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いつもと変わらないはずだった(わたしだけの乳がん物語 #1)


2023/5/16(火) 定期健診・半年ぶりのエコー

半年ぶりの定期検診はエコーのみ。先に左側をエコーして、先生「うん、変わりないですね」。そして右胸を調べると、いつもより時間が長いような。「うーん、前回に比べてしこりが大きくなっているかな」「分泌液が出たことあるのって左側でしたよね?」

そもそもHクリニックに通うようになったきっかけは、ある時ブラが濡れているなと思ったら左側の乳首から黄色っぽい分泌液が出てきたから。特に健康に関しては心配なことはすぐに解決したいタイプだから、慌てて通える範囲の専門クリニックを検索して、口コミの評判が良いHクリニックにすぐ連絡。タイミングよく翌日の土曜日に空いていた枠に滑り込んだのが最初だった。その時は問題なかったのだけど、乳腺系はこちらの専門クリニックにお世話になることを決めて、1年ごとにマンモグラフィ、半年ごとにエコーを受診していた。

今回は右側に変化があるとのことだった。でも生理前は右も左もコロコロしたしこりみたいなものはあったし、正直自分ではしこりが大きくなってるなんてまったく気づかなかった。

結局、その場で細胞診をすることに。エコーでしこりを見ながら針を刺して、何度もぐりぐり回して何かを吸い取ってるみたい。これがとても痛かった。「まわりの組織も取っていきますよ。中身は水分ということもありますからね」という先生の言葉で、そこまで深刻には考えていなかった。それにしても痛かったなぁ。細胞診のお会計は¥22,000ぐらい。いろんな意味で痛かった。

後日言われた子供の一言が、この物語がはじまる号砲だったなんてその時はまったく思わなかった。

子供の一言

細胞診をした数日後、塾だったかな、息子のAくんと一緒に帰ってくる途中、いきなり、なんの前触れもなく、「おっぱいにがんができたらどうするの?」と聞いてきた。正直ドキッとした。「がんなんてよく知ってるね。どうしてそんなこと聞くの?」「いや、なんとなくどうするのかなーと思って」と。

「手術して取ってしまえば大丈夫だよ」と答えたけれど、なんか胸がざわざわした。予言なんて言ったらAくんに責任があるような言い方になってしまうけど、予兆、何かを示しているのではと、この時ふと思ったのも確か。

「がんかもしれない」

こういう言葉で説明できないような、何かを暗示しているような物事を信じるタイプだった。振り返ると、この時点でがんが晴天の霹靂ではなくなったような気がする。可能性のひとつとして、がんというキーワードが頭と体にすっと入ってきた。

まだ子供に乳がんになったことを伝えていないけど、この先伝えた時にAくんはこのことを覚えているのかしら?

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