すみれ

ただ書くのが好きな私の記録。

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結婚前夜のわたし

私は明日、苗字が変わる。 実感もなく、いつもと変わらぬこの夜に何を想うか…なんてパソコンを開いてみたけれど。実感が湧かなくて、とても不思議な気分。 一緒に提出する戸籍謄本を初めて見た日。家族として当たり前に刻まれた子の名前と生まれた故郷の場所。どれも私にとって宝物のようで。幼い日は早く出たいと遠い遠い世界を夢見ていたけど。恵まれたこの土地、そして人々があって今の私が作れられたこと。どれも私には誇れるもの。 出生届人には父と書かれていた。こみあげてきたな、その文字を見た時

    • 秋の星座を想えば

      「あれは白鳥座。カシオペア座に、あれはスバル星群!」 「木星が今日も綺麗やなぁ。あれは土星?」 首が痛いくらいに顔を上げて広い夜空を仰ぎながら母との会話。 ちょうど1年前、2023年の秋。里帰り出産のため実家に帰っていた私は、夜な夜な母と夜の散歩に出かけた。臨月を迎えて出産が近づき、しっかり動いてくださいと健診の度に言われたり、出産を経験した友達からも幾度となく言われたのだ。とにかく動けと。 39歳での高齢出産。また実家での生活が半年近く予定され、私はどことなく昔の自

      • ゆっくり踊ろう

        この世界は幸せだろうか この窓から見える景色は永遠だろうか 物騒な世の中で穏やかな午後の光さえ澱んで見えるけど 夢をみることをやめずに進むしかなくて たった1人の味方と私を形成してくれた愛の塊たちを ただただ抱きしめて生きていきたい ゆっくり踊ろう 闇を裂きながら ゆらゆらと 大きな何かを変える力はないけれど 大切なものを守る勇気だけは持っていたい ゆっくり踊ろう ゆっくり眠ろう ゆっくり揺れよう この世界は正しいだろうか この世界の未来は この世界は…

        • 人生の折り返し

          今月でついに40歳になった。 40歳ってすごい大人だと思っていた小さな頃の私。なってみるとなんだかこそばゆい感じがすると共に、やっぱりすごく大人な年齢だなと思う。実際にそうなのだけど。 人生100年時代と言われるけれど、長生きできたとしても好きなことを不自由なく健康でと考えると80歳ぐらいまでが妥当ではなかろうかと思うところがある。そうなると40歳は人生の折り返しのような気がするのだ。80歳まで生きれたとしてその後の長生きはボーナスタイムのような感じ。80歳まで生きれるか

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        結婚前夜のわたし

          人生のパズルピース

          来週から夫が会社の研修旅行で海外へ行く。そして来月は友達の結婚式で東北まで。どちらも行っても大丈夫かな?と息子がいるからかお伺いがあった。 私はもちろんどちらも行っていいよと返答。会社の研修旅行は給料から天引きで積立をしていて数年に一度行われる行事ごと。これで息子が生まれたばかりで小さいので行けない!なんてことはむしろあってはならない。いつも思うのが、逆の立場なら?ということで、私もその立場なら絶対に行きたいし、いや行くべきだしと。そこは特に問題なかった。 でも思わず

          人生のパズルピース

          君がこの世界に生まれた日のこと

          41週目4日、分娩時間32時間。 母子手帳に記された記録を見て笑いが出た。私のお産体験は想像以上に過酷なものだった。今振り返っても軽いトラウマレベルだ。お産は交通事故にあったぐらいのダメージを受ける、男性は死んでしまうレベルの痛み、鼻からスイカなどなどこれまでたくさんのお産の壮絶さは聞いてきたつもりだった。しかしいざ自分の出産を体験すると、母の偉大さ、いや女性の母体のすごさを改めて実感すると共に二度と味わいたくないという気持ちも生まれた。それほど大変な大変なお産だったのだ。

          君がこの世界に生まれた日のこと

          臨月と故郷の景色

          里帰りをしてからちょうど1ヶ月。妊婦生活も後半、臨月に突入している。逆子に悩まされていたが臨月に入ってするっと下を向いてくれた。ちょうど仕事も終えて重荷が下りたのもあったのかな。 そんな私が子供を身ごもりまた地元で生活をするのは6年ぶり。もちろん時々は帰省していたけど、また長期で滞在するのは久々なのだ。母の手料理を満喫しながら、相変わらず喧嘩もするがなんだかんだうまくやっている両親と愛犬に癒されながら日々を過ごす。夫は1-2週間に一度、車を走らせて実家に来てくれる。近くない

          臨月と故郷の景色

          いるべき場所

          妊娠中にも関わらず、昨年から始めた新しい仕事がなかなかチャレンジングなことだらけで最近はストレスも多い。 やりたい仕事と言えばそうだ。ずっとこだわり続けたクリエイティブな業務であり、やりがいもあることだとは思う。 ただ年齢も年齢になり、そして妊娠して子供を持つという未知の世界に突入することを目前として疑問が湧いてきている。 自分の本当にやりたいこと。自分の本当の姿や、自分なりに感じる素質のこと。なんかずっと無理してない?一歩でも先に行こうとしてない?何でもやれると思って

