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僕が旅する目的 #7 『電車が見えるカフェに行く』


電車が見えるカフェに行く理由


僕は、たまにカフェに行くことがある。それほどよく行くわけではないけれど、どこか旅行に行った先で、あるいはお出かけの際に、立ち寄ることがある。
その時にあるルールを決めている。それは景色が綺麗なカフェであることだ。もちろん絶対、そういうカフェに行くというわけではないのだけれど、そういうルールを決めると、なんだか目的ができて、楽しくなる。
景色が綺麗という場所にも色々あるのだけれど、特に僕が好きな景色が、電車が見える風景だ。
電車が見える場所というのは、もちろん線路があり、あるいは駅がある。だからたいてい便利な場所にあるのだ。
そして電車が見えるということは、風景に動きがある、ということでもある。風景が綺麗というだけではなく、動きがあることによって飽きないのである。
というようなことは、実は言い訳に過ぎないのかもしれない。
ただ、僕が電車が好きだから、という単純なことに色々と理由をつけているだけなのかもしれないのだけれど。
何はともあれ、僕は景色が綺麗なカフェを選び、その中でも電車が見えるカフェが好きなのだ。

今回は、そんな電車が見えるお気に入りのカフェ、その中でも阪急神戸線沿線のカフェを紹介したい。

1. 阪急梅田駅構内のタリーズコーヒー

まずは、梅田駅のタリーズコーヒー。
阪急梅田駅は9本もの電車が同時に停まることができる。電車が到着すると、人々は電車から一斉に流れるように出てくる。
こういう設計のターミナルは欧州に多いのではないか、という気もする。そのせいか、ちょっと遠くへ旅をしているような気分になるのだ。
そんな阪急梅田駅の構内を見下ろす場所に、今回紹介したいタリーズコーヒーがある。

阪急梅田駅タリーズの外観


梅田駅のタリーズコーヒーは、電車が見えるカフェとして、最も理想的であると言ってもいいだろう。
まさしく、ここにカフェがあれば素敵だろうな、という場所にある、と言っても過言ではない。


このタリーズを発見してから、通過点でしかなかった阪急梅田駅が、「目的地」のひとつになった。
窓際に座って、コーヒー片手に電車を眺める。カフェはたくさんあれど、これほど美しく電車を眺められる魅力的なカフェはなかなかない。


2. 阪急十三駅近くのカフェ「珈琲空間」

次に紹介するのは十三駅近くの「珈琲空間」というカフェ。

目前に阪急電車が行き交う。


こじんまりとしたカフェだけれど、ここからはとても素敵な風景が眺められる。
カフェの窓際の席からは、阪急神戸線、宝塚線、京都線、のすべてが一度に見えるのだ。
しかも、阪急電車のダイヤにはちょっとした秘密がある。時刻表を見ればわかるのだけれど、それぞれの路線の優等列車が梅田駅を0分、10分、20分、、、とキリのいい時間に同時に出発する。つまり、3本の電車がほぼ同時に梅田駅を出発するので、やはりほぼ同時に十三駅の構内にも滑り込むのだ。だからこのカフェからも、3本の電車が同時に並走する様子が眺めることができるというわけだ。
それだけではない。
これら阪急神戸線、宝塚線、京都線は、どの路線もとても高頻度で電車が走っている。その路線が3つ揃った場所なのだから、常に電車が走っていると言っても過言ではない状態なのだ。
これだけ常に電車が眺められるというのは、大変、贅沢な場所なのである。

3. 阪急武庫之荘駅前のカフェ「ぷろぽ」

阪急武庫之荘駅を降りてすぐのところにあるカフェ「ぷろぽ」。ここもなかなか素敵な場所である。

とても素敵な駅前カフェだ。


カフェの窓際の席からは、武庫之荘駅を発着する電車が見える。目の前が駅なので、電車だけではなく、駅の乗客の乗り降りの様子を眺めることもできる。なんてことはない光景だけど、それがいい。電車が駅に着き、人々が乗り降りし、また電車が去っていく。阪急梅田駅と違って、忙しい感じがないので、どこかのんびりとした感じがする。電車の発着と乗客の様子を繰り返し眺めていると、今日も平和な日常が続いているのかもしれないな、と思える。
そして、こじんまりとしていて、あたたかみのある店内がとても居心地がいい。本棚にはぎっしり本が詰まっていて、コーヒーを飲みながら電車を横目に本を読むというのも贅沢だ。

4. 神戸三宮阪急ビル「タリーズコーヒー」

さて、最後に紹介するのは、神戸三宮駅前のタリーズコーヒー。神戸三宮阪急ビルの3階にあって、窓から行き交う阪急電車と、その向こうにJR三ノ宮駅が見える。

窓の向こうの阪急電車は迫力がある。

このタリーズのユニークなところは窓の向きだ。窓が線路に対して直角なのである。ふつう電車が見えるカフェの多くは、窓が線路に並行している。だから、電車は、だいたい右から左へ、あるいは左から右へ走り抜けていくのを眺めることになる。しかし、このタリーズは違う。窓がほぼ直角だから、電車がこちらに向かってくるかのように見える。もしくは、背後から急に現れて、遠ざかっていく。このアングルで電車を眺めることができるカフェはあまりない。

外から見ると、神戸三宮阪急ビルの窓は大きなトンネルのような半円形になっている。ちょうど電車がすっぽり入りそうな大きな窓だ。調べてみたら、先代のビルのデザインを再現してるらしい。先代のビルは阪神大震災で壊れたのだけど、その形が新しいビルにも引き継がれてるようだ。

↑タリーズの部分が半円の形をしている



先代のビルは線路の上にビルが建っていて、半円型のトンネルのような空間を電車が通っていたようだ。

↑以前、逸翁記念館で撮った昔の神戸三宮阪急ビルの写真


この半円型の窓のデザインはその時の名残で、窓が直角に向いているのもその時のデザインを踏襲しているからなのだ。
こういうアングルで電車を見ることができるのも、意外な理由があったのだ。

こんなふうに、電車が見えるカフェに行くというのは、僕にとっては、とても楽しいことだ。ただカフェに行くというのもいいのだけれど、どうせカフェに行くのなら、何かテーマに絞ってカフェにいくというのも面白いかもしれない。
僕の場合は電車が好きだという性格から、電車の見えるカフェに行くというテーマを持って、カフェに行くのを楽しみにしている。



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