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介護を見据えた人生設計

11/2~4日までイオンモール熱田のMyscueにて仲間と一緒に「心の介護相談」ブースの出店をさせて頂きました。3日間で82名の方の介護に関するご相談をお受けしました。

Wellnessナースの仲間と


介護を控えているご家族の複雑な心境や不安、葛藤などをお聞きしました。その中で印象に残っていることがあったのでシェアします。


親との同居率

昔なら長男夫婦が家を継ぎ3世代同居の大家族が多かったようですが、今は核家族化が進み、親と離れ自分の家族とあるいは単身で生活しているのが現状です。

※シニアガイドに掲載されている資料を引用しています。

20歳以上の成人、18,672人のうち、親が生存している人は「57.9%」でした。親が生存している人のうち、親と同居している人は「35.2%」でした。
親と別居している人の方が、ずっと多いことが分かります。
20歳以上で親と同居している人は35%だそうです。
また、娘との同居より息子との同居しているケースが多いことが報告されています。

シニアガイドより

しかし、娘しかいない場合はどうなるのでしょう。
相談された方は長女で妹さんはご両親と同居でしたが身体が弱いということで、介護は長女に期待され困っている、逃げたい気持ちになっているという悩みでした。


人生設計で大切なこと

皆さんは人生設計をする時、親の介護を視野に入れていますか?親の介護をする前提で就職や結婚を決めていますか?

自分の家族をもち将来を描く時、親の介護をする必要があるから、親の住んでいる近くに家を建てよう、2世代で暮らせる家を建てよう、暮らそうと考えているでしょうか。
または仕事を選ぶ時も親の介護を見据えて、就職を考えるでしょうか。
相談された方は幼いころから、長女だから介護をお願いねと期待されており顔を見るたびに一緒に暮らしたいと言われ困惑されていました。

娘さんにはご家庭があり、今は旦那様のお仕事の都合で転勤族らしいのですが、将来はご自身の家を建て暮らしたいという夢がありました。

自分が自立とともに、親の介護のことを意識しながら人生を歩むのは難しいと感じる方も多いんではないでしょうか。


介護に対する価値観の相違

60代から90代ぐらいの方は自宅で介護をした経験が多いと思います。私の母親もそうでした。家族であれば親の介護をするのは当たり前と考えていることが多いです。
きっと家族との温かな時間が背景にある為、子供達にも同じ期待を持ってしまうのかもしれません。

しかし、核家族化が進む中、協力者が身近にいないという現実や、社会情勢も変化があり夫婦共働きではないと生活が厳しい状況にあります。

相談された娘さんも子育てが落ち着いたら将来はまた働きたいと願っておられました。
正直なお気持ちとしては「介護どころではない」ということです。

また、親世代と子世代で介護の情報源や考え方も異なるため、両親が「家族愛の美しさ」として理想化した介護イメージと実際の負担感にギャップが生じている場合もあります。このような価値観の相違が、子供世代を悩ませているのです。


親の気持ちを受け止め自分を大切にする

親は子供を困らせようと思って介護を依頼しているのではありません。親世代は「介護=家族がするもの」という価値観の中で過ごしている為、それ以外の現実を予測できないこともあります。

日常的なコミュニケーションを大切にしながら、親がなぜ同居や介護を希望しているのかを尋ねてみると良いでしょう。過去に「介護の時間は良い思い出だった」など、介護をポジティブに感じた経験があるかもしれません。その気持ちを受け止めた上で、自分ができる介護について素直に伝えることが重要です。
「同居はできないけれど、キーパーソンとして手続きなどには関わるよ」といった具合に、自分の役割を共有しておくと良いでしょう。


まとめ

介護は自分の人生を構成するほんの一部です。人生をどう過ごしたいか、大切にしたいことを整理し介護がどの程度なら可能なのか予測しつつ親と相談していくことが大切です。

親と介護について相談する時の姿勢は、敬い、労い、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
きっと、お互いが納得できる方法や距離感が見つかるはずです。


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後悔しない親の介護✿ 郷堀有里夏
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