          いるべき場所

          君との時間

          今日で妊娠20週を迎えた。いわゆる折り返しらしい。 春に宿った小さな君は、順調に育っている。悪阻という修行のような日々を約1ヶ月過ごし、マイナートラブルに見舞われながらも、数週間に一度の健診で君の姿を見る度に励まされ、自分の体の中に宿る小さな命の不思議を感じられずにはいられなかった。 約20週も一緒にいてもなお、まだ本当に君はここにいるのか?なんて思う日もある。日々は穏やかに、時に乱れながら、流れていく日常という日々を私たちは変わらず過ごしている。ほんとに不思議だよ。あと

          君との時間

          イロトリドリの春に

          あの日は3月にしては初夏のような暑さだった。家からクリニックまで通う道で少し汗ばんだ。 その3日前、私はトイレで二度見をした。生理予定日から2日経ってもこなかった生理。いつもぴったりに生理がくる私は少し早いけどフライングをした。なんとそこで出てきたのがくっきり2本線だったのだ。 さらにさかのぼること約1ヵ月前。通っていたクリニックで久々に受診をした日、急遽、人工授精を行うことにした。半分ダメ元。なぜなら夫は男性不妊で顕微授精でなければ厳しいと言われて改善の手術を行い、術後

          イロトリドリの春に

          家族の在り方

          30代最後の年になった。結婚2年目。 私たちは今、不妊治療へとページを進めている。 妊活を始めた去年の春。結婚式を終えて、新しい土地で最初は気負いせず自然に任せた。それから数カ月、クリニックに通う中で、私達は現実をつきつけられた。 ”男性不妊” クリニックに通うとやはり原因を追究していく。その中で直面したのは、高齢である私のホルモン値が少し悪いぐらい(それ以外は特に問題なし)と夫と精子が少ない乏精子症だった。 特に夫の状態は思った以上に悪く、検査を進めるうちに左側の

          家族の在り方

          深呼吸して空を吸い込む

          いくつもの時間がたくさん流れて、いくつもの街の景色を見ながら新たな場所にたどり着いた。 育った家族は少しずつ老いを重ねていき、いつまでもたくましいと思っていた祖父母も弱っていく姿を少しずつ目にしていく。 隣では新たな家族である夫が変わらずにいてくれて、その絆は温かく深く、少しずつ2人でひとつになっている。家族計画なんて思い描いた通りに進まないけれど、きっと2人で生きるか、もう1人か2人一緒に生きるかもきっとご縁なのだと穏やかな気持ちでいられる。それはきっと夫のお蔭。そして

          深呼吸して空を吸い込む

          満月の夜に飛び立って

          満月の夜に飛び立つ夜空には まだ見ぬ物語のはじまりに向かう鳥になる 人生は驚きと選択に彩られ 不思議な縁を纏い 私にはまた新たな物語が与えられた 他人が出会い家族になる不可思議な法則の下 まばゆい細かな星空に抱かれて 私はまた新たな夜を超えて行く 逆さまのカシオペア座に微笑んで 私を形成してきた全ての物を抱きしめて 私はまた歩いていく 満ちていくように また新しく生まれ変わるように 月の満ち欠けを長い人生に例えながら

          満月の夜に飛び立って

          明日がくることは

          先週、仕事でお世話になっていた方が亡くなったと連絡があった。 東京に出てきてお手伝いでしていたお仕事で出会った人だった。 今年41歳になる男性(独身)で、背が高くイケメンなお兄さん的な存在に。プライベートでは共通の友達と数回飲んだことがあるぐらいでほとんど仕事上での絡みだった。 当たり前だけど仕事は真面目で頼りになり、老若男女問わず誰にでも平等に接して、気さくで本当に優しい人だった。 私が仕事で必要なものであまり良いものを持っていなくて壊れたことがあった。 次に会った時

          明日がくることは

          パノラマの町

          その日も暑い日だった。もうそろそろ決めたいとやってきた内見の家。 玄関を開けて入った瞬間、いいなと感じて、部屋へ進むと開放感のあるベランダからの景色に決心した。 「私、ここがいい。」 そう彼にメールしてその日に決めた。 夏の暑い日に2人で引っ越しをした。 南側のベランダからは遠くに富士山が見えた。向かい側には一駅先のまばゆいタワーマンションがそびえ立つ。見下ろす住宅街はどこか平和的だった。 北側の玄関を出れば目のためには土手沿い。多摩川が流れる。 私が育った町に似

          パノラマの町

          記録される世界

          今朝、通勤途中の風景。 マンションから出てきた若いカップル。彼女は出てきてごみ捨てに行く。彼氏は少し前でその様子を携帯に収めていた。それに気づいた彼女は嬉しそうにおどけた様子を見せた。 きっとインスタグラムかTikTokにアップするのかな。なんてほほえましく見た。 そう、今はすべてが記録される世界。 約10年前からスマートフォンが普及し、記録媒体は大幅に増えた。そのツールはバラエティーに飛び、変化や革新し続けている。どんな日常も些細な瞬間も、手元の機械ひとつで記録媒体

          記録される世界