貧富格差による共同体破壊の危機と言語の限界
世界の貧富格差は広がっている
フランスの経済学者ルカ・シャンセル氏やトマ・ピケティ氏の運営する世界不平等研究所が発表した「世界不平等レポート2022」によると、1割の富裕層が8割の富を所有していることが明らかになりました。
世界の50%は貧困層で、全体の富を占める割合は2%。中間層40%が全体の富を占める割合は22.4%。そして富裕層10%が全体の富を占める割合は75.5%という数字が報告されました。
また、世界富裕層10%の所得は成人一人当たり年間約1,233万円に対し、世界貧困層50%の所得は年間約40万円と31倍の差が生じています。
日本の貧富格差も広がっている
日本では、特に年金生活者やひとり親世帯の所得は苦しくなっていますが、2人親世帯の所得は横バイとなっています。
しかし、そもそも最近話題となっている、日本の給与が上がらない問題は、30年以上も続いています。さらに産業構造が変わりずらいため、労働者の流動性が低く、労働者の教育の機会喪失や賃金の固着化、人で不足の慢性化が社会問題として顕在化してきています。
人口減少が続く日本では、これからが貧富格差の本番と言えるのかもしれません。
共同体破壊とは
大きな枠でいえば、資本主義主導による個人主義の広がりで、家族や地域が分断されてきました。
さらに、都市化や人口の一極集中により、限界集落など行政による自治が成り立たない地域が生まれています。
さらに、インターネットの普及により、今後、オフラインでのつながりよりも、オンラインでのつながりが主となれば、ますます、今までの共同体は消滅していくことになるでしょう。
しかし、同時に、マス(全体性)とのバランスから、新たな共同体に注目が集まっています。 個人を尊重してくれる小さな共同体は、人間にとって必要不可欠なものと再認識されています。
マスの発達による共同体の破壊に、バランスをとるための小さな共同体の構築が間に合うのかは、まだ見えてこないのが現状です。
言語の限界
言語は世界を切り取りながら、言語で構築できる世界を新たにつくり変えていきます。
スマホと名前を付ければ、世界はスマホとスマホではない世界に分けられます。 自分を意識すれば、世界は自分と自分以外に分けられます。
現代のように、情報があふれかえっている状況は、言語のデメリットと言えるでしょう。 誰もその実態をつかむことが出来ず、虚構の中でデータが独り歩きしています。
多様性という言葉は、本来は少数派の人でも社会的に必要な存在として認められることを意味しています。しかし、多様性という言葉だけが独り歩きしてしまい、多様性という言葉は知っていても、少数派の人を受け入れられるには、まだまだ時間がかかりそうです。
では、人の尊厳を取り残さない社会をつくれる言語は成り立つのでしょうか。 その教育コンテンツの場が「Dignity2.0国際カンファレンス」です。
Dignity2.0国際カンファレンスとは、 尊厳を土台にした持続可能な進化・発展をつくる世界実現のために、「世界基軸教育」を提唱している日本発のムーブメントです。
心未来への出発/シン技術でつくる私の宇宙
日程:2022/10/8(土)-10/10(月)
主催:Dignity2.0国際カンファレンス
URL:https://www.dignity2.org/2022/about/
映像 https://youtu.be/mGPXUf20h18