ジーンと博士の話
これは夕方にいた猫。
今回は「歪みの観測者」の人物設計の話しま〜す。
何から作る？
A. 見た目
元々、「歪みの観測者」は小説になる予定ではありませんでした。
というか、二人は別々に作ったキャラクターです。
おじさん描きたいな〜と少年描きたいな〜で描いただけです。
見た目が対になっているようで面白かったので並べました。
そうしたら、なんとなくストーリーが沸いたので漫画にしようかな、と思ったけど、長くなりそうだったので小説にしました。
二人の見た目の話
これが一番最初に作ったキャラクタービジュアルです。
小説を書いた今だと、ちょっと変えたほうがいいところがあるので初期案として見てください。多分ジーンはもうちょい丸い。
二人は別々に描いたので、並べると頭身が不自然ですねガハハ。
ジーンの見た目
白い髪、赤い目でアルビノであることを示す
肌や目が赤いので服を青にして色のバランスを取る
ポーズや小物、表情できっちりした性格を表す
髪型は簡素に（幼いので母に切ってもらってる）
博士の見た目
明るめの金髪でメラニンが少ない人種を示す
微笑み、垂れ目で柔和な印象
青と黄みの茶色の服で色のバランスを取る
ファッションや髪型で知的な印象に
髪質は外見的特徴に則ってやや癖毛に
これが多分、最初に描く時に考えてたことです。
見た目ができたら性格だ！
性格は見た目に反映されると思うので、それから読み取れることを考えます。
例えばジーンはきっちりした性格だと思います。
見た目から年齢を考えると12歳かな〜と思ったのですが、服装を見ると乱れや汚れもなく、靴下が下がらないようにソックスガーターをしている。
表情も硬く、思慮深い感じがします。ポーズからは保守的な性格が読み取れますね。
それからさらに派生させて、勉強ができるのかなとか、どちらかというと内向的な性格かもしれないとか考えます。
博士の場合は人当たりの良さそうな表情から、コミュニケーション能力が高そうです。
ポーズから余裕を感じられますし、服装も落ち着いているので、穏やかな人物像ではないかな。
目元の皺や頬のコケからは少し年齢を感じさせます。
性格ができたら背景を考えよう！
性格と背景は同時進行で考えることが多いです。
ジーンは年齢にしては服装がしっかりしているということは、家庭環境が良い、身だしなみを教える大人がいるんでしょう。
しかし、表情が硬いのでそれを形作った要因が家庭外にあると考え、その原因を考えます。
さっき考えた「勉強ができる」を活用して、それが周囲に馴染めない理由とします。
それによって思慮深く、保守的であることにも理由がつきます。
博士はコミュニケーションに長けているという設定と知的な印象を広げて、心理学者とします。
他にも色々背景設定があるのですが、ネタバレになるのでここでは書けません。
私は性格の背景を作る時は発達心理学をもとに考えるようにしています。
二人を同じ作品に入れるぞ！
ここら辺まで考えたら、二人がいい感じにがっちゃんこしそうなのでしました。
そうしたらお互いに影響しやすいようにまた設定を作ります。
博士はジーンよりもっと知識がある。
ジーンは家族に恵まれ、博士には家族がいない。
ジーンは狭いコミュニティ（田舎町）に所属している、博士は広いコミュニティ（都会）から田舎町に来ることで二人は出会う……とか考えます。
これをめっちゃ考えて派生させていけば、設定やストーリーになるんじゃないでしょうか。
名前を考えよう！
ここまで考えたら二人の名前を考えます。
どうせなら名前も意味を持たせたい派です。
ジーンの本名、ユージーンには「良い生まれ」と言う意味があります。
これは家が良家であるというより、良い家庭環境を示したくてこの名前にしました。
歴史的には「品位」「知恵」「高潔さ」を象徴する名前として使われてきたので、似合うとも思いました。
他には田舎町の出身なので程よく古臭く、愛称として縮めても日本人が理解しやすい音にしました。
グレゴリーには「見張る者」「目覚めている者」「警戒している者」という意味があります。
ジーンの成長を見守り、学問を修めた彼にとってぴったりな名だと思います。
あと、彼は見た目に反してゴツめな響きの名前をつけたい、となんとなく思っていたので、それもクリアしています。
あと二人に共通するのはギリシャ語を語源にする名前にしました。
古来ではギリシャが知識の中心地であったためです。
ファミリーネームは適当です。
名前は親から意味を込められますが、苗字は一族の象徴でしかないと私は考えています。
つける時に考えたのは日本人でも耳馴染みがありそうで、似合っているかどうか。以上です。
出来上がり〜！
こんな感じで二人ができました。
どうですかね？ 参考になりました？