本当の自分。理想の自分。
ああそうか、初めて認識できた。
おれはただ、卓越したかったんだ。他社よりも圧倒的に優れた人間でありたかったんだ。多分、小学校高学年の時からそうだったと思う。でも俺はあまりにも普通だった。いや普通以下だったから、学校という環境では生き残ることで精一杯だった。思春期の中学生時代は、なけなしのプライドをもってがむしゃらに戦った。学校において、運動ができず勉強は並で低身長で子供っぽい男は、「ユーモア」でしか生き残ることができない。と当時のおれは思ってた。だから、友達との会話力、というよりは「退屈させないこと」だけは徹底してやった。がむしゃらだった。その結果、俺は面白い奴としてクラスでもそれなりにいい位置に着くことができた。そして時折、面白さで友達を圧倒することがあった。少なくとも、俺がそう感じる瞬間があった。その瞬間は最高だった。多分これが、俺のオリジンだ。今は多少視野も広くなって余裕を持つことができたが、本質は変わっていなかった。「卓越したい」というのが、おれの最大の欲望。枯れることはおそらくない、俺の最大の才能。しかしなんとも、抽象的すぎる欲望だ。まあ、もとより理論化するつもりはもうとうないが。理論化なんてしなくても、この感覚なら既につかんでる。これをモチベーションに使わない手はない。
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