風のいたずら
穏やかな空気が流れる公園に、
一人だけ帽子をかぶった少女がいた。
そこへ、いたずら大好きな風の妖精が現れる。
少女を一目見た妖精は、あるいたずらを思いつく。
妖精はワクワクしながら魔法の呪文を唱えた。
すると突然大きな嵐が巻き起こり、少女の帽子が勢いよく吹き飛ばされた。
必死に帽子を追い走り回る少女を、妖精は物影に潜みながら笑った。
しかし、ようやく帽子をつかみ戻した少女は、何か疑いを抱いているようだった。
「おかしいな。今日はそんなに風が強くないって、聞いたはずだけど……」
少女の独り言を聞いた妖精は慌て出して、どこかへ素早く去っていった。
少女は確信した。
「風のいたずらだ!」
それからというもの、少女が風の妖精に再び出くわしたことはなかった。
おわり
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