを鵜呑みにしている人もかなりの危機感を持った方がいい。
それぐらい人は簡単に騙されるし、デタラメな情報は世の中に溢れかえってるから。