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ジェイソン・シンジケートとは? Vol.2

こんにちは。myコンサルティングの坂元康宏です。

先日エンジェル投資家についての記事をアップしたところ、「具体的にどういう企業に投資をしているんですか?」という質問をいただきました。

今回は後半の記事となり、ジェイソン・カラカニス氏が主宰する投資クラブ『ジェイソン・シンジケート』では、どのようにベンチャー企業が投資案件として選ばれているのかについて記載したいと思います。
また、実際に投資している企業の紹介と、現在の状況についてもお伝えします。

スタートアップがジェイソン・シンジケートの投資案件になるには

前回の記事では、私たちがジェイソン・シンジケートから投資案件の紹介を受けるプロセスについて記載しました。

今回の記事では、スタートアップがジェイソンシンジケートの投資案件として選ばれるまでのプロセスについて記載します。

投資家からの出資を希望するスタートアップは、2つのプロセスのうち、いずれかを経て「ジェイソン・シンジケート推薦の投資案件」となります。

① ジェイソン・カラカニス氏の推薦を受け、即投資案件となる

②スタートアップ育成プログラム『エンジェルユニバーシティ』で頭角を現す

①は前回の記事で書いた通りです。
ただ、ジェイソン氏の推薦を受けるのは簡単なことではありません。
こちらのルートで投資案件になれるのでは、一部の優れた企業に限られます。

①の要件を満たすことはできなくても、将来性のある企業は②『エンジェルユニバーシティ』というスタートアップ育成プログラムを経て、投資案件になれる可能性があります。

スタートアップ育成プログラム『エンジェルユニバーシティ』

エンジェルユニバーシティとは、スタートアップを育てるためのプログラムです。
ジェイソン氏から直接学べることが最大のメリットとなります。

では、投資案件になるために具体的に何をするのか。

それは「ピッチコンテスト」です。
ビジネスのアイディアやプロジェクトを代表者がプレゼンテーションをして、審査員が順位付けをするイベントです。

毎回、7~8社程度が参加をして比べられます。
プレゼンテーションは3分間というルールがあります。

審査員は、
① ベンチャーキャピタル
② ジェイソン・シンジケートの認定投資家

となります。

参加する全てのプレゼンテーションが終わった後に、審査員が投票をしてトップ3を必ず決定します。
投票以外にも、アンケートなどを行います。

ただ、このピッチで1位になったらかならずジェイソン・シンジケートの投資案件になれるというわけではありません。あくまで『エンジェル・ユニバーシティ』は育成プログラムです。

もちろん、ここで投資家から評価を受けて、ジェイソン・シンジケートの投資案件になっていく企業もあります。
企業によっては、2~3回ピッチコンテストに参加することもあります。

「3分」という限られた時間ですので、代表者はとても試されます。
参加する半分くらいは、早口になってしまっている印象です。
質疑応答では、投資家からの鋭い質問に対し、魅力的に回答する力も必要になります。

このように、ジェイソン氏から推薦を受けて投資案件になる企業だけでなく、スタートアップ育成プログラム『エンジェルユニバーシティ』で頭角を現して投資案件となる企業もあります。

投資先のご紹介

ここでは、実際に私たちがジェイソン・シンジケートから案件紹介を受け、投資を実施した企業を紹介します。

【The Lanby】

テクノロジーを駆使した医療コンシェルジュサービスを提供する企業です。創業者は生物工学を専攻しており、自身の乳がん経験をもとに、患者が医療制度を利用する際の混乱を改善することを目指しています。

米国の医療システムは、医師が多くの患者を短時間で診察するインセンティブ性が強く、患者に寄り添った診断が難しい状況です。この問題を解決するため、The Lanbyは患者一人ひとりに寄り添った総合的な医療サービスを提供しています。

会員は運動、睡眠、食事、メンタルヘルス、ストレスマネジメントに関する総合的な指導を受けることができます。3人の医師や栄養士がサポートし、年会費は3,000ドルです。解約率は10%以下と低く、高い顧客満足度を誇ります。

<実績>
2021年8月: 創業時に7.5ミリオンドルの時価総額で1.1ミリオンドルを調達
2022年7月: 時価総額は12ミリオンドルに達し、1ミリオンの追加投資を計画
・投資から約2年で、マーケティング費用を抑えながらも収益と新規顧客を獲得。
・解約率は2.1%まで低下。
・定期的な追加投資(1ミリオン規模)も成功し、手元現金の枯渇はなし。

【Loopie】

ランドリーマーケットプレイスを提供する企業です。家庭の洗濯機を利用して副収入を得られる機会を提供し、洗濯機の有効活用を促進しています。

Loopieは、洗濯を必要とする人と洗濯をしてくれる人を結びつけるプラットフォームです。顧客の洗濯物を目的地から回収し、24時間以内に戻すサービスを提供しています。リピーター客や商業の大口顧客にも対応し、カスタマイズされた柔軟剤やアレルギー対応洗剤を使用しています。

<実績>
2020年創業: 毎年前年比3倍の成長を遂げています。
現在: 全米10都市で展開。
創業者は、毎回の月次で試行錯誤を繰り返しながらサービスを改善しています。Loopieは無人化したコインランドリーの買収や、香水会社との洗濯物へのフレグランスサービスの研究など、新しいアイデアを次々と取り入れています。

【Steezy】

Steezyは、ダンスレッスンを提供するアプリで、パリ2024オリンピックで新たに競技に加わるブレイクダンス(ブレイキン)を見越して成長しています。

創業者は2006年からブレイクダンスを始め、プロフェッショナルダンサーとして世界大会で銀メダルを2度獲得した経験を持ちます。『オンライン・クラスから始まるダンスをグローバルスポーツへ』が合言葉です。

Steezyは、17のスタイルで1,500以上のクラスを提供し、各スタイルのトップ1%のダンサーが指導します。ユーザーは月額19.99ドルまたは年間149.99ドルで、ダンスサイトの製品とコンテンツに無制限にアクセスできます。

<実績>
2019年: 経常収益1.2ミリオン
2020年: 経常収益5.1ミリオンと4倍近く成長
粗利は50%で、ビジネスは急速に成長しています。2020年のダンス&振り付けエクササイズの参加者は2,500万人で、これは米国の人口の7%に相当します。世界のダンス参加者は5億9500万人と推定され、ダンスはカルチャーのメインストリームとなっています。

投資先の紹介は以上です。
最後に、ジェイソン・シンジケートの最新情報をお伝えします。

現在のジェイソン・シンジケートメンバーは11,000人余りです。
コーチングを実施している企業は210社で、その中で投資を集められているのは20~30社ということです。

昨年ニューヨークで開かれた飲茶会(ジェイソン氏との食事会)には、170人もの投資家が集まったそうです。

今回の記事シリーズは以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

株式会社myコンサルティング
代表取締役 坂元 康宏

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