骨折にご用心
高齢者の方が特に気を付けなければならないアクシデントの一つに「転倒」があります。実は私の母も、2回骨折を経験しています。
大腿骨頚部骨折と下腿骨折です。1回目は事故によるものでしたが、2回目は草むしり中に尻もちをついて骨折しました。
最初は尻もちだからと普段通りの生活を続けていましたが、痛みが強くなり、病院に行ったところ骨折が発覚しました。
今回は、高齢者が転倒した際に気を付けるべき点についてお伝えします。
骨折の原因
高齢者、とりわけ女性は骨粗鬆症を患うことが多く、骨がもろくなっている状態です。尻もちをついただけ、何かにぶつかっただけでも骨にひびが入ってしまうことがあります。骨粗鬆症とは、骨量(骨密度)が減少する、または骨の質が低下して骨がもろくなる状態をいいます。
骨は成長期にカルシウムを蓄え、新陳代謝によって骨量を維持しています。しかし、女性は閉経後、加齢や女性ホルモンの減少、カルシウム不足などの影響でこの代謝が滞り、骨量が回復できなくなります。その結果、何気ない動作でも骨折を引き起こしやすくなるのです。
骨折を起こしやすい部位
背骨(椎体)
足の付け根(大腿骨近位部)
手首(橈骨遠位端)
腕の付け根(上腕骨近位部)
転倒後にすべきこと
痛みを訴えている部位をよく観察しましょう。
腫れ、痛み、しびれ
皮膚にあざ
骨折部位の変形
注意点
私が病院や施設で働いていて痛感したことは、必ずしも骨折した部位が腫れるとは限らないということです。
痛みを訴えている場合は、念のため、病院に行くことが賢明です。高齢者は痛みを我慢する傾向があり、そのまま動いてしまうと、骨折が悪化する恐れがあります。早期の対応が重要です。
骨折予防
高齢者の方の場合は家の中の環境を整える必要があります。廊下に手すりを設置したり、滑りにくい靴下をはく、夜間のトイレはポータブルトイレを設置するなどが有用です。
まとめ
高齢者の方は骨折が原因で寝たきりになる可能性があります。早期に予防、発見できれば手術ではなく安静で療養できる場合もあります。手術になると身体への負担が大きくなりますので、まず転んだ、痛みが出ているといった症状があれば、打ち身程度だと思わずに病院受診をしましょう。