旅するように生きようか
赤いチューリップを買って飾った。2輪、鮮やかに窓際を彩ってくれる。南向きの部屋に越して、眺めの良い窓からの景色。小さな四角から大きな四角になり、心もなんだか広く感じるようになった。
世界はまた混沌とした欲望と正義の間で揺れ動いている。私の住むこの国は平和だろうか。この瞬間、この時間の向こう側には考えられない世界が広がっていたとしても。私は平和と言えるだろうか。
…なんて大げさに考えても、日々のルーティンは変わらず目まぐるしく自分の人生を生きるのに精一杯だ。悲しいけれど、自分が平和を目指す社会や世界に対してできることはほんの少ししかない。いや、無いに等しいとすら感じる。
この春、引っ越しをする。夫の転勤が決まり、今の場所からはいくらか遠い場所へ行くことになった。結婚してこの街に来てまだ1年も経っていないのに。気に入っていたのになと思っていたけれど。別居、離れて暮らすことは考えられなかったので家族で移住となる。
次の新しい家も決まり、この春は引っ越し作業に忙しくなりそうだ。周りからは大変だねと言われるけど、どうなんだろう。不思議とワクワクが勝っている。これは私の性格。変化を好むところは昔から変わらないのだ。
そして夫の職業的にまた新しい街に数年住めば引っ越しとなる。期間限定の移住だ。そう、私達の住居は定まらない。いわゆる転勤族なのだなと改めて自覚している。
いいんじゃないかな。私はやっぱりこの性格だから、それをネガティブには捉えない。新たな街で、住むことになるとは思わなかった場所で。それはまた新たな何かと出会い、そしてきっと何かを手離して得ていくのだ。人生という名の本にはたくさんのチャプターが増えていく。
そして私達は日本ではなく世界にも目を向けている共通点もある。夫のひそかな夢を知っている。そしてその夢を私も良いなと思い応援したい。2人ならと想える心強さも同じで、同じ方向を見て生きていけることはパートナー選びとして間違いではなかったなと思う。きっとそんな2人だから忙しくしながら、色んな場所で2人して暮らしていくのだろう。
うん、きっとそれも楽しいはず。大変なこともきっとあるけど。もしも家族が増えることがあったら、変わることもあるかも知れない。でもそれ以上に、好奇心と新たな発見をインスピレーションにして、2人で、そして家族として生きてみたい。
そう、旅するように生きようか。
私はあなたとならどんな荷物を持ってでも一緒に生きていける気がしてる。
旅するように生きてみよう。
私らしく、2人らしく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?