ドキュメンタリー映画「14歳の栞」を見て
息子がこの春、中学2年生になった。14歳になる年である。半分子供だけど半分は大人で、少しは思慮深くなり、でも間違いやすくて、傷つきやすくて危なっかしい難しい年ごろに突入していくのだろう。同級生のなかには、既にそういう時期が訪れているように見える子もいる。
「14歳の栞」は、とある学校の2年6組の3学期に密着し、35人全員のインタビューとともにまとめたドキュメンタリー映画。2021年3月に初上映されて以降、毎年春に限定で再上映されていて気になっていた。息子がこの春で中学2年生になったので、中2のリアルを予習できればと行ってきた。
息子の学校と雰囲気の似た、おそらく問題がそれほど多くないだろう落ち着いた子供たち、先生、保護者…。それだけに、コレといった大きなエピソードはない。例えば、振り返って思い浮かぶのがバレンタインくらい。そんなありきたりな日常を覗き見。
自分の中にある決して見たくないもの、見せたくないものをカメラの前で赤裸々に吐き出す14歳たちの素直さと大胆さ、繊細さと残酷さは、大人の私には眩しくて、正直ちょっと怖かった。
自分の居場所を守るために、全エネルギーで悩んで考えて、正解かどうかは分からなくても進む。きっとみんな不安で、その感情をごまかしたり無視する子がいたかと思えば、向き合って割り切っている子もいる。いろんな子がいて、「この子とは友達になれたかも?」とか、「この子とは絶対に合わないだろうなー」とか思いながら見ていたけれど、話を聞いてみればそれぞれが個性的で魅力的な14歳だった。
予習のつもりで行った中2のリアルは、やっぱり複雑で難しかった。でも、難しいのに、全部知っているような気もした。私も14歳を経験したので、ある意味全部知っているのに、正解だけは分からないまま今に至る。結局、複雑な14歳を抱えたまま、大人も大人になっているってことなのかな?あー、分からない。そんな私は14歳に栞を挟んだままの中二病なのかもしれません。
エンディングのクリープハイプの「栞」は元々大好きな曲だったけれど、この映画のエンディングとして完璧でした。今年映画が観られない方は、この楽曲だけでも是非♡
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