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慢性期脳卒中者に対するCI療法の効果 ~代償動作との見極めは?

こんにちは!
理学療法士をしているyukiです。

脳卒中後の上肢リハビリテーションで、上肢や手指の機能回復に難渋するケースは少なくないと思います。

その理由に下肢筋群と比べて上肢筋や手指の動きに関する筋肉はより細かい筋肉も多く、運動司令がより細かくなることが理由の一つにあげられます。

これら上肢機能の回復には、Constraint-Induced Movement Therapy、訳してCI療法と呼ばれる治療があります。

この治療では麻痺側を集中して使用するプログラムが組み込まれています。

脳卒中治療ガイドラインでも高く推奨されたことがある治療法であり、上肢の機能回復に期待がされています。

本日の内容は、そんな治療法に関する論文を1つ深掘りして理解を深め上肢機能回復への知識構築と治療法の1案になればと思っています。

本日紹介する論文です↓


論文雑誌は、Neurorehabilitation and Neural Repairで、雑誌の影響力を示すImpact Factorは3.982となっています。

今回はスライドで単的にまとめてみました!

いつもよりかは少し見やすくなっていると思います(笑)


CI療法についての先行研究

脳卒中の亜急性期および慢性期における有望な治療法として、拘束性運動療法(CI療法)があります。
CI療法では、起きている時間の大半で非患側上肢を拘束し、麻痺側上肢で課題を行う治療法であり、CI療法で見られる機能改善のメカニズムは、神経レベルでも行動レベルでもよくわかっていないのが現状のようです!

CI療法後の対象者は麻痺側上肢をより正確に制御できるようになったのか、代償戦略を学習しているのかが臨床的な疑問点のようで、その辺は定かでありません。

CIMT に関するこれまでの研究の問題点をまとめると以下のようになります。

・自己報告式の質問表や機能尺度が用いられており、運動機能の回復による改善と代償動作による改善を区別することができていない。

・CI療法の大規模な無作為化対照試験における主要結果は、患者の質問表(Motor Activity Log)と、時間制限のある課題と強度の課題を含む上肢機能テスト(Wolf Motor Function Test)であったこと

・慢性脳卒中者の上肢機能障害評価に対するCI療法の効果を研究し、一般的には上肢のFugl-Meyer評価(FM-UE)が用いられていたが結果は様々であったこと。

上記のように、これまでの研究における問題点として、

・質問指標が多いこと
・本質的な機能改善か、麻痺側の代償的な動作による改善かがわかっていない
・FM-UEがこれまでの運動機能評価でよく用いられているが、その結果は様々で一定していないこと

これらのことから、本論文では真の回復なのか、代償的な動作によるものなのかを評価バッテリーに工夫をしています。

更に、運動学的分析を含んだ研究では、脳卒中後麻痺側上肢の運動障害を客観的かつ定量的に詳細に測定することができ24、運動パターンの微妙な違いも検出して定量化することができるため、この治療法のメカニズムを理解する上で非常に重要であるようです!



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