身も蓋もない話。
A男:「コーラって美味しいよね」
B子:「いや、サイダーの方が美味しいよ」
C太:「いやいや、夏はやっぱりポカリだよ」
D美:「うーん、人それぞれだよね」
私はこの中の「D美」のタイプが大嫌いだ。
A〜Cまでの会話を見てもらえばわかる通り、この会話には何の中身もない。
日常の雑談なんて大抵がこのレベルだ。
特に仲が良いわけでもないような人とこういった会話をするのはやや難しい。
どちらかが様子を伺いつつ、どちらかの意見に擦り合わせていかない限り落とし所が見つからなくなるから。
ただ、ある程度の気心知れた仲でなら、こういった会話が本来は楽しいものになるはず。
お互いの好きを熱量込めて主張しつつ、他者の意見にも耳を傾ける。
中身も生産性もないけど、お互いの意見交換をすることで、今までの自分にはなかった価値観が得られるようになる。
コーラ、サイダー、ポカリ。
冒頭のA〜Cの会話で、それぞれが好きなものを主張している。
この会話が盛り上がってくると、なぜコーラなのか、なぜサイダーなのかという理由を添えたディベートが始まるはず。
なんだけど、Dみたいなタイプがそこにいると「それってあなたの感想ですよね」というひろゆきのような身も蓋もない話で終わらせようとしてくるから困ったものだ。
そう。コーラだろうがサイダーだろうがポカリだろが好きなものは人それぞれちがうんだよ。
それを今、みんなで楽しくお互いの好きを語ろうとしてるところに水を差すんじゃないよ。
この会話で盛り上がるつもりはありませんよっていうなら、テキトーに聞き流す感じにして、興味がない雰囲気を漂わせればいい話なのに、なぜそうも人の気持ちを逆撫でするような言動をするやつがいるのか。
そして、この類のやつは決まって自分の好きだけはめちゃくちゃ主張したがる。
結末なんてなんだっていいし、何の生産性もない会話を楽しめる大人の余裕は常に持っていたいものだ。