ことばたらず✴︎普通✴︎ささやかなしあわせ
普通になりたいと願ってた
ささやかなしあわせを抱きしめて
普通に 普通に生きる人に憧れた
それには
お嫁さんになって子どもを産んで家族がいて
家があってごはんがあって
そのために勉強して大学に行って
恋愛をして好きな仕事をして
枠をはみ出したところは
切り取って 必要のないものとして
普通ってこういうもの
こういう範囲
そのなかで 生きることでしょう？
✴︎
求めてた
普通
ささやかなしあわせは
起きてる状況や
外からみた感じとは
全く関係のないものだとわかった
✴︎
それはまるで当たり前のように
どこにでも ながれ込む
そのために何かしたり
向かう必要のない
✴︎
ささやかなしあわせを
守るために
必要なものなんて
何もなかった
どこに向かう必要も何をする必要も
ささやかな普通 は
いつもそこにあって
どこからでも
どんなときも誰にでも
降り注ぎ続けてた
普✴︎通
そう 求めてたのは
こっちの 普✴︎通
だったんだね。
小さな手のひらと
同じ大きさくらいのトンボ
何にもない
なんでもない
いまに対する全抵抗を
ゆるす
それは自ずと
湧き上がる
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