『君と夏が、鉄塔の上』 読書感想文
『君と夏が、鉄塔の上』を読み終えた時、何ともいえない複雑な感情を消化しきれずにいた。
爽やかであり、どこか寂しく、純粋であり、どこか達観している。相反する感情が、ぐるぐると渦巻いていたからだ。
夏休み中の登校日に、鉄塔好きで地味な少年の伊達成実に、破天荒な言動を繰り返す少女、帆月蒼唯が、94号鉄塔についての質問をするところから物語は始まる。その後、ある日突然、幽霊が見えるようになってしまった不登校の少年、比奈山優を巻き込みながら、94号鉄塔の上に座っているという着物姿