まだまだ知られていない介護保険制度
超高齢化社会といわれる日本では、多くの人が介護保険制度を認知していると思いがちです。
しかし、高齢者夫婦だけの世帯や一人暮らしの高齢者の中には、介護保険を利用していない方が少なくありません。
「介護保険」という言葉は知っていても、その具体的な利用方法が分からない場合が多いのです。
特に、子供がいない世帯では情報源が限られており、制度を知らないまま「老々介護」や「自力で何とかする」状況に追い込まれているケースを耳にしました。医療者として、また地域の一員として、私たちに何ができるのかを考えてみました。
高齢者夫婦のどちらかが病気になったら
高齢者夫婦のどちらかが病気になり、日常生活が一人では難しくなる場合、「介護保険」という選択肢がすぐに思い浮かびます。
しかし、それは医療者である私だからこその発想であり、一般の方々には「年だから仕方ない」「病気も時間が経てば良くなるだろう」と考える方も少なくないようです。
また、家族介護が当たり前だった世代では、他者を頼ることに抵抗がある場合も多く見受けられます。これが、介護保険の認知の低さに繋がっているのかもしれません。
介護保険制度の認知を広げるためにできること
介護保険制度を多くの方に届けるためには、地域や医療現場での工夫が必要です。以下に具体的な方法を挙げています。
① かかりつけ医や薬局での情報提供
高齢者がよく訪れる病院や薬局は、情報提供の場として非常に有効です。
病院の外来で「介護保険はご存知ですか？」と尋ねてみたり、薬局で薬を受け取る際に「一時的に介護保険を活用してみては？」と声をかけるなど、小さな働きかけが利用へのきっかけを作れるかもしれません。
② 地域の集まりや町内会での共有
地域の集まりや自治体が主催する健康教室などで、介護保険について簡単に説明する時間を設けるのも効果的です。
特に地域交流が盛んな場所では、住民同士の口コミで情報が広がる可能性があります。
③ チラシや紙媒体の活用
高齢者の中にはインターネットを利用しない方も多いため、紙媒体での情報提供が有効です。
市役所からの通知だけでなく、気軽に手に取れるチラシを用意し、視覚的にわかりやすいデザインにすることで興味を引きやすくなります。
全ての人に知ってほしい介護保険制度
介護保険制度の認知を広げるためには、地域の中での交流や情報提供の工夫が必要だと感じます。
夫婦二人の生活を大切にする姿勢も素晴らしいですが、どちらかが倒れてしまうと一人で支えるのは難しくなります。
高齢者自身が地域や他世代との交流を意識し、共に生きる姿勢を持つことが、安心して老後を過ごすために重要です。
特に子供のいない世帯では、さまざまな情報や人とのつながりが老後を支える大きな鍵になると思います。
介護保険制度を動画で学ぶ
介護保険について、実は私たちの世代でも知らない方は少なくありません。友人から制度について尋ねられることもあり、情報が十分に行き届いていない現状を感じます。
今回、今回、高齢者夫婦から「情報を得ることの大切さ」を改めて学びました。
私達の世代は、やがて親を介護する立場になることが予測されます。その時に備えて、今から予備知識を持っておくことが重要です。
友人が介護保険についてわかりやすい動画を作成しました。事前に知識を得たい方は、ぜひそのホームページを訪れてみてください。詳細に説明されています。
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