初体験

私のハジメテは、齢21の時。早過ぎず、遅過ぎずの、よいタイミングだった気がする。
当時はインターネットなんてものもなく、私が知っていた情報といえば、中学生の時に勝手に回覧されてきた雑誌「popteen」に載っていた情報くらいだったと思う。
そこには、読者から寄せられたという体験記が載っていて、“アソコ”とか、“濡れる”とかっていう言葉は使われていて、(なぜかドキドキして、たぶん自分も濡れちゃったりもしたけど(笑))、SEXで、具体的に何が行われるのか、特に、「“アレ”を“アソコ”に入れる」なんて表現だけでは、いったい何のことやら?という感じであった。

そもそもたぶん私は性欲がそんなにある方ではないのだと思う。恋も奥手で、友達に自分から恋愛相談なんてなかなかできないタイプだった。
だから、当時お付き合いしていた人(T)としたキスもハジメテだったし、それも付き合うってことになって確か2カ月後とか・・・。
泊まったりもしてたはずなんだけど、しばらく何もなかったし、私も、知識ナシ、性欲ナシで、何の疑問も持たなかった。

それが、コトが動き始めたのが、付き合うようになってから3-4カ月経った冬、クリスマスだったと思う。
人生初、彼氏と過ごすクリスマス。確か恵比寿にツリーを見に行って。ロマンティックな雰囲気に酔った私は、「帰りたくない」とTに言った。
当時の私は寮に住んでいて、外泊時は事前届け出が必要だったから、Tも私が夜どうするかを事前には知っていなかった。
何となく浮かれ気分で、ドキドキしながらTの家に向かう私たち・・・。(笑)
そして家について、寝る支度をして、布団に入り・・・。
どちらからともなくキスをして、そうしているうちに、Tが、舌を私の口に入れてきて。それも私にとっては初めての体験だった。気持ちよくなってきて、結構長い間キスをしていたと思う。そしてTは私を抱きしめた。強く、強く。
私はなんだかとても幸せな気持ちになった。たぶんあの後、彼は続きをしたい気持ちもあったと思うけど、何もしてこなくて、私たちは眠りに落ちた・・・。

以来、あまり“SEX”を意識していなかった私も、そろそろかも、と思うようになっていたかと思う。
そして数日後にやってきた、Tとの温泉旅行。あれは箱根だったか・・?今となっては、夜のこと以外記憶がない(笑)
観光を終えて、宿にチェックイン。美味しいご飯を食べて、それぞれ温泉へ。私はアソコをいつもより丁寧に洗って、ムダ毛も綺麗にして。
そして部屋に戻った。

今でも覚えているけれど、あの時はTも興奮していたんだと思う、普段は「クール」で通っていた彼が、興奮を抑えるためか、変なストーリーをちょっと高い声で、布団でゴロゴロしながら語っていて。
私もドキドキだった。
そしてイチャイチャが始まって。
初めて胸を触られて。Tは、初めて?、と聞いてくれた。そして、優しく優しく愛撫してくれた。
とにかくずっとドキドキしていて、私はマグロ状態だったかと思う。(笑)
そして少しずつ少しずつTの愛撫が大事なところに近づいていって。
ファーストタッチは下着の上から。触られて、たぶん私は自分が濡れていたことに初めて気が付いた。
しばらく、Tは下着のクロッチのあたりを指でいったりきたりさせていたと思う。
そして遂に私の下着は脱がされて・・・。
どこかのタイミングでTが「すごい濡れてる」って言ったのを聞いて、私はとても興奮したと思う。
どういう流れだったか、Tから「挿れていい?」って聞かれて。
私は、遂に・・・!、と思った。

が・・・。

様子がおかしい。Tが挿れようとしているみたいだけど、私は痛くて痛くて。。T T
「初体験は痛い。血が出る」、という情報は確か知っていて。
でも、まさか「入らない」なんてことが起こるなんて思ってもいなかった。

しばらく挿入を試みたTだけれど、遂にギブアップ。
たぶん「大丈夫」って言ってくれたと思うけど、ガッカリが明らかにみえる感じで、外にタバコを吸いに行ってしまって、置いていかれた私は、ちょっとポツン、って気持ちになっていて。
戻ってきたTに、元カノとはどうだったかを多分聞いて、入らないとかは無かったって言われた気がする。
でも、まあ、きっとそのうち大丈夫になるだろう、ってお互い思っていたと思う。

以上が、私の忘れられない初体験物語。
「初めて」が、ほぼ初めて付き合った、私の好きな人だったこと、優しく扱ってもらえたこと、は今になっても良かった、って思う。

まさか、「入らない」で終わるとは思っていなくて、そしてそのことで10年以上も悩むことになるとは、その時は全く思っていなかったけど^^;

いずれにしても、SEXって、そもそも赤ちゃんができる行為で、大切な人に自分を晒して、関係を紡ぎあげていくものだと私は思うから、大切に扱いたいことだなって私は思う。

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