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見守り電気の特許について

前回は見守り電気の概要を説明しました。
下図が見守り電気の電気使用量のグラフです。

図1

横軸が時間で縦軸が電気の使用量です。
前回のポストで説明した「いつものパターン」が概ねこれです。期間であったりいろいろな情報がありますが、値は実データなので見えなくしています。お昼くらいに一旦減少してふたこぶ型になるのが一般的ですが、この例はその減少が無いようです。朝6時台後半から8時ごろまでに起床することが多いことがわかります。これは一定期間の平均値なのでこのように表示されますが、期間を絞り込むといきなり使用量が増加することもあります。そして22時頃に寝ることが多いようです。先ほど書いたふたこぶであればもう少し具体的に昼間の活動の低下が見えることがありますが、冬季か夏季にエアコンを使っているタイプです。
ポイントは起きる時間と寝る時間です。
ヒトは歳をとると朝方になり、朝早く起床します。理由はいくつかありますが、科学的な根拠になっているのは「サーガディアンリズム」です。
「概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する。」(e-ヘルスネット 厚生労働省)と定義されています。これは生物(人間以外も)は24時間周期の昼夜変化に適応して生きているので、体温やホルモンなどの変化は24時間周期をベースにしていることがわかっています。ただ、ヒトの周期は24時間よりも若干長いために、それを合わせるためのリズム信号が必要で、それがサーガディアンリズムです。ポイントは認知症などで脳が平常時の機能を失う場合に、これが作用しなくなります。加えて認知症の初期症状は不眠や睡眠時に起きてしまうことも頻発するために、朝起きるのが遅くなります。サーガディアンリズムでの補正がでくなくなるので、1日の生活のリズムに大きくずれが発生します。この状態をきっかけにして認知症の検査をすることで、早期の発見が可能になります。独居高齢者の場合、誰かと話す機会が極端に減ります。いわゆる孤立という状態になります。それ自体も問題ですが、もし認知症の初期状態になっても、自分で気づくことは難しく、悪化することが予測されます。
サーガディアンリズムの減衰を電気の使用量から想定して、認知症の可能性のある人発見することが、今回当社が取得した特許の内容です。

引用文献:e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html(20240213)


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