歴史・人物伝~番外コラム:大河ドラマ「青天を衝け」いよいよ明治編へ
オリパラのせいで飛び飛びの放送になっていた大河ドラマ「青天を衝け」は、いよいよ明治編へと入っていきます。渋沢栄一の名が全国区になるのは明治になってからで、ここからが渋沢の真骨頂ともいえる活躍が見られそうで、とても楽しみです。
江戸時代の渋沢は、自分のまわりで起きる様々な出来事に対し、順応していく柔軟な考え方を持っていました。幕府に批判的な立場だったのに最後は幕臣になったり、熱烈な攘夷主義だったのにパリ留学に随行したり。当時の日本人からすれば「変節漢」と言われても仕方ありません。
明治になっても「変節漢」ぶりを発揮し、幕臣だったのにもかかわらず、請われて明治政府に出仕します。渋沢の信念は「自分に合っている仕事であるならば、どんな立場であっても関係ない」という点にあるでしょう。その意味では「一本筋が通っている男」だったのかもしれません。
これまでの歴史ドラマは、武将や政治家、革命家を中心に描かれてきました。そこにあるのは「戦い」であり、結末には勝敗がつきものです。敗れた人物が逆転勝利を得たり、栄華を極めた人物が哀れな末路をたどったり、そんな劇的な展開を描いたドラマが多かったと思います。
渋沢も明治になってから、経済人として様々な「戦い」に明け暮れていきます。ただ、そこには「渋沢の一人勝ち」という概念はありません。仮に負けたとしても、西郷隆盛のように自決するようなこともなく、次の機会に向けた挽回のための手立てを考えていきます。
渋沢が後世に「日本経済の父」と呼ばれるような人物に、どうやって成長していくのか。彼を取り巻く大隈重信、伊藤博文、岩崎弥太郎らを個性的な役者さんが演じるので、今後のドラマの展開が楽しみです。ようやく、オリパラに邪魔されず毎週見ることができますし・・・(笑)
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