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歴史・人物伝~番外コラム:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」日本一の大天狗と言われた後白河法皇

5日放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、朝廷の最大権力者だった後白河法皇の崩御の場面がありました。30年以上の院政を通し、平清盛や源頼朝といった武家の新興勢力と渡り合ってきた生涯は、壮絶としか言いようがないものでしたが、皇室を頂点とした朝廷政治の根幹を守り続けてきたのです。

もともと後白河は、天皇の皇位継承とは無関係の立場に居ました。それゆえ、ひたすら風雅な世界へ没頭していたようです。「遊びをせんとや生まれけん」で知られる今様を好んでいたといい、遊びの相手としてさまざまな階層の人たちと交流していたことで、人物を見る目が養われていったのかもしれません。

自身とかかわりないところで皇位継承争いが起き、当時としては年齢の高い29歳で即位しました。自身の子(二条天皇)への中継ぎという立場だったため、数年で退位し、上皇となります。ここから、上皇・法皇として長期間にわたり、最高権力者である「治天の君」として君臨していくことになるのです。

大河ドラマなど歴史ものでは、清盛、頼朝、源義経らが主役となるケースが多いため、後半生の後白河が登場することが多く、ゆえにベテラン俳優が起用されています。「鎌倉殿の13人」では西田敏行さんが演じ、武家同士の騒乱に巻き込まれつつ、ひょうひょうとして彼らを翻弄する「大天狗」ぶりを見せてくれました。

新鮮だったのは、10年前の2012年大河「平清盛」で、今様に没頭していた若き日の後白河が登場したことでした。思ってもよらず天皇となり、さらに治天の君にまで上り詰めてしまった青年・後白河を松田翔太さんが見事に演じていました。ドラマのテーマ音楽に今様の一節を使っていたのも印象的でした。

後白河法皇の遺志を継いで「治天の君」となっていくのが、孫である後鳥羽上皇です。後白河に負けず劣らぬ強大なリーダーシップを取った人物とされています。その後鳥羽上皇役を演じるのは尾上松也さん。おそらく承久の変がクライマックスになるでしょうが、そこに至るまでどんなふうに描かれるのか楽しみです。

※このコラムはブログ版と共通記事です

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マイケルオズ@日々挑戦する還暦兄さん(フリーランスライター)
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