名を、君は④

いつも通りミーティングをしていた時、
髪型の話になり、成田さんが、
『自分、ツーブロなんで〜』と言った。

ツーブロ

ツーブロック

女の子でやる人、なかなかいないよな、
まぁ、いるのか、
いるんだろうな、

うん

もう分かっている。
分かっているけど、分からない。
確証が無い。
勘違いかもしれない。

1年前に流行ったセカオワのHabitの歌詞に
"僕らは分類しないと気が済まない"とあるが、
今まさしくそれなんだ。

初めてで分からない。
言葉しか知らない。
アルファベット4文字しか分からない。

と、勝手に考え込んでいたある日のミーティング。
これまでのやり方を変えて、
2グループに分かれて企画を進めることになった。

メンバーを決めなくては、話し合いができないのだが、それぞれ譲り合い、決まらない。
みんな日本人すぎる。
私のグループの最後の1人を決めようという時、
リーダーがいきなり
『もう村仲さん(私)、決めちゃってください!』
と振ってきた。

まあ、ここで時間取っても勿体無いし、
犬川という男子学生を選んだ。

『うん、こうしたら男女ちょうど良いよね。』

言葉が出た後に、しまったと思った。
やってしまった。
気にするだろうか。
性別で組み分けをするなんて、古いと思っただろうか。

気にかかって、その日のミーティングは集中できなかった。

いつの間にか、成田さんは私とってとても気にかかる存在になっていた。

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