母がおはぎを食べる理由
私が余命何ヶ月ですと言われて、食べたいものは何かと問われたら、何が食べたいのかな?
今、思い浮かぶのはしょっぱい梅干しのおにぎりが食べたい。
おにぎり全部を海苔で覆って、絶妙な塩加減で!!
海苔はね、すし海苔がいいなぁ
体の調子にもよるけど、アイスクリームって言うのかな?
広島県人だもん、お好み焼きって言うかもな~(笑)
先週末、施設におはぎを持参しました。
母が食べたいと言っているからです。
何でおはぎなのって聞いても食べたいからと答える。
今日は終末期の食べることについて考えてみました。
以下の記事を参考にさせて頂きました。
1,生きるために食べる
施設「お母さま、また厳しい状況です。」
酸素吸入が始まる前後、こんな風に連絡が入った。
私「食事できてるんですか?水分飲めていますか?嚥下大丈夫ですか?」
施設「ご飯をほんの少し召し上がってます。おかずは殆ど食べられません。水分は少しずつです。」
私はちょっと感動していました。
呼吸が苦しいのに頑張って食べてるんだな、呼吸するのに必要なエネルギー源になるご飯を母の体は欲していて食べれる分だけ食べてるんだね。
ご飯は効率よくエネルギー源になるのを母の体は知っているんですよね。
何が食べたいとかそういう欲求ではなく、母は体を維持する為の食事をしていました。
2,食べて満たされる
酸素が始まるまでは腎臓食を食べていましたが、治療食が中止となり
薄味の食事から普通の食事になりました。
食べたいものを食べて良いと許可が出て、母が望む物を面会時に持って行くようになりました。
施設では食堂で食べるので、母だけが家族の差し入れを食べているというわけにはいきません。
面会時は母の望みが叶う時間です。
許可が出てすぐにおはぎを届けました。
最初の一口で「美味しい!!」と喜んでくれました。
控えめに小さなおはぎだったので物足りなさそうでした。
3,食べ物から思い出を懐かしむ
母が何故おはぎが好きなのかは不明です。
私の予測では戦前生まれの母にとって餅米や白米、小豆、お砂糖は高価なものでお彼岸以外でもお祝い事や家族が集まるとき、おはぎを作っていたように思います。
そして田植えが終わった後、稲刈りが終わった後
毎年ではありませんが労いの意味を込めて作っていたような記憶もあります。
おはぎには家族団らんと幸せな時間がつまっているのかも知れません。
4,食べることで生きていると実感出来る
母の口癖は
「もうじきお迎えが来る」です。
この世での役割を終えることに怖さとか寂しさなどあるのでしょうか。
そこは聞くことは出来ませんが
体が思うように動かないことは理解できています。
息をすること、座る力が弱っていること、足に力が入らないこと、大きな声が出ないこと、トイレが一人で出来ないこと、
出来ないことが多くなっている現状で食べることだけではありませんがそれが母が一人で出来ることです。
だから自分の存在をしっかりと確認できてるのではないでしょうか。
それが母の支えになってるように思います。
5,終わりに
今回の面会ではおはぎを2口食べて「後で食べる」とタッパーの蓋を閉めて大事に抱えていました。
誰も母さんのおはぎを食べたりしないよ。
次の面会には桜餅を持っていく予定です。
結局はお餅が好きなんですね。
母さん
ちまきや柏餅の季節まで元気でいたら食べられるね。
